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単位行列・零行列・転置の基本md 2325a55
lecture/math/linear-algebra/単位行列・零行列・転置の基本-講義.n.md
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単位行列たんいぎょうれつidentity matrix零行列れいぎょうれつzero matrix転置てんち基本きほん

導入どうにゅう

この講義こうぎ重要じゅうようなのは、単位行列たんいぎょうれつidentity matrix零行列れいぎょうれつzero matrix転置てんちは、行列ぎょうれつmatrix演算えんざん整理せいりする基準きじゅんであるということである。

逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix対称行列たいしょうぎょうれつsymmetric matrix内積ないせきinner product、SVD では、これらの記号きごう頻出ひんしゅつする。計算けいさん前段階ぜんだんかいとして、なにえず、なにを 0 にし、なにえるのかを固定こていする。

用語ようご定義ていぎ

単位行列たんいぎょうれつIdentity matrix とは、対角成分たいかくせいぶんが 1、ほか成分せいぶんcomponentが 0 の正方行列せいほうぎょうれつsquare matrixである。

I3=(100010001)

零行列れいぎょうれつZero matrix とは、すべての成分せいぶんcomponentが 0 の行列ぎょうれつmatrixである。

転置てんちTranspose とは、ぎょうrowれつcolumnえる操作そうさoperationであり、ATく。

共役転置きょうやくてんちConjugate transpose とは、複素行列ふくそぎょうれつcomplex matrix転置てんちしたあと各成分かくせいぶん複素共役ふくそきょうやくcomplex conjugate操作そうさoperationであり、A*く。実行列じつぎょうれつでは A*=AT であるが、複素行列ふくそぎょうれつでは一般いっぱんことなる。

方針ほうしん

単位行列たんいぎょうれつidentity matrixけても変化へんかしない基準きじゅん零行列れいぎょうれつzero matrix加法かほう基準きじゅん転置てんちぎょうrowれつcolumn交換こうかんする操作そうさoperationとして理解りかいする。

data/lecture/math/linear-algebra/行列の積の意味-講義.n.md

直感的ちょっかんてき説明せつめい

単位行列たんいぎょうれつidentity matrixは、ベクトルをそのままかえ変換へんかんである。したがって Ix=x成立せいりつする。零行列れいぎょうれつzero matrixは、すべてのベクトルをれいベクトルへおくる。

転置てんちは、ぎょうrowれつcolumnとしてえる操作そうさoperationである。内積ないせきinner product対称行列たいしょうぎょうれつsymmetric matrixでは、このえが本質的ほんしつてき作用さようする。

もうすこ構造的こうぞうてきうと、転置てんちは「入力側にゅうりょくがわ出力側しゅつりょくがわえてる」操作そうさoperationである。ぎょうrowとしてならんでいた条件じょうけんれつcolumnとしてあらわれ、れつcolumnとしてならんでいた生成方向せいせいほうこうぎょうrowとしてあらわれる。

厳密げんみつ説明せつめい

A=(aij)m×n 行列ぎょうれつmatrixとする。このとき転置てんち ATn×m 行列ぎょうれつmatrixであり、成分せいぶんcomponent

(AT)ij=aji

である。せきたいしては

(AB)T=BTAT

成立せいりつする。順序じゅんじょ反転はんてんするのは、行列積ぎょうれつせき写像しゃぞうmap合成ごうせいあらわすためである。

単位行列たんいぎょうれつidentity matrixは、サイズがうとき

AI=A,IA=A

たす。零行列れいぎょうれつzero matrix

A+0=A

たす。

操作そうさoperationごとに保存ほぞんされるもの・わるもの

対象たいしょう操作そうさoperation保存ほぞんされるものわるもの
単位行列たんいぎょうれつidentity matrixAI=A,IA=A行列ぎょうれつmatrixそのもの、階数かいすうrank行列式ぎょうれつしきdeterminant解集合かいしゅうごうなにえない。ただしサイズ条件じょうけん必要ひつよう
零行列れいぎょうれつzero matrixA+0=A加法かほうでは行列ぎょうれつmatrixそのものけると情報じょうほうつぶす。零写像れいしゃぞうとしてはぞうimage{0} になる
転置てんちAAT階数かいすうrank正方行列せいほうぎょうれつsquare matrix行列式ぎょうれつしきdeterminant行数ぎょうすう列数れつすう行空間ぎょうくうかんrow space列空間れつくうかんcolumn spaceせき順序じゅんじょ

単位行列たんいぎょうれつidentity matrixなにえない基準きじゅんである。ただし、AI=AIA=A では必要ひつようI のサイズがことなる。行列ぎょうれつmatrix Am×n なら、

AIn=A,ImA=A

である。

零行列れいぎょうれつzero matrixは、加法かほうではなにえない。しかしざんでは状況じょうきょうちがう。

0A=0,A0=0

は、入力にゅうりょく出力しゅつりょく情報じょうほうれいつぶ操作そうさoperationである。したがって零行列れいぎょうれつzero matrixは、加法かほうでは中立ちゅうりつだが、合成ごうせいでは情報じょうほう写像しゃぞうmapとしてはたらく。

転置てんちわるもの

Am×n 行列ぎょうれつmatrixとする。転置てんちすると、ぎょうrowれつcolumnわるため、サイズは

A:m×n,AT:n×m

わる。したがって、A列空間れつくうかんcolumn spaceKm部分空間ぶぶんくうかんsubspaceであり、AT列空間れつくうかんcolumn spaceKn部分空間ぶぶんくうかんsubspaceである。おな空間くうかん部分集合ぶぶんしゅうごうとしてくらべるのではなく、ぎょうrowれつcolumn役割やくわり交換こうかんされたとむ。

具体的ぐたいてきには、

Row(A)=Col(AT)
Col(A)=Row(AT)

である。したがって階数かいすうrank保存ほぞんされる。

rank(A)=rank(AT)

一方いっぽうかくkernelはそのままおな集合しゅうごうsetとして保存ほぞんされるわけではない。A:KnKm なら kerAKn部分空間ぶぶんくうかんsubspaceであり、AT:KmKn なら kerATKm部分空間ぶぶんくうかんsubspaceである。ぞくする空間くうかんことなるため、転置てんちかくkernel保存ほぞんされるとはわない。

転置てんち保存ほぞんされるもの

転置てんちは、ぎょうrowれつcolumn交換こうかんしても情報じょうほう配列はいれつうしなわない。実際じっさい

(AT)T=A

であり、転置てんちもともどせる操作そうさoperationである。このため、階数かいすうrank保存ほぞんされる。

正方行列せいほうぎょうれつsquare matrixでは、行列式ぎょうれつしきdeterminant保存ほぞんされる。

det(AT)=detA

これは、行列式ぎょうれつしきdeterminantぎょうrowについて展開てんかいしてもれつcolumnについて展開てんかいしてもおなあたいになることに対応たいおうする。行列式ぎょうれつしきdeterminant計算規則けいさんきそくつぎのページであつかう。

data/lecture/math/linear-algebra/行列式の計算規則-講義.n.md

転置てんち行基本変形ぎょうきほんへんけいelementary row operation列基本変形れつきほんへんけいelementary column operation

転置てんちは、ぎょうrowれつcolumn交換こうかんするため、行基本変形ぎょうきほんへんけいelementary row operation列基本変形れつきほんへんけいelementary column operationたがいに対応たいおうする。

行基本変形ぎょうきほんへんけいelementary row operation

B=EA

けるとき、転置てんちすると

BT=(EA)T=ATET

である。これは、ATみぎから ETけているので、ATたいする列基本変形れつきほんへんけいelementary column operationである。

ぎゃくに、列基本変形れつきほんへんけいelementary column operation

B=AF

けるとき、

BT=(AF)T=FTAT

である。これは、ATひだりから FTけているので、ATたいする行基本変形ぎょうきほんへんけいelementary row operationである。

したがって、転置てんちは「ぎょうrowはなしれつcolumnはなしへ」「れつcolumnはなしぎょうrowはなしへ」翻訳ほんやくする道具どうぐである。

data/lecture/math/linear-algebra/行基本変形の基本-講義.n.md data/lecture/math/linear-algebra/列基本変形の基本-講義.n.md

具体例ぐたいれい

A=(123456)

なら

AT=(142536)

である。A2×3 行列ぎょうれつmatrixであり、AT3×2 行列ぎょうれつmatrixである。

このれいでは、Aだい 1 ぎょうrow (1,2,3) が、ATだい 1 れつcolumnになる。また、Aだい 2 れつcolumn (25) は、ATだい 2 ぎょうrowになる。成分せいぶんcomponent単独たんどくうより、ぎょうrowれつcolumn役割やくわり交換こうかんされるとほう理解りかいしやすい。

よくある誤解ごかい

  • 単位行列たんいぎょうれつidentity matrix正方行列せいほうぎょうれつsquare matrixである。サイズを無視むしして Iけてはならない。
  • 零行列れいぎょうれつzero matrixはサイズごとに存在そんざいする。2×3零行列れいぎょうれつzero matrix3×2零行列れいぎょうれつzero matrixはサイズがことなる。
  • 転置てんち逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrixではない。ATA-1べつ概念がいねんである。
  • 転置てんちかくkernelがそのまま保存ほぞんされるとかんがえてはならない。AAT では入力空間にゅうりょくくうかんinput spaceわる。
  • (AB)T=ATBTあやまってはならない。ただしくは (AB)T=BTAT である。

どこまでつか

複素行列ふくそぎょうれつでは、転置てんちだけでなく共役転置きょうやくてんち A*重要じゅうようになる。エルミート行列ぎょうれつmatrixや SVD では AT ではなく A*使用しようする。

(A*)ij=aji_,(AB)*=B*A*

この順序じゅんじょ反転はんてん転置てんちおなじであり、さらに成分せいぶんcomponent共役きょうやくくわわる。複素内積ふくそないせきcomplex inner productなかでは A*随伴ずいはんadjointとしてはたらき、Ax,y=x,A*yたす。

data/lecture/math/linear-algebra/複素内積とユニタリ行列-講義.n.md

最終形さいしゅうけい

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]AI=A,IA=A
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]A+0=A
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")](AT)ij=aji,(AB)T=BTAT
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]rank(A)=rank(AT),det(AT)=detA

演習えんしゅうリンク

data/exercise/math/linear-algebra/行列計算と線型変換-基本演習.n.md data/exercise/math/linear-algebra/複素内積とユニタリ行列-基本演習.n.md

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