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擬似逆行列の基本md bd018f8
lecture/math/linear-algebra/擬似逆行列の基本-講義.n.md
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擬似逆行列ぎじぎゃくぎょうれつpseudoinverse matrix基本きほん

date2026-05-25description擬似逆行列を、逆行列が存在しない場合にも最小二乗解と最小ノルム解を統一的に記述するための行列として整理する講義である。prerequisites特異値分解の入口 / 最小二乗法の基本 / 逆行列の基本type講義statusactiverelateddata/lecture/math/linear-algebra/線型代数ポータル-講義.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/特異値分解の入口-講義.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/最小二乗法の基本-講義.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/逆行列の基本-講義.n.md / data/exercise/math/linear-algebra/固有値・対角化・発展-基本演習.n.md
mathlinear-algebraundergraduatelecture

導入どうにゅう

この講義こうぎ重要じゅうようなのは、擬似逆行列ぎじぎゃくぎょうれつpseudoinverse matrixは、逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix存在そんざいしない行列ぎょうれつmatrixたいしても、最小二乗解さいしょうにじょうかい最小さいしょうノルムかい統一的とういつてきあたえる道具どうぐであるということである。

逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix正方行列せいほうぎょうれつsquare matrixで、しかも情報じょうほううしなわない場合ばあいにだけ存在そんざいする。しかし、長方行列ちょうほうぎょうれつ階数落かいすうおちの行列ぎょうれつmatrixにおいても、近似解きんじかい代表解だいひょうかい必要ひつようとする状況じょうきょうおおい。擬似逆行列ぎじぎゃくぎょうれつpseudoinverse matrixは、その状況じょうきょう線型代数せんけいだいすう言葉ことば処理しょりする。

用語ようご定義ていぎ

ムーア・ペンローズ擬似逆行列ぎじぎゃくぎょうれつMoore-Penrose pseudoinverse とは、行列ぎょうれつmatrix A特異値分解とくいちぶんかいsingular value decompositionSVDから定義ていぎされる行列ぎょうれつmatrixである。実行列じつぎょうれつでは

A=UΣVT

たいして

A+=VΣ+UT

定義ていぎする。複素行列ふくそぎょうれつでは

A=UΣV*

たいして

A+=VΣ+U*

定義ていぎする。ここで Σ+ は、Σ非零特異値ひぜろとくいち σi1/σi置換ちかんし、転置てんちしたかたち行列ぎょうれつmatrixである。

方針ほうしん

方針ほうしんは、特異値分解とくいちぶんかいsingular value decompositionSVDにより行列ぎょうれつmatrix作用さよう直交変換ちょっこうへんかん伸縮しんしゅく分解ぶんかいし、非零ひぜろ伸縮方向しんしゅくほうこうだけを反転はんてんすることである。零特異値ぜろとくいち方向ほうこう情報じょうほう消失しょうしつするため、逆変換ぎゃくへんかん定義ていぎしない。

data/lecture/math/linear-algebra/特異値分解の入口-講義.n.md

直感的ちょっかんてき説明せつめい

擬似逆行列ぎじぎゃくぎょうれつpseudoinverse matrixは、可能かのう範囲はんい逆向ぎゃくむきの操作そうさoperation実行じっこうする行列ぎょうれつmatrixである。

A がある方向ほうこうを 3 ばいするなら、A+ はその方向ほうこう1/3 ばいする。A がある方向ほうこうを 0 につぶすなら、その情報じょうほう復元不能ふくげんふのうであるため、A+ はその方向ほうこう復元ふくげんしない。

厳密げんみつ説明せつめい

1. 正則行列せいそくぎょうれつでは逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix一致いっちする

A正則せいそくなら、すべての特異値とくいちsingular valueせいである。この場合ばあいΣ+Σ-1一致いっちし、

A+=A-1

である。擬似逆行列ぎじぎゃくぎょうれつpseudoinverse matrix逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix拡張かくちょうである。

2. 最小二乗解さいしょうにじょうかい

連立一次方程式れんりついちじほうていしきsystem of linear equations

Ax=b

かいたない場合ばあいA+b

Ax-b

最小化さいしょうかするかいのうち、ノルムが最小さいしょうのものをあたえる。

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]x=A+b

3. 階数条件かいすうじょうけんによる公式こうしき

Aれつcolumn一次独立いちじどくりつlinear independenceなら、

A+=(ATA)-1AT

である。これは正規方程式せいきほうていしきからられる最小二乗公式さいしょうにじょうこうしきである。

Aぎょうrow一次独立いちじどくりつlinear independenceなら、

A+=AT(AAT)-1

である。この場合ばあいは、かい複数ふくすう存在そんざいするときに最小さいしょうノルムかい選択せんたくする。

複素ふくそcomplex場合ばあいは、これらのしきATA*置換ちかんする。れつcolumn一次独立いちじどくりつlinear independenceなら

A+=(A*A)-1A*

であり、ぎょうrow一次独立いちじどくりつlinear independenceなら

A+=A*(AA*)-1

である。

4. ペンローズの 4 条件じょうけん

擬似逆行列ぎじぎゃくぎょうれつpseudoinverse matrixは SVD による構成こうせいだけでなく、つぎの 4 条件じょうけんによって一意いちい特徴とくちょうづけられる。

AA+A=A
A+AA+=A+
(AA+)*=AA+
(A+A)*=A+A

これらをペンローズの条件じょうけんという。前半ぜんはん 2 しきは「可能かのう範囲はんい逆操作ぎゃくそうさとして機能きのうする」ことをあらわし、後半こうはん 2 しきられる射影しゃえいprojection直交射影ちょっこうしゃえいorthogonal projectionであることを保証ほしょうする。

5. 射影しゃえいprojectionとしての AA+A+A

A のコンパクト SVD を

A=UrΣrVr*

とすると、

AA+=UrUr*

であり、これは Col(A) への直交射影ちょっこうしゃえいorthogonal projectionである。また

A+A=VrVr*

であり、これは行空間ぎょうくうかんrow spaceへの直交射影ちょっこうしゃえいorthogonal projectionである。実行列じつぎょうれつでは *T置換ちかんする。

具体例ぐたいていれい

A=(2000)

とする。この行列ぎょうれつmatrix第二成分だいにせいぶん消去しょうきょするため、正則せいそくではない。特異値とくいちsingular value2,0 である。したがって

A+=(1/2000)

である。うしなわれた第二成分だいにせいぶん復元ふくげんされない。

このれいでは

AA+=(1000),A+A=(1000)

である。どちらも第一成分だいいちせいぶんじくへの直交射影ちょっこうしゃえいorthogonal projectionであり、消去しょうきょされた第二成分だいにせいぶん復元ふくげんしない。

射影しゃえいprojectionとしての見方みかた数値計算上すうちけいさんじょう注意ちゅうい

擬似逆行列ぎじぎゃくぎょうれつpseudoinverse matrixは、射影しゃえいprojectionとも密接みっせつ関係かんけいする。AA+列空間れつくうかんcolumn spaceへの直交射影ちょっこうしゃえいorthogonal projectionA+A行空間ぎょうくうかんrow spaceへの直交射影ちょっこうしゃえいorthogonal projectionとして解釈かいしゃくできる。

数値計算すうちけいさんでは、極端きょくたんちいさい特異値とくいちsingular valueをそのまま逆数ぎゃくすうにすると誤差ごさ増幅ぞうふくされる。そのため、ちいさい特異値とくいちsingular value除外じょがいする切断せつだん SVD

Ak+=i=1kσi-1viui*

や、σi-1わりに σi/(σi2+λ)もちいる正則化せいそくか利用りようされる。

判定基準はんていきじゅん

  • 擬似逆行列ぎじぎゃくぎょうれつpseudoinverse matrix特異値分解とくいちぶんかいsingular value decompositionSVDから定義ていぎされる。
  • 非零特異値ひぜろとくいちだけを逆数ぎゃくすうにする。
  • 正則行列せいそくぎょうれつでは通常つうじょう逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix一致いっちする。
  • ペンローズの 4 条件じょうけんにより一意いちいさだまる。
  • かい存在そんざいしない場合ばあい最小二乗解さいしょうにじょうかいあたえる。
  • かい複数ふくすう存在そんざいする場合ばあい最小さいしょうノルムかい選択せんたくする。

どこまでつか

擬似逆行列ぎじぎゃくぎょうれつpseudoinverse matrix任意にんい実行列じつぎょうれつ複素行列ふくそぎょうれつ定義ていぎできる。ただし特異値とくいちsingular value極端きょくたんちいさい場合ばあい逆数ぎゃくすうおおきくなり、数値的不安定性すうちてきふあんていせいしょうじる。この場合ばあい切断特異値分解せつだんとくいちぶんかい正則化せいそくか検討けんとうする。

最終形さいしゅうけい

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]A=UΣVT,A+=VΣ+UT
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]A=UΣV*,A+=VΣ+U*(complexcase)
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]x=A+b
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]A+=(ATA)-1ATifcolumnsareindependent
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]AA+=projCol(A),A+A=projRow(A)

一言ひとことでいうと

  • 擬似逆行列ぎじぎゃくぎょうれつpseudoinverse matrixは、逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrixたない行列ぎょうれつmatrixたいして、射影しゃえいprojection最小化さいしょうかもとづく代表的だいひょうてき逆操作ぎゃくそうさあたえる。

演習えんしゅうリンク

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