用語と定義
体 K 上のベクトル空間を考える。ベクトル v_1,\dots,v_k とスカラー c_1,\dots,c_k\in K に対して
c_1v_1+\cdots+c_kv_k
を線型結合という。
張る空間 とは、すべての線型結合で得られる集合である。
\operatorname{span}(v_1,\dots,v_k)
=
\{c_1v_1+\cdots+c_kv_k\mid c_1,\dots,c_k\in K\}
部分空間 とは、零ベクトルを含み、和とスカラー倍で閉じているベクトル集合である。張る空間は、材料ベクトルを含む最小の部分空間である。
なぜ \operatorname{span}(v_1,\dots,v_k) が部分空間になるかを確認しておく。まず c_1=\cdots=c_k=0 と取れば零ベクトルが入る。つぎに
x=\sum_{i=1}^k a_i v_i,\qquad
y=\sum_{i=1}^k b_i v_i
が span に属するとき、
x+y=\sum_{i=1}^k (a_i+b_i)v_i
も同じ材料ベクトルの線型結合である。また、スカラー r\in K について
rx=\sum_{i=1}^k (ra_i)v_i
も span に属する。したがって、span は零ベクトル、和、スカラー倍を保つ集合であり、部分空間である。
厳密な説明
v_1=(1,0)^T、v_2=(0,1)^T とする。このとき
av_1+bv_2=(a,b)^T
である。a,b を自由に選択できるため、\mathbb R^2 の任意のベクトルを表現できる。
一方、w_1=(1,1)^T、w_2=(2,2)^T では
aw_1+bw_2=(a+2b)(1,1)^T
であり、得られるのは直線だけである。2 本あっても、方向が重複していれば平面全体は張れない。
最終形
\boxed{\operatorname{span}(v_1,\dots,v_k)=\{c_1v_1+\cdots+c_kv_k\}}
\boxed{\text{張る空間は到達可能な線型結合全体である}}
\boxed{\operatorname{span}(v_1,\dots,v_k)\text{ は部分空間である}}