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行列計算と線型変換-基本演習md 6852656
exercise/math/linear-algebra/matrix-computation-and-linear-transformations.exercise.n.md

行列計算ぎょうれつけいさんmatrix calculation線型変換せんけいへんかんlinear transformation-基本演習きほんえんしゅう

date2026-07-14document_iddoc_c8d56cb4911f30c6aa75792c7319d65ddescription行列の和・積・転置・単位行列・零行列を、サイズ条件と線型変換の意味から確認する基本演習である。prerequisites線型性の基本 / 行列の基本演算 / 行列の積の意味 / 単位行列・零行列・転置の基本 / 線型写像と行列type問題演習content_typeexercisestatusactiverelateddata/lecture/math/linear-algebra/linearity-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/matrix-operations.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/meaning-of-matrix-multiplication.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/identity-zero-and-transpose-matrices.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/complex-inner-products-and-unitary-matrices.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/linear-maps-and-matrices.lecture.n.md
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1演習えんしゅう方針ほうしん

行列ぎょうれつmatrix計算けいさんでは、成分せいぶんentryうごかすまえサイズ条件じょうけんsize condition確認かくにんする。せきproduct AB は「まず B、つぎに A」という合成ごうせいcompositionあらわすので、順序じゅんじょorderえると意味いみ結果けっかわる。

行列積ぎょうれつせきmatrix productまえには、次元じげんだけでなく意味いみ確認かくにんする。ABBさき適用てきようし、その結果けっかA適用てきようするので、順序じゅんじょ記号上きごうじょうかざりではない。また、行列ぎょうれつmatrixれつcolumn標準基底ひょうじゅんきていstandard basisさきなので、線型変換せんけいへんかん素早すばや手掛てがかりになる。

逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix転置てんちtransposeでは、(AB)-1=B-1A-1(AB)T=BTAT のように順序じゅんじょ反転はんてんする規則きそく明示めいじして使つかう。可逆かぎゃくinvertibleであるためには、有限次元ゆうげんじげん正方行列せいほうぎょうれつsquare matrixでは単射たんしゃかつ全射ぜんしゃであることが必要ひつようである。サイズがわずせき定義ていぎできない場合ばあいは、たんなる計算けいさんミスではなく、合成ごうせいそのものが定義ていぎされていないことを意味いみする。

順序上じゅんじょじょう注意ちゅういとして、逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrixくわしい計算けいさん後続こうぞく講義こうぎあつかう。この演習えんしゅうでは、正方行列せいほうぎょうれつsquare matrix A逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrixとは AA-1=A-1A=Iたす行列ぎょうれつである、という定義ていぎだけを使つかう。

data/lecture/math/linear-algebra/inverse-matrix-basics.lecture.n.md

2確認問題かくにんもんだい線型性せんけいせいlinearity判定はんてい

T:R2R2

T(xy)=(x+y2x-y)

定義ていぎする。この T線型写像せんけいしゃぞうlinear mapであることを、加法性かほうせいadditivity同次性どうじせいhomogeneity確認かくにんしてしめせよ。

2.1解答例かいとうれい

u=(x1y1)v=(x2y2) とする。まず加法性かほうせいadditivity確認かくにんする。

T(u+v)=T(x1+x2y1+y2)=(x1+x2+y1+y22(x1+x2)-(y1+y2))

一方いっぽう

T(u)+T(v)=(x1+y12x1-y1)+(x2+y22x2-y2)=(x1+x2+y1+y22(x1+x2)-(y1+y2))

である。したがって T(u+v)=T(u)+T(v) である。

つぎにスカラーscalar c について同次性どうじせいhomogeneity確認かくにんする。

T(cu)=T(cx1cy1)=(cx1+cy12cx1-cy1)=c(x1+y12x1-y1)=cT(u)

よって T線型写像せんけいしゃぞうlinear mapである。

2.2解説かいせつ

この問題もんだいは、線型写像せんけいしゃぞうlinear map定義ていぎdefinitionそのものを確認かくにんしている。加法性かほうせいadditivityは「してから写像しゃぞうmapうつす」と「写像しゃぞうmapうつしてからす」が一致いっちすること、同次性どうじせいhomogeneityは「スカラーばいscalar multiplicationしてから写像しゃぞうmapうつす」と「写像しゃぞうmapうつしてからスカラーばいscalar multiplicationする」が一致いっちすることである。

ここで重要じゅうようなのは、いくつかの数値例すうちれい成立せいりつすることをたしかめるだけでは証明しょうめいproofにならないというてんである。任意にんいu,v,c について確認かくにんしているため、定義ていぎdefinitionもどった証明しょうめいproofになっている。


3問題もんだい 1

A=(120-134),B=(2015-12)

について、A+B2A-Bもとめよ。可能かのう理由りゆうreasonべよ。

3.1解答例かいとうれい

どちらも 2×3 行列ぎょうれつmatrixなのでsumdifference定義ていぎできる。

A+B=(321426)
2A-B=(04-1-776)

3.2解説かいせつ

行列ぎょうれつmatrixsumは、おな位置いち成分せいぶんentryどうしを操作そうさoperationである。そのため、行数ぎょうすうnumber of rows列数れつすうnumber of columns一致いっちしていなければならない。この問題もんだいは、計算前けいさんまえ定義条件ていぎじょうけんcondition for being defined確認かくにんする習慣しゅうかん確認かくにんしている。


4問題もんだい 2

A=(1201),B=(2013)

について、ABBAもとめ、ちがいを説明せつめいせよ。

4.1解答例かいとうれい

AB=(4613),BA=(2415)

したがって ABBA である。

4.2解説かいせつ

AB右側みぎがわBさき適用てきようapplicationし、その結果けっかA適用てきようapplicationする合成ごうせいcompositionである。BA順序じゅんじょorderぎゃくである。線型変換せんけいへんかんlinear transformationでは、さきよこしてからばす操作そうさoperationと、さきばしてからよこ操作そうさoperation一般いっぱん一致いっちしない。


5問題もんだい 3

線型変換せんけいへんかんlinear transformation T:R2R3

T(e1)=(102),T(e2)=(-131)

たすとする。T標準基底ひょうじゅんきていstandard basisかんする表現行列ひょうげんぎょうれつrepresentation matrixもとめ、T(4-2)もとめよ。

5.1解答例かいとうれい

表現行列ひょうげんぎょうれつrepresentation matrixは、T(e1)T(e2)れつcolumnならべた

A=(1-10321)

である。したがって、

T(4-2)=A(4-2)=(6-66)

である。

5.2解説かいせつ

行列ぎょうれつmatrixれつcolumnは、標準基底ひょうじゅんきていstandard basisがどこへうつるかを記録きろくしている。(4-2)=4e1-2e2 なので、線型性せんけいせいlinearityにより T(4e1-2e2)=4T(e1)-2T(e2) である。この問題もんだいは、行列積ぎょうれつせきmatrix productれつcolumn線型結合せんけいけつごうlinear combinationとしてむことを確認かくにんしている。


6問題もんだい 4

A2×3 行列ぎょうれつmatrixB3×4 行列ぎょうれつmatrixとする。ABBAATBBAT定義ていぎできるかを判定はんていせよ。

6.1解答例かいとうれい

AB定義ていぎでき、サイズは 2×4 である。BA3×42×3せきproductなので定義ていぎできない。AT3×2 なので、ATB3×23×4せきproductとなり定義ていぎできない。BAT3×43×2せきproductとなり定義ていぎできない。

6.2解説かいせつ

行列積ぎょうれつせきmatrix productでは、ひだり列数れつすうnumber of columnsみぎ行数ぎょうすうnumber of rows一致いっちする必要ひつようがある。転置てんちtransposeはサイズをえるので、転置後てんちごafter transpositionにもう一度いちどサイズを確認かくにんする。境界きょうかいboundaryあやまりやすいのは、記号きごうsymbolだけをて「なんとなくけられる」と判断はんだんすることである。


7問題もんだい 5

Am×n 行列ぎょうれつmatrixとする。AIn=AImA=A意味いみを、サイズと線型変換せんけいへんかんlinear transformation両方りょうほうから説明せつめいせよ。また、A00Aなにあらわすかもべよ。

7.1解答例かいとうれい

InRn恒等変換こうとうへんかんidentity transformationImRm恒等変換こうとうへんかんidentity transformationである。したがって、AInAまえなにもしない変換へんかんtransformationはさむこと、ImAAあとなにもしない変換へんかんtransformationはさむことをあらわす。どちらも A である。

零行列れいぎょうれつzero matrixけると、適切てきせつなサイズではすべてをれいzeroおく変換へんかんtransformationになる。

7.2解説かいせつ

単位行列たんいぎょうれつidentity matrix情報じょうほうinformationえない。零行列れいぎょうれつzero matrix入力にゅうりょくinputちがいをすべてつぶす。このため、単位行列たんいぎょうれつidentity matrix合成ごうせいcompositionしても変換へんかんtransformation保存ほぞんするが、零行列れいぎょうれつzero matrix階数かいすうrankかくkernel性質せいしつpropertyおおきくえる。この問題もんだいは、操作そうさoperationなにえ、なにえないかを見分みわける練習れんしゅうである。

ここでの階数かいすうrankかくkernel後続こうぞくくわしくあつか先取さきどりである。この問題もんだい本流ほんりゅうでは、単位行列たんいぎょうれつ変換へんかんえず、零行列れいぎょうれつ入力にゅうりょくちがいをうしなわせる、という区別くべつ使つかう。


8補充問題ほじゅうもんだい行列ぎょうれつmatrix演算えんざんoperation転置てんちtranspose

8.1問題もんだい 6

2×3 行列ぎょうれつmatrix2×3 行列ぎょうれつmatrixsum定義ていぎされる理由りゆうreason説明せつめいせよ。

8.2解答例かいとうれい

行列ぎょうれつmatrixsumおな位置いち成分せいぶんentryどうしをすため、行数ぎょうすうnumber of rows列数れつすうnumber of columns一致いっちしている必要ひつようがある。どちらも 2×3 なので定義ていぎできる。

8.3問題もんだい 7

A=(1023-14)たいして -2A計算けいさんせよ。

8.4解答例かいとうれい

-2A=(-20-4-62-8)

8.5問題もんだい 8

(12)(12) のサイズを比較ひかくせよ。

8.6解答例かいとうれい

(12)1×2 行列ぎょうれつmatrixで、(12)2×1 行列ぎょうれつmatrixである。

8.7問題もんだい 9

2×3 行列ぎょうれつmatrix3×4 行列ぎょうれつmatrixせきproductのサイズをこたえよ。

8.8解答例かいとうれい

内側うちがわのサイズ 3一致いっちするのでせきproduct定義ていぎでき、サイズは 2×4 である。

8.9問題もんだい 10

A=(1021)x=(3,4)Tたいして Ax計算けいさんせよ。

8.10解答例かいとうれい

Ax=(1021)(34)=(310)

8.11問題もんだい 11

行列積ぎょうれつせきmatrix product可換かかんcommutativeでないれいを 1 つ構成こうせいせよ。

8.12解答例かいとうれい

A=(1101)B=(2001) とすると、

AB=(2101),BA=(2201)

なので ABBA である。

8.13問題もんだい 12

A=(0123)ATもとめよ。

8.14解答例かいとうれい

AT=(0213)

8.15問題もんだい 13

I2A=A成立せいりつするための A行数ぎょうすうnumber of rows確認かくにんせよ。

8.16解答例かいとうれい

I22×2 行列ぎょうれつmatrixなので、I2A定義ていぎされるには A行数ぎょうすうnumber of rows2 である必要ひつようがある。

8.17問題もんだい 14

(AB)T=BTAT順序じゅんじょorder反転はんてんする理由りゆうreason言語化げんごかせよ。

8.18解答例かいとうれい

AB は「まず B、つぎに A」という合成ごうせいcompositionあらわす。転置てんちtransposeするとぎょうrowれつcolumn役割やくわりroleわるため、合成ごうせいcompositionもどして順序じゅんじょorderBTAT になる。

8.19問題もんだい 15

先取さきど注意ちゅうい階数かいすうrank行空間ぎょうくうかんrow space列空間れつくうかんcolumn space後続こうぞく階数かいすう講義こうぎ演習えんしゅう本格的ほんかくてきあつかう。この問題もんだいでは、転置てんちぎょうれつえることから発展確認はってんかくにんとしてむ。

Am×n 行列ぎょうれつmatrixのとき、rank(A)=rank(AT) となる理由りゆうreason行空間ぎょうくうかんrow space列空間れつくうかんcolumn space対応たいおうcorrespondenceから説明せつめいせよ。

8.20解答例かいとうれい

A行空間ぎょうくうかんrow spaceAT列空間れつくうかんcolumn space対応たいおうcorrespondenceし、A列空間れつくうかんcolumn spaceAT行空間ぎょうくうかんrow space対応たいおうcorrespondenceする。行階数ぎょうかいすうrow rank列階数れつかいすうcolumn rank一致いっちするので、rank(A)=rank(AT) である。


8.21問題もんだい 16

先取さきど注意ちゅうい行基本変形ぎょうきほんへんけいelementary row operation列基本変形れつきほんへんけいelementary column operation後続こうぞく基本変形きほんへんけい演習えんしゅう本格的ほんかくてきあつかう。この問題もんだいでは、転置てんちtransposeぎょう操作そうさoperationれつ操作そうさoperationうつすことだけを確認かくにんする。

A=(1234)

行基本変形ぎょうきほんへんけいelementary row operation R2R2+3R1おこなって Bる。このとき BTAT にどの列基本変形れつきほんへんけいelementary column operationおこなったものかこたえよ。

8.22解答例かいとうれい

B=(12610)

なので

BT=(16210)

である。一方いっぽう

AT=(1324)

であり、ATだい 2 れつcolumnだい 1 れつcolumnの 3 ばいくわえると

(16210)

になる。したがって、対応たいおうする列基本変形れつきほんへんけいelementary column operationC2C2+3C1 である。

この問題もんだいは、転置てんちtransposeぎょうrow操作そうさoperationれつcolumn操作そうさoperation翻訳ほんやくすることを確認かくにんしている。


8.23問題もんだい 17

A=(1102),B=(2011),x=(34)

について、A(Bx)(AB)x計算けいさんし、おな結果けっかになることを確認かくにんせよ。

8.24解答例かいとうれい

Bx=(67)

なので

A(Bx)=(1314)

である。また

AB=(3122)

だから

(AB)x=(1314)

である。

この問題もんだいは、行列積ぎょうれつせきmatrix product AB が「まず B、つぎに A」という合成ごうせいcompositionあらわすことを確認かくにんする。

8.25問題もんだい 18

A=(1201),B=(1324)=[b1b2]

について、ABれつcolumnAb1,Ab2 であることを確認かくにんせよ。

8.26解答例かいとうれい

AB=(51124)

である。一方いっぽう

Ab1=(52),Ab2=(114)

である。したがって

AB=[Ab1Ab2]

である。

この問題もんだいは、行列積ぎょうれつせきmatrix product成分計算せいぶんけいさんだけでなく、「みぎ行列ぎょうれつmatrix各列かくれつひだり行列ぎょうれつmatrixうつす」と練習れんしゅうである。


10証明しょうめい演習えんしゅう行列積ぎょうれつせき逆行列ぎゃくぎょうれつ

10.1問題もんだい

(AB)x=A(Bx)れつ見方みかたから証明しょうめいせよ。また、逆行列ぎゃくぎょうれつ存在そんざいするなら一意いちいであることを証明しょうめいせよ。

10.2解答かいとう

Bれつb1,,bp とすると、Bx=xjbj である。線型性せんけいせいより

A(Bx)=xjAbj

である。一方いっぽうABだい j れつAbj なので、(AB)xおなしきになる。

B,C がどちらも A逆行列ぎゃくぎょうれつなら、

B=BI=B(AC)=(BA)C=IC=C

である。

10.3解説かいせつ

行列積ぎょうれつせき線型写像せんけいしゃぞう合成ごうせいであり、逆行列ぎゃくぎょうれつ合成ごうせいもともど一意いちい写像しゃぞうである。

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