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線型性の基本md 36ad9a3
lecture/math/linear-algebra/線型性の基本-講義.n.md
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線型性せんけいせいlinearity基本きほん

導入どうにゅう

線型代数せんけいだいすうlinear algebra行列ぎょうれつmatrix計算規則けいさんきそくcalculation ruleからはじめると、なぜその規則きそくruleかんがえるのかがえにくい。さきくべきいは、「どのような変換へんかんtransformationなら、基底きていbasisベクトルのぞうimageだけで空間くうかんspace全体ぜんたいさきまるか」である。

そのこたえが線型性せんけいせいlinearityである。線型性せんけいせいlinearityは、ベクトルvector加法かほうadditionスカラーばいscalar multiplicationという基本操作きほんそうさbasic operationたも性質せいしつpropertyである。この性質せいしつpropertyがあるから、線型結合せんけいけつごうlinear combination基底きていbasis行列ぎょうれつmatrixれつcolumn階数かいすうrankかくkernelひとつのながれでつながる。

用語ようご定義ていぎ

線型写像せんけいしゃぞうlinear map とは、ベクトル空間くうかんvector space V,Wあいだ写像しゃぞうmap T:VW で、すべての u,vV とすべてのスカラーscalar c について

T(u+v)=T(u)+T(v)

および

T(cu)=cT(u)

たすものである。

前者ぜんしゃ加法性かほうせいadditivity後者こうしゃ同次性どうじせいhomogeneityという。線型性せんけいせいlinearityとは、加法性かほうせいadditivity同次性どうじせいhomogeneity同時どうじたすことである。

加法性かほうせいadditivityは「してからうつす」と「うつしてからす」が一致いっちすることをあらわす。同次性どうじせいhomogeneityは「スカラーばいscalar multiplicationしてからうつす」と「うつしてからスカラーばいscalar multiplicationする」が一致いっちすることをあらわす。

data/lecture/math/linear-algebra/ベクトルの基本演算-講義.n.md

方針ほうしん

線型性せんけいせいlinearity理解りかいするときは、いきなり行列ぎょうれつmatrix成分せいぶんcomponentはいらない。まず、線型写像せんけいしゃぞうlinear mapなに保存ほぞんpreservationし、なにえうるかを確認かくにんする。

保存ほぞんpreservationされるのは、sumスカラーばいscalar multiplication線型結合せんけいけつごうlinear combination部分空間ぶぶんくうかんsubspaceとしての構造こうぞうstructureである。一方いっぽうながlength角度かくどangle面積めんせきarea体積たいせきvolumeことなるベクトルvector区別くべつ一般いっぱんには保存ほぞんpreservationされない。れいzeroつぶれる方向ほうこうdirectionがあれば、情報じょうほうinformationうしなわれる。

data/lecture/math/linear-algebra/線型結合と張る空間の基本-講義.n.md

直感的ちょっかんてき説明せつめい

1. 線型性せんけいせいlinearity骨組ほねぐみをたも

ベクトル空間くうかんvector spaceでは、あたらしいベクトルvectorつく基本操作きほんそうさbasic operationsumスカラーばいscalar multiplicationである。線型写像せんけいしゃぞうlinear mapは、この 2 つの操作そうさoperation順序じゅんじょorderえても結果けっかresultわらない写像しゃぞうmapである。

このため、線型写像せんけいしゃぞうlinear map空間くうかんspaceげる変換へんかんtransformationではなく、直線的ちょくせんてきlinearわせの関係かんけいrelationたも変換へんかんtransformationである。原点げんてんoriginとお直線ちょくせんline直線ちょくせんlineまたは一点いってんsingle pointうつり、平面へいめんplane平面へいめんplane直線ちょくせんline一点いってんsingle pointのいずれかへうつる。

2. 線型結合せんけいけつごうlinear combinationがそのままうつ

加法性かほうせいadditivity同次性どうじせいhomogeneityわせると、

T(c1v1++ckvk)=c1T(v1)++ckT(vk)

られる。左辺さへんleft-hand sideは「材料ざいりょうぜてからうつす」、右辺うへんright-hand sideは「材料ざいりょううつしてからおな係数けいすうcoefficientぜる」である。線型性せんけいせいlinearityは、この 2 つが一致いっちするという性質せいしつpropertyである。

3. 基底きていbasisベクトルのぞうimageだけで全体ぜんたいまる

基底きていbasis e1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],enえらぶと、任意にんいベクトルvector x

x=x1e1++xnen

一意いちいuniqueあらわせる。線型写像せんけいしゃぞうlinear map T適用てきようすると、

T(x)=x1T(e1)++xnT(en)

である。したがって T(e1),[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],T(en)かれば、すべての xたいする T(x)かる。

data/lecture/math/linear-algebra/ベクトル空間と基底-講義.n.md

4. 行列ぎょうれつmatrixれつcolumn基底きていbasisぞうimageである

標準基底ひょうじゅんきていstandard basisかんがえると、行列ぎょうれつmatrix

A=(||T(e1)T(en)||)

つくられる。このしきformulaは、行列ぎょうれつmatrixだい j れつcolumnT(ej) であることを意味いみする。

入力にゅうりょく x=(x1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],xn)Tたいして

Ax=x1T(e1)++xnT(en)

となるので、行列積ぎょうれつせきmatrix productれつcolumnベクトルを入力成分にゅうりょくせいぶんinput component線型結合せんけいけつごうlinear combinationしているとめる。

data/lecture/math/linear-algebra/線型写像と行列-講義.n.md

厳密げんみつ説明せつめい

1. れいベクトルzero vectorれいベクトルzero vectorうつ

線型写像せんけいしゃぞうlinear map T では、まず

T(0)=T(0+0)=T(0)+T(0)

である。両辺りょうへん-T(0)くわえると

T(0)=0

る。

この結論けつろんにより、原点げんてんorigin原点げんてんoriginおくらない写像しゃぞうmap線型せんけいlinearではないとすぐに判定はんていできる。たとえば S(x)=Ax+b は、b0 なら S(0)=b0 なので線型写像せんけいしゃぞうlinear mapではない。

2. 線型結合せんけいけつごうlinear combination保存ほぞんpreservation

k=1場合ばあい同次性どうじせいhomogeneityそのものである。k=2場合ばあい

T(c1v1+c2v2)=T(c1v1)+T(c2v2)=c1T(v1)+c2T(v2)

である。おな議論ぎろんargumentかえすと、有限個ゆうげんこfinite number線型結合せんけいけつごうlinear combinationについて

T(c1v1++ckvk)=c1T(v1)++ckT(vk)

つ。k=0空和くうわempty sumかんがえる場合ばあいは、空線型結合くうせんけいけつごうempty linear combination0約束やくそくするため、うえT(0)=0整合せいごうする。

3. 基底きていbasisぞうimageによる決定けっていdetermination

e1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],enV基底きていbasisなら、任意にんいxV一意いちいunique

x=x1e1++xnen

あらわせる。線型性せんけいせいlinearityより

T(x)=x1T(e1)++xnT(en)

である。したがって、T(e1),[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],T(en)指定していすれば、Tあたいvalueすべての x について一意いちいuniqueまる。

ぎゃくconverseに、基底きていbasisぞうimage任意にんい指定していしても、うえしきformulaT定義ていぎdefineすれば線型写像せんけいしゃぞうlinear mapになる。ここで基底表示きていひょうじbasis representation一意性いちいせいuniqueness必要ひつようである。一意いちいuniqueでなければ、おなx からことなるあたいvalue危険きけんがある。

例題れいだい基底きていbasisぞうimageから行列ぎょうれつmatrixつく

問題もんだい基底きていbasisぞうimageから行列ぎょうれつmatrixつく

R2線型写像せんけいしゃぞうlinear map T:R2R2

T(e1)=(13),T(e2)=(2-1)

たすとする。T標準基底ひょうじゅんきていstandard basisかんする行列ぎょうれつmatrixもとめ、T(4,-1)T計算けいさんする。

解説かいせつ

行列ぎょうれつmatrixれつcolumn標準基底ひょうじゅんきていstandard basisぞうimageなので、

A=(123-1)

である。また

(4-1)=4e1-e2

だから、線型性せんけいせいlinearityにより

T(4-1)=4T(e1)-T(e2)=4(13)-(2-1)=(213)

である。行列計算ぎょうれつけいさんmatrix calculationくと

A(4-1)=(123-1)(4-1)=(213)

となる。この具体例ぐたいれい確認かくにんしているのは、行列積ぎょうれつせきmatrix product基底きていbasisぞうimage線型結合せんけいけつごうlinear combinationであるというてんである。

操作そうさoperationわるもの・保存ほぞんされるもの

観点かんてん保存ほぞんされるものわりうるもの
線型写像せんけいしゃぞうlinear mapsumスカラーばいscalar multiplication線型結合せんけいけつごうlinear combinationながlength角度かくどangle面積めんせきarea体積たいせきvolume
基底きていbasisぞうimage写像しゃぞうmap全体ぜんたい決定けっていdeterminationできることえら基底きていbasisによる座標表示ざひょうひょうじcoordinate representation
行列ぎょうれつmatrixれつcolumn標準基底ひょうじゅんきていstandard basisぞうimageという意味いみ基底きていbasisえたときの成分せいぶんcomponent
零写像れいしゃぞうzero map線型性せんけいせいlinearity入力にゅうりょくinput区別くべつ階数かいすうrank情報じょうほうinformation

どこまでつか

線型性せんけいせいlinearity定義ていぎdefinitionは、有限次元ゆうげんじげんfinite-dimensionalだけでなく無限次元むげんじげんinfinite-dimensionalベクトル空間くうかんvector spaceにも使つかえる。関数空間かんすうくうかんfunction spaceでの微分びぶんdifferentiation積分せきぶんintegrationも、条件じょうけんconditionたせば線型写像せんけいしゃぞうlinear mapとしてあつかえる。

一方いっぽう行列ぎょうれつmatrixとして表示ひょうじrepresentationするには、基底きていbasisえらび、その座標ざひょうcoordinate必要ひつようがある。有限次元ゆうげんじげんfinite-dimensionalでは有限個ゆうげんこfinite numberれつcolumnならべればよいが、無限次元むげんじげんinfinite-dimensionalでは通常つうじょう有限行列ゆうげんぎょうれつfinite matrixだけでは表現ひょうげんrepresentationできない。

境界例きょうかいれいboundary case重要じゅうようである。零写像れいしゃぞうzero map T(x)=0線型せんけいlinearであるが、すべての入力にゅうりょくinputつぶす。1 次元じげんdimensionでは、線型写像せんけいしゃぞうlinear mapは 1 ぽん基底きていbasisベクトルのぞうimageだけでまる。0 次元じげんdimension零空間れいくうかんzero spaceでは、空基底くうきていempty basis空線型結合くうせんけいけつごうempty linear combinationあつかうため、T(0)=0 との整合性せいごうせいconsistency確認かくにんしておくと議論ぎろんargument安定あんていする。

最終形さいしゅうけい

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]線型性=加法性+同次性
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]T(c1v1++ckvk)=c1T(v1)++ckT(vk)
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]線型写像は基底ベクトルの像で決まる
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]行列の列は標準基底の像を記録する

一言ひとことでいうと

  • 線型性せんけいせいlinearityは、ベクトルvectorsumスカラーばいscalar multiplicationたも性質せいしつpropertyである。
  • 線型写像せんけいしゃぞうlinear mapでは、線型結合せんけいけつごうlinear combinationつくってからうつしても、うつしてからおな係数けいすうcoefficient線型結合せんけいけつごうlinear combinationしても一致いっちする。
  • 基底きていbasisぞうimageかれば、線型写像せんけいしゃぞうlinear map全体ぜんたいとしてまる。

演習えんしゅうリンク

data/exercise/math/linear-algebra/線型性と線型写像-基本演習.n.md data/exercise/math/linear-algebra/ベクトルと線型結合-基本演習.n.md data/exercise/math/linear-algebra/行列計算と線型変換-基本演習.n.md

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