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行列計算ぎょうれつけいさんmatrix calculation線型変換せんけいへんかんlinear transformation-基本演習きほんえんしゅう

date2026-05-25description行列の和・積・転置・単位行列・零行列を、サイズ条件と線型変換の意味から確認する基本演習である。prerequisites線型性の基本 / 行列の基本演算 / 行列の積の意味 / 単位行列・零行列・転置の基本 / 線型写像と行列type問題演習content_typeexercisestatusactiverelateddata/lecture/math/linear-algebra/線型性の基本-講義.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/行列の基本演算-講義.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/行列の積の意味-講義.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/単位行列・零行列・転置の基本-講義.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/複素内積とユニタリ行列-講義.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/線型写像と行列-講義.n.md
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演習えんしゅう方針ほうしん

行列ぎょうれつmatrix計算けいさんでは、成分せいぶんentryうごかすまえサイズ条件じょうけんsize condition確認かくにんする。せきproduct AB は「まず B、つぎに A」という合成ごうせいcompositionあらわすので、順序じゅんじょorderえると意味いみ結果けっかわる。


確認問題かくにんもんだい線型性せんけいせいlinearity判定はんてい

T:R2R2

T(xy)=(x+y2x-y)

定義ていぎする。この T線型写像せんけいしゃぞうlinear mapであることを、加法性かほうせいadditivity同次性どうじせいhomogeneity確認かくにんしてしめせよ。

解答例かいとうれい

u=(x1y1)v=(x2y2) とする。まず加法性かほうせいadditivity確認かくにんする。

T(u+v)=T(x1+x2y1+y2)=(x1+x2+y1+y22(x1+x2)-(y1+y2))

一方いっぽう

T(u)+T(v)=(x1+y12x1-y1)+(x2+y22x2-y2)=(x1+x2+y1+y22(x1+x2)-(y1+y2))

である。したがって T(u+v)=T(u)+T(v) である。

つぎにスカラーscalar c について同次性どうじせいhomogeneity確認かくにんする。

T(cu)=T(cx1cy1)=(cx1+cy12cx1-cy1)=c(x1+y12x1-y1)=cT(u)

よって T線型写像せんけいしゃぞうlinear mapである。

解説かいせつ

この問題もんだいは、線型写像せんけいしゃぞうlinear map定義ていぎdefinitionそのものを確認かくにんしている。加法性かほうせいadditivityは「してから写像しゃぞうmapうつす」と「写像しゃぞうmapうつしてからす」が一致いっちすること、同次性どうじせいhomogeneityは「スカラーばいscalar multiplicationしてから写像しゃぞうmapうつす」と「写像しゃぞうmapうつしてからスカラーばいscalar multiplicationする」が一致いっちすることである。

ここで重要じゅうようなのは、いくつかの数値例すうちれいつことをたしかめるだけでは証明しょうめいproofにならないというてんである。任意にんいu,v,c について確認かくにんしているため、定義ていぎdefinitionもどった証明しょうめいproofになっている。


問題もんだい 1

A=(120-134),B=(2015-12)

について、A+B2A-Bもとめよ。可能かのう理由りゆうreasonべよ。

解答例かいとうれい

どちらも 2×3 行列ぎょうれつmatrixなのでsumdifference定義ていぎできる。

A+B=(321426)
2A-B=(04-1-776)

解説かいせつ

行列ぎょうれつmatrixsumは、おな位置いち成分せいぶんentryどうしを操作そうさoperationである。そのため、行数ぎょうすうnumber of rows列数れつすうnumber of columns一致いっちしていなければならない。この問題もんだいは、計算前けいさんまえ定義条件ていぎじょうけんcondition for being defined確認かくにんする習慣しゅうかん確認かくにんしている。


問題もんだい 2

A=(1201),B=(2013)

について、ABBAもとめ、ちがいを説明せつめいせよ。

解答例かいとうれい

AB=(4613),BA=(2415)

したがって ABBA である。

解説かいせつ

AB右側みぎがわBさき適用てきようapplicationし、その結果けっかA適用てきようapplicationする合成ごうせいcompositionである。BA順序じゅんじょorderぎゃくである。線型変換せんけいへんかんlinear transformationでは、さきよこしてからばす操作そうさoperationと、さきばしてからよこ操作そうさoperation一般いっぱん一致いっちしない。


問題もんだい 3

線型変換せんけいへんかんlinear transformation T:R2R3

T(e1)=(102),T(e2)=(-131)

たすとする。T標準基底ひょうじゅんきていstandard basisかんする表現行列ひょうげんぎょうれつrepresentation matrixもとめ、T(4-2)もとめよ。

解答例かいとうれい

表現行列ひょうげんぎょうれつrepresentation matrixは、T(e1)T(e2)れつcolumnならべた

A=(1-10321)

である。したがって、

T(4-2)=A(4-2)=(6-66)

である。

解説かいせつ

行列ぎょうれつmatrixれつcolumnは、標準基底ひょうじゅんきていstandard basisがどこへうつるかを記録きろくしている。(4-2)=4e1-2e2 なので、線型性せんけいせいlinearityにより T(4e1-2e2)=4T(e1)-2T(e2) である。この問題もんだいは、行列積ぎょうれつせきmatrix productれつcolumn線型結合せんけいけつごうlinear combinationとしてむことを確認かくにんしている。


問題もんだい 4

A2×3 行列ぎょうれつmatrixB3×4 行列ぎょうれつmatrixとする。ABBAATBBAT定義ていぎできるかを判定はんていせよ。

解答例かいとうれい

AB定義ていぎでき、サイズは 2×4 である。BA3×42×3せきproductなので定義ていぎできない。AT3×2 なので、ATB3×23×4せきproductとなり定義ていぎできない。BAT3×43×2せきproductとなり定義ていぎできない。

解説かいせつ

行列積ぎょうれつせきmatrix productでは、ひだり列数れつすうnumber of columnsみぎ行数ぎょうすうnumber of rows一致いっちする必要ひつようがある。転置てんちtransposeはサイズをえるので、転置後てんちごafter transpositionにもう一度いちどサイズを確認かくにんする。境界きょうかいboundaryあやまりやすいのは、記号きごうsymbolだけをて「なんとなくけられる」と判断はんだんすることである。


問題もんだい 5

Am×n 行列ぎょうれつmatrixとする。AIn=AImA=A意味いみを、サイズと線型変換せんけいへんかんlinear transformation両方りょうほうから説明せつめいせよ。また、A00Aなにあらわすかもべよ。

解答例かいとうれい

InRn恒等変換こうとうへんかんidentity transformationImRm恒等変換こうとうへんかんidentity transformationである。したがって、AInAまえなにもしない変換へんかんtransformationはさむこと、ImAAあとなにもしない変換へんかんtransformationはさむことをあらわす。どちらも A である。

零行列れいぎょうれつzero matrixけると、適切てきせつなサイズではすべてをれいzeroおく変換へんかんtransformationになる。

解説かいせつ

単位行列たんいぎょうれつidentity matrix情報じょうほうinformationえない。零行列れいぎょうれつzero matrix入力にゅうりょくinputちがいをすべてつぶす。このため、単位行列たんいぎょうれつidentity matrix合成ごうせいcompositionしても変換へんかんtransformation保存ほぞんするが、零行列れいぎょうれつzero matrix階数かいすうrankかくkernel性質せいしつpropertyおおきくえる。この問題もんだいは、操作そうさoperationなにえ、なにえないかを見分みわける練習れんしゅうである。


補充問題ほじゅうもんだい行列ぎょうれつmatrix演算えんざんoperation転置てんちtranspose

問題もんだい 6

2×3 行列ぎょうれつmatrix2×3 行列ぎょうれつmatrixsum定義ていぎされる理由りゆうreason説明せつめいせよ。

行列ぎょうれつmatrixsumおな位置いち成分せいぶんentryどうしをすため、行数ぎょうすうnumber of rows列数れつすうnumber of columns一致いっちしている必要ひつようがある。どちらも 2×3 なので定義ていぎできる。

問題もんだい 7

A=(1023-14)たいして -2A計算けいさんせよ。

-2A=(-20-4-62-8)

問題もんだい 8

(12)(12) のサイズを比較ひかくせよ。

(12)1×2 行列ぎょうれつmatrixで、(12)2×1 行列ぎょうれつmatrixである。

問題もんだい 9

2×3 行列ぎょうれつmatrix3×4 行列ぎょうれつmatrixせきproductのサイズをこたえよ。

内側うちがわのサイズ 3一致いっちするのでせきproduct定義ていぎでき、サイズは 2×4 である。

問題もんだい 10

A=(1021)x=(3,4)Tたいして Ax計算けいさんせよ。

Ax=(1021)(34)=(310)

問題もんだい 11

行列積ぎょうれつせきmatrix product可換かかんcommutativeでないれいを 1 つ構成こうせいせよ。

A=(1101)B=(2001) とすると、

AB=(2101),BA=(2201)

なので ABBA である。

問題もんだい 12

A=(0123)ATもとめよ。

AT=(0213)

問題もんだい 13

I2A=A成立せいりつするための A行数ぎょうすうnumber of rows確認かくにんせよ。

I22×2 行列ぎょうれつmatrixなので、I2A定義ていぎされるには A行数ぎょうすうnumber of rows2 である必要ひつようがある。

問題もんだい 14

(AB)T=BTAT順序じゅんじょorder反転はんてんする理由りゆうreason言語化げんごかせよ。

AB は「まず B、つぎに A」という合成ごうせいcompositionあらわす。転置てんちtransposeするとぎょうrowれつcolumn役割やくわりroleわるため、合成ごうせいcompositionもどして順序じゅんじょorderBTAT になる。

問題もんだい 15

Am×n 行列ぎょうれつmatrixのとき、rank(A)=rank(AT) となる理由りゆうreason行空間ぎょうくうかんrow space列空間れつくうかんcolumn space対応たいおうcorrespondenceから説明せつめいせよ。

A行空間ぎょうくうかんrow spaceAT列空間れつくうかんcolumn space対応たいおうcorrespondenceし、A列空間れつくうかんcolumn spaceAT行空間ぎょうくうかんrow space対応たいおうcorrespondenceする。行階数ぎょうかいすうrow rank列階数れつかいすうcolumn rank一致いっちするので、rank(A)=rank(AT) である。


問題もんだい 16

A=(1234)

行基本変形ぎょうきほんへんけいelementary row operation R2R2+3R1おこなって Bる。このとき BTAT にどの列基本変形れつきほんへんけいelementary column operationおこなったものかこたえよ。

B=(12610)

なので

BT=(16210)

である。一方いっぽう

AT=(1324)

であり、ATだい 2 れつcolumnだい 1 れつcolumnの 3 ばいくわえると

(16210)

になる。したがって、対応たいおうする列基本変形れつきほんへんけいelementary column operationC2C2+3C1 である。

この問題もんだいは、転置てんちtransposeぎょうrow操作そうさoperationれつcolumn操作そうさoperation翻訳ほんやくすることを確認かくにんしている。


問題もんだい 17

A=(1102),B=(2011),x=(34)

について、A(Bx)(AB)x計算けいさんし、おな結果けっかになることを確認かくにんせよ。

Bx=(67)

なので

A(Bx)=(1314)

である。また

AB=(3122)

だから

(AB)x=(1314)

である。

この問題もんだいは、行列積ぎょうれつせきmatrix product AB が「まず B、つぎに A」という合成ごうせいcompositionあらわすことを確認かくにんする。

問題もんだい 18

A=(1201),B=(1324)=[b1b2]

について、ABれつcolumnAb1,Ab2 であることを確認かくにんせよ。

AB=(51124)

である。一方いっぽう

Ab1=(52),Ab2=(114)

である。したがって

AB=[Ab1Ab2]

である。

この問題もんだいは、行列積ぎょうれつせきmatrix product成分計算せいぶんけいさんだけでなく、「みぎ行列ぎょうれつmatrix各列かくれつひだり行列ぎょうれつmatrixうつす」と練習れんしゅうである。


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