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線型写像と行列md 083ca04
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線型写像せんけいしゃぞうlinear map行列ぎょうれつmatrix

date2026-07-14document_iddoc_93b96c9311e12f30022f3f35afeafe98description行列を線型写像の座標表示として導入し、基底の像、列ベクトル、列空間、階数、列基本変形、行列式へ続く関係を整理する講義である。prerequisites線型性の基本 / ベクトル空間と基底 / ベクトルの成分表示 / 一次変換の感覚type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/linear-algebra/linearity-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/vector-spaces-and-bases.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/linear-combinations-and-spans.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/meaning-of-matrix-multiplication.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/elementary-column-operations.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/column-independence-and-rank.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/rank-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/inverse-matrix-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/determinants.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/change-of-basis-and-similarity.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/eigenvalues-and-eigenvectors.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/diagonalization-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/minimal-polynomial-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/introduction-to-jordan-canonical-form.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-operator/linear-operator-equation-basics.lecture.n.md / data/exercise/math/linear-algebra/linearity-and-linear-maps.exercise.n.md / data/exercise/math/linear-algebra/matrix-computation-and-linear-transformations.exercise.n.md
mathlinear-algebraundergraduatelecture

1導入どうにゅう

線型代数せんけいだいすうlinear algebra中心ちゅうしん発想はっそうは、行列ぎょうれつmatrix数表すうひょうとしてではなく、「ベクトルvectorをどううつすか」をあらわした座標表示ざひょうひょうじcoordinate representationとして理解りかいすることである。

行列ぎょうれつmatrix計算けいさんcalculationだけを追跡ついせきすると、ざん成分せいぶんcomponent計算けいさんcalculation規則きそくruleだけが残存ざんそんする。しかし本体ほんたいは、空間くうかんspaceなかベクトルvectorをどう変換へんかんtransformationするかという作用さようactionである。この講義こうぎでは、基底きていbasisぞうimageから行列ぎょうれつmatrix決定けっていされることと、れつベクトルcolumn vectorなにあらわしているかを接続せつぞくする。

2用語ようご定義ていぎ

線型写像せんけいしゃぞうlinear map とは、ベクトルvector加法かほうadditionスカラーばいscalar multiplicationたも写像しゃぞうmapである。正確せいかくには、すべてのベクトルvector u,v とすべてのスカラーscalar c について

T(u+v)=T(u)+T(v),T(cu)=cT(u)

たす写像しゃぞうmapである。

前半ぜんはん

T(u+v)=T(u)+T(v)

加法性かほうせいadditivity という。これは「さきしてからうつしても、さきうつしてからしてもおなじ」という条件じょうけんconditionである。幾何的きかてきgeometricには、ベクトルvector平行四辺形へいこうしへんけいparallelogram合成ごうせいcompositionのしかたをこわさない、という意味いみになる。

後半こうはん

T(cu)=cT(u)

同次性どうじせいhomogeneity という。これは「さきc ばいしてからうつしても、うつしてから c ばいしてもおなじ」という条件じょうけんconditionである。幾何的きかてきgeometricには、原点げんてんoriginとお直線ちょくせんlineうえでの倍率ばいりつscale factor関係かんけいrelationたもつ、という意味いみになる。

線型性せんけいせいlinearityとは、この加法性かほうせいadditivity同次性どうじせいhomogeneity同時どうじたす性質せいしつpropertyである。どちらか片方かたほうだけでは十分じゅうぶんではない。線型写像せんけいしゃぞうlinear mapでは、より一般いっぱん

T(c1v1++ckvk)=c1T(v1)++ckT(vk)

成立せいりつする。つまり、線型結合せんけいけつごうlinear combinationつくってからうつすことと、かくベクトルvectorうつしてからおな係数けいすうcoefficient線型結合せんけいけつごうlinear combinationすることが一致いっちする。

この性質せいしつpropertyがあるから、基底きていベクトルbasis vectorさきだけで写像しゃぞうmap全体ぜんたいまる。ぎゃくにいうと、線型性せんけいせいlinearityがなければ、基底きていbasisぞうimageっても、それらのsumスカラーばいscalar multiplicationがどこへくかを復元ふくげんできない。

線型写像せんけいしゃぞうlinear map保存ほぞんするのは、sumスカラーばいscalar multiplication線型結合せんけいけつごうlinear combination部分空間ぶぶんくうかんsubspaceとしての構造こうぞうstructureである。ただし、すべてをそのままたもつわけではない。ことなるベクトルvectorおなベクトルvectorつぶれることはあり、ながlength角度かくどangle面積めんせきarea体積たいせきvolume一般いっぱんには変化へんかする。したがって、線型写像せんけいしゃぞうlinear mapは「空間くうかんspace加法かほうaddition倍率ばいりつscale factor骨組ほねぐみをたも変換へんかんtransformation」だと理解りかいするとよい。

行列ぎょうれつmatrix は、ある基底きていbasis選択せんたくしたときの線型写像せんけいしゃぞうlinear map表現ひょうげんrepresentationである。

座標写像ざひょうしゃぞうcoordinate map とは、基底きていbasis Bかんしてベクトルvector v座標ざひょうベクトルcoordinate vector [v]B対応たいおうさせる写像しゃぞうmapである。

表現行列ひょうげんぎょうれつrepresentation matrix とは、線型写像せんけいしゃぞうlinear map T:VW を、定義域ていぎいきdomain基底きていbasis B終域しゅういきcodomain基底きていbasis Cかんする座標ざひょうcoordinate記述きじゅつした行列ぎょうれつmatrixである。

3方針ほうしん

線型写像せんけいしゃぞうlinear map理解りかいするときは、まず基底きていベクトルbasis vectorがどううつるかを確認かくにんする。あとは線型性せんけいせいlinearityにより全体ぜんたい決定けっていされる。

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4直感的ちょっかんてき説明せつめい

4.11. 写像しゃぞうmapとしての解釈かいしゃく

線型写像せんけいしゃぞうlinear mapは、原点げんてんorigin原点げんてんoriginたもち、sumスカラーばいscalar multiplicationたも変換へんかんtransformationである。原点げんてんoriginとお直線ちょくせんline直線ちょくせんlineまたは 1 てんpointうつる。拡大かくだいexpansion縮小しゅくしょうcontraction回転かいてんrotationせんだんshearは、どれも線型写像せんけいしゃぞうlinear map典型例てんけいれいである。

この定義ていぎdefinition理由りゆうは、ベクトルvectorsum定数倍ていすうばいscalar multipleという空間くうかんspace基本操作きほんそうさbasic operationこわさない変換へんかんtransformationだけを抽出ちゅうしゅつするためである。これにより、基底きていbasisぞうimageから全体ぜんたい復元ふくげんできる。

4.22. れつベクトルcolumn vector意味いみ

行列ぎょうれつmatrixれつcolumnをただの数字すうじならびとして処理しょりすると、その意味いみ不明瞭ふめいりょうになる。一般いっぱん基底きていbasisでは、各列かくれつeach columnは「基底きていベクトルbasis vector 1 ほんぞうimageそのもの」ではなく、終域しゅういきcodomain基底きていbasisかんする座標ざひょうcoordinateである。標準基底ひょうじゅんきていstandard basis場合ばあいだけ、れつcolumnぞうimageそのものとして解釈かいしゃくできる。

4.33. 計算けいさんcalculationとのつながり

座標ざひょうベクトルcoordinate vector行列ぎょうれつmatrixけるときは、入力にゅうりょくベクトルinput vector係数けいすうcoefficientもちいて、基底きていbasisぞうimage線型結合せんけいけつごうlinear combinationしている。つまり、行列積ぎょうれつせきmatrix productなぞ規則きそくruleではなく、「基底きていbasisぞうimageわせて出力しゅつりょくoutput構成こうせいする」操作そうさoperationそのものである。

5厳密げんみつ説明せつめい

5.11. 基底きていbasisぞうimage写像しゃぞうmapまる

基底きていbasis e1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],en採用さいようすると、任意にんいベクトルvector v

v=x1e1++xnen

表示ひょうじできる。すると線型性せんけいせいlinearityにより

T(v)=x1T(e1)++xnT(en)

である。したがって T(ei)判明はんめいすれば T完全かんぜん決定けっていされる。

ここで直感的ちょっかんてき説明せつめいしめした「れつcolumn基底きていbasisぞうimageあらわす」という主張しゅちょうが、ちょうどこのしきequation対応たいおうする。

5.22. 行列ぎょうれつmatrixれつcolumnなに

まず標準基底ひょうじゅんきていstandard basis考察こうさつする。この T(ei)れつcolumnとしてならべたものが、線型写像せんけいしゃぞうlinear map行列ぎょうれつmatrixである。つまり

A=([PARSE ERROR: Undefined("Command(\"vert\")")][PARSE ERROR: Undefined("Command(\"vert\")")]T(e1)T(en)[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"vert\")")][PARSE ERROR: Undefined("Command(\"vert\")")])

解釈かいしゃくできる、ということである。

すると入力にゅうりょくベクトルinput vector x=(x1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],xn)Tたいして

Ax=x1T(e1)++xnT(en)

となり、行列積ぎょうれつせきmatrix productれつベクトルcolumn vector線型結合せんけいけつごうlinear combinationになっていることを確認かくにんできる。

つまり行列積ぎょうれつせきmatrix product定義ていぎdefinitionも、「基底きていbasisぞうimage入力にゅうりょくinput係数けいすうcoefficientわせる」と解釈かいしゃくできるように設定せっていされている、ということである。ここが「なぜこのざんなのか」への回答かいとうである。

この解釈かいしゃく確認かくにんすると、行列積ぎょうれつせきmatrix product AB も「まず B適用てきようapplicationし、その結果けっかA適用てきようapplicationする」という合成写像ごうせいしゃぞうcomposite map表現ひょうげんrepresentationだと理解りかいできる。つまり行列積ぎょうれつせきmatrix product順序じゅんじょorder重要じゅうようなのは、写像しゃぞうmap合成ごうせいcomposition順序じゅんじょorder重要じゅうようであるためである。

5.33. 座標写像ざひょうしゃぞうcoordinate map表現行列ひょうげんぎょうれつrepresentation matrix

定義域ていぎいきdomain V順序付じゅんじょづ基底きていordered basis

B=(v1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],vn)

終域しゅういきcodomain W順序付じゅんじょづ基底きていordered basis

C=(w1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],wm)

とする。基底きていbasis B選択せんたくすると、座標写像ざひょうしゃぞうcoordinate map

[·]B:VFn

定義ていぎされる。同様どうようC から

[·]C:WFm

定義ていぎされる。ここで F実数体じっすうたいreal fieldまたは複素数体ふくそすうたいcomplex fieldである。

このとき線型写像せんけいしゃぞうlinear map T:VW表現行列ひょうげんぎょうれつrepresentation matrix [T]CB は、

[T(x)]C=[T]CB[x]B

任意にんいxV についてたす唯一ゆいいつm×n 行列ぎょうれつmatrixとして定義ていぎされる。矢印やじるし CB は、B座標ざひょうcoordinateから C座標ざひょうcoordinate変換へんかんtransformationすることをあらわす。

かく j について

T(vj)=a1jw1++amjwm

表示ひょうじしたとき、係数けいすうcoefficient aijならべた

A=(aij)

[T]CB である。このとき Aだい j れつcolumnは、T(vj) そのものではない。正確せいかくには

[T(vj)]C

である。したがって、行列ぎょうれつmatrix線型写像せんけいしゃぞうlinear mapそのものではなく、定義域ていぎいきdomain終域しゅういきcodomain基底きていbasis選択せんたくしたあとられる座標表示ざひょうひょうじcoordinate representationである。

5.44. 合成ごうせいcomposition行列積ぎょうれつせきmatrix product

線型写像せんけいしゃぞうlinear map

T:VW,S:WZ

考察こうさつする。V,W,Z基底きていbasisをそれぞれ B,C,D とすると、合成写像ごうせいしゃぞうcomposite map ST:VZ表現行列ひょうげんぎょうれつrepresentation matrix

[ST]DB=[S]DC[T]CB

である。順序じゅんじょorderみぎからひだり作用さようactionする。すなわち、まず [T]CBB 座標ざひょうcoordinateC 座標ざひょうcoordinate変換へんかんtransformationし、つぎに [S]DCC 座標ざひょうcoordinateD 座標ざひょうcoordinate変換へんかんtransformationする。

したがって行列積ぎょうれつせきmatrix product順序じゅんじょorder逆向ぎゃくむきにかんじられる理由りゆうは、関数合成かんすうごうせいfunction composition記法きほうnotationで「さき適用てきようapplicationする写像しゃぞうmap」を右側みぎがわくためである。行列積ぎょうれつせきmatrix productたんなる成分計算せいぶんけいさんcomponent calculationではなく、座標表示ざひょうひょうじcoordinate representationされた写像しゃぞうmap合成ごうせいcompositionである。

5.55. 標準基底ひょうじゅんきていstandard basisでの具体例ぐたいれい

たとえば R2

T(e1)=(21),T(e2)=(01)

なら、行列ぎょうれつmatrix

A=(2011)

である。したがって

A(xy)=x(21)+y(01)=(2xx+y)

となる。この具体例ぐたいれい確認かくにんできるのは、行列ぎょうれつmatrix各列かくれつeach column写像しゃぞうmap作用さようaction直接ちょくせつ保持ほじしている、ということである。

5.66. 非標準基底ひひょうじゅんきていnonstandard basisでの具体例ぐたいれい

同一どういつsame写像しゃぞうmapであっても、基底きていbasis変更へんこうchangeすると表現行列ひょうげんぎょうれつrepresentation matrix変化へんかchangeする。R2線型写像せんけいしゃぞうlinear map

T(x,y)=(2x,y)

考察こうさつする。標準基底ひょうじゅんきていstandard basisでは

Astd=(2001)

である。

つぎに非標準基底ひひょうじゅんきていnonstandard basis

B=(b1,b2),b1=(11),b2=(1-1)

採用さいようする。このとき

T(b1)=(21)=32b1+12b2

であり、

T(b2)=(2-1)=12b1+32b2

である。したがって Bかんする表現行列ひょうげんぎょうれつrepresentation matrix

[T]B=(32121232)

となる。

具体ぐたいconcreteベクトルvector x=(3,1)T確認かくにんする。これは

x=2b1+b2,[x]B=(21)

である。したがって

[T]B[x]B=(32121232)(21)=(7252)

である。この座標ざひょう

72b1+52b2=(61)

あらわす。一方いっぽう写像しゃぞうmap直接ちょくせつ適用てきようapplicationしても

T(3,1)=(6,1)

る。したがって変化へんかchangeしたのは写像しゃぞうmapではなく、座標系ざひょうけいcoordinate system表現行列ひょうげんぎょうれつrepresentation matrixである。

5.77. 基底きていbasisえると表現行列ひょうげんぎょうれつrepresentation matrixはどうわるか

順序上じゅんじょじょう注意ちゅういとして、この小節しょうせつ後続こうぞく基底変換きていへんかんchange of basis相似そうじsimilarity固有値こゆうちeigenvalueへの先取さきどりである。ここでの P-1P-1P=PP-1=Iたす逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix相似そうじsimilarityAnew=P-1AoldPむすばれる関係かんけい意味いみする。固有値こゆうちeigenvalue特性多項式とくせいたこうしきcharacteristic polynomial最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomial相似そうじsimilarity保存ほぞんされる証明しょうめいは、後続こうぞく講義こうぎおこなう。

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おな空間くうかんspace V旧基底きゅうきていold basis新基底しんきていnew basis考察こうさつする。座標変換行列ざひょうへんかんぎょうれつchange-of-coordinates matrix P

[x]old=P[x]new

たすとする。T:VV旧基底きゅうきていold basisでの表現行列ひょうげんぎょうれつrepresentation matrixAold とすれば、

[T(x)]old=Aold[x]old

である。これを新基底しんきていnew basis座標ざひょうcoordinate変換へんかんtransformationすると

[T(x)]new=P-1[T(x)]old=P-1AoldP[x]new

となる。したがって

Anew=P-1AoldP

である。定義域ていぎいきdomain終域しゅういきcodomain基底きていbasis別々べつべつえる場合ばあいは、定義域側ていぎいきがわdomain side変換へんかんtransformationP終域側しゅういきがわcodomain side変換へんかんtransformationQ として

Anew=Q-1AoldP

となる。このしきformulaが、対角化たいかくかdiagonalizationあらわれる P-1AP基礎きそbasisである。

おな空間くうかんspace基底きていbasisだけを変更へんこうchangeする場合ばあいAnew=P-1AoldP関係かんけいrelationにある 2 つの行列ぎょうれつmatrix相似そうじsimilarityであるという。相似そうじsimilar行列ぎょうれつmatrix同一どういつsame線型写像せんけいしゃぞうlinear mapことなる基底きていbasis表示ひょうじしたものであり、固有値こゆうちeigenvalue特性多項式とくせいたこうしきcharacteristic polynomial最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomial共有きょうゆうする。

6後続こうぞく概念がいねんへの橋渡はしわた

このせつでは、あと正式せいしきあつか列基本変形れつきほんへんけいelementary column operation階数かいすうrank行列式ぎょうれつしきdeterminantが、線型写像せんけいしゃぞうlinear map立場たちばなにはかるかをさき整理せいりする。ここで使つか階数かいすうrank行列式ぎょうれつしきdeterminant後続こうぞく定義ていぎ詳述しょうじゅつするが、かたはこの時点じてん固定こていしておく。

6.11. 列空間れつくうかんcolumn spaceぞうimageである

A=[a1an]m×n 行列ぎょうれつmatrixとし、線型写像せんけいしゃぞうlinear map TA:KnKmTA(x)=Ax定義ていぎする。このとき

imTA=Col(A)

である。

証明しょうめいする。x=(x1,,xn)Tくと、

Ax=x1a1++xnan

である。したがって Ax としてあらわれる出力しゅつりょくoutputは、Aれつcolumn線型結合せんけいけつごうlinear combinationである。ぎゃくに、れつcolumn任意にんい線型結合せんけいけつごうlinear combination x1a1++xnan は、x=(x1,,xn)T入力にゅうりょくすれば Ax としてられる。よってぞうimage列空間れつくうかんcolumn space一致いっちする。

この証明しょうめいにより、階数かいすうrankが「れつcolumn独立どくりつ本数ほんすう」であり、同時どうじに「線型写像せんけいしゃぞうlinear mapぞうimage次元じげんdimension」である理由りゆうえる。

6.22. 列基本変形れつきほんへんけいelementary column operation入力側にゅうりょくがわ可逆かぎゃくinvertible変更へんこうである

F可逆かぎゃくinvertiblen×n 行列ぎょうれつmatrixとする。AFあらわ線型写像せんけいしゃぞうlinear mapは、A写像しゃぞうまえF写像しゃぞう適用てきようしたものである。

(AF)y=A(Fy)

であるから、AFTATFあらわす。とくF列基本変形れつきほんへんけいelementary column operation対応たいおうする基本行列きほんぎょうれつelementary matrixなら、AAFれつcolumn表示ひょうじえる操作そうさであり、入力にゅうりょく座標ざひょうcoordinatex=Fyなおすことに対応たいおうする。

この見方みかたから、ぞうimage保存ほぞんされることもただちにかる。F可逆かぎゃくinvertibleなら TF(Kn)=Kn なので、

im(TATF)=TA(Kn)=imTA

である。よって

Col(AF)=Col(A)

となり、階数かいすうrank保存ほぞんされる。

6.33. 行列式ぎょうれつしきdeterminant正方せいほう場合ばあい体積倍率たいせきばいりつvolume scale factorである

行列式ぎょうれつしきdeterminant後続こうぞく定義ていぎするが、役割やくわりだけをさきべると、n×n 行列ぎょうれつmatrixあらわ線型写像せんけいしゃぞうlinear map体積たいせきoriented volume倍率ばいりつscale factorである。階数かいすうrankn よりちいさいと、n 次元じげん体積たいせきvolume低次元ていじげんつぶれるため、行列式ぎょうれつしきdeterminantは 0 になる。ぎゃくに、行列式ぎょうれつしきdeterminantが 0 でなければ体積たいせきつぶれていないので、階数かいすうrankn であり、線型写像せんけいしゃぞうlinear map可逆かぎゃくinvertibleである。

この関係かんけい後続こうぞく

Aisinvertiblerank(A)=ndetA0

として証明しょうめいする。

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7べつ観点かんてん

7.1幾何的きかてき観点かんてん

線型写像せんけいしゃぞうlinear mapは、平面へいめんplane空間くうかんspace伸長しんちょうstretching縮小しゅくしょうcontraction回転かいてんrotationせんだんshearする変換へんかんtransformationである。この観点かんてんでは、ぞうimageは「どこへおくられるか」、かくkernelは「どの方向ほうこうdirectionがつぶれるか」をあらわす。

たとえば行列ぎょうれつmatrix Aたいして Ax=0くのは、写像しゃぞうmap原点げんてんoriginへつぶれる方向ほうこうdirection検出けんしゅつすることである。したがってほうGaussian eliminationかくkernel確認かくにんする計算けいさんcalculationは、幾何的きかてきgeometricには「どの自由度じゆうどdegree of freedomえるか」を判定はんていする操作そうさoperationとなる。

7.2代数的だいすうてき観点かんてん

座標計算ざひょうけいさんcoordinate calculation立場たちばでは、行列ぎょうれつmatrix成分せいぶんcomponentひょうである。入力にゅうりょくinput係数けいすうcoefficientをどうえるかを追跡ついせきすれば、写像しゃぞうmap作用さようaction数式すうしきformulaとして確認かくにんできる。

7.3構造的こうぞうてき観点かんてん

写像しゃぞうmap立場たちばでは、行列ぎょうれつmatrix空間くうかんspaceをどう変換へんかんtransformationするかそのものである。この 2 つを結合けつごうするのが、基底きていbasisぞうimageという観点かんてんである。つまり行列ぎょうれつmatrix本体ほんたいではなく、線型写像せんけいしゃぞうlinear mapをある基底きていbasis表示ひょうじしたものだと考察こうさつするのが大学数学だいがくすうがくuniversity mathematicsでの自然しぜん立場たちばである。

8どこまで成立せいりつするか

行列ぎょうれつmatrix基底きていbasis依存いぞんdependするが、線型写像せんけいしゃぞうlinear mapそのものは基底きていbasis依存いぞんdependしない。

基底きていbasis変更へんこうchangeするとおな写像しゃぞうmapであってもべつ行列ぎょうれつmatrixになる。したがって、行列ぎょうれつmatrixだけを確認かくにんして「これが変換へんかんtransformationそのものだ」と誤認ごにんすると、基底きていbasis依存いぞんdependence部分ぶぶん看過かんかする。

9判定基準はんていきじゅん

  • れつcolumnごとの意味いみわれているなら、「基底きていベクトルbasis vectorぞうimage」として解釈かいしゃくするのが自然しぜんである。
  • 行列積ぎょうれつせきmatrix productなにをしているか不明瞭ふめいりょうになったら、「れつベクトルcolumn vector線型結合せんけいけつごうlinear combination」へ還元かんげんする。
  • 基底きていbasis変更へんこうchangeする議論ぎろんあらわれたら、写像しゃぞうmapそのものと行列ぎょうれつmatrix表示ひょうじrepresentation区別くべつして考察こうさつする。

10最終形さいしゅうけい

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]線型写像は基底の像で決まる
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]行列は線型写像の座標表示である
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")][T(x)]C=[T]CB[x]B
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]j=[T(vj)]C
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")][T(v)]C=A[v]B
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")][ST]DB=[S]DC[T]CB
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]基底変換と相似は別ページで詳しく扱う

11一言ひとことでいうと

  • 行列ぎょうれつmatrix本体ほんたい線型写像せんけいしゃぞうlinear mapであり、行列ぎょうれつmatrix基底きていbasis選択せんたくあと座標表示ざひょうひょうじcoordinate representationである。
  • 一般いっぱん基底きていbasisでは、れつcolumn基底きていbasisぞうimage座標ざひょうcoordinateあらわす。
  • 基底きていbasis変更へんこうchangeすると、おな線型写像せんけいしゃぞうlinear mapであっても表現行列ひょうげんぎょうれつrepresentation matrix変化へんかchangeする。

この補足ほそくは、この講義こうぎ本流ほんりゅう定義ていぎdefinitionではなく、後続こうぞくの「基底変換きていへんかんchange of basis相似そうじsimilarity」「固有値こゆうちeigenvalue固有こゆうベクトルeigenvector」「最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomial」への先取さきどりである。ここでは、表現行列ひょうげんぎょうれつrepresentation matrix基底きていbasis依存いぞんすることをるために必要ひつよう最小限さいしょうげんだけを使つかう。

P座標変換行列ざひょうへんかんぎょうれつchange-of-coordinates matrixであり、あたらしい基底きていbasisでの座標ざひょうcoordinateふる基底きていbasisでの座標ざひょうcoordinateなお行列ぎょうれつmatrixである。P-1ふる座標ざひょうcoordinateあたらしい座標ざひょうcoordinateもど行列ぎょうれつmatrixで、存在そんざい計算けいさん逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix基底変換きていへんかんchange of basis講義こうぎあつかう。Anew=P-1AoldP というかたちむすばれる行列ぎょうれつmatrix相似そうじsimilarという。

固有値こゆうちeigenvalueAv=λv となる v0存在そんざいするときのスカラーscalar λ である。特性多項式とくせいたこうしきcharacteristic polynomialdet(tI-A)最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomialm(A)=0たす最小次数さいしょうじすうモニック多項式たこうしきmonic polynomialであり、相似そうじsimilarityわらないりょうとして後続こうぞくあつかう。

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線型写像せんけいしゃぞうlinear map座標ざひょうcoordinateえらまえ対象たいしょうであり、行列ぎょうれつmatrix基底きていbasisえらんだあと座標表示ざひょうひょうじcoordinate representationである。表現行列ひょうげんぎょうれつrepresentation matrixれつcolumnには、定義域ていぎいきdomain基底きていbasisベクトルのぞうimage終域しゅういきcodomain基底きていbasisあらわした座標ざひょうcoordinateならぶので、基底きていbasisさきかれば写像しゃぞうmap全体ぜんたいまる。

確認かくにんすべきてんは、加法かほうadditionスカラーばいscalar multiplicationたもつこと、かくkernel0おくられる集合しゅうごうsetとしてむこと、ぞうimageれつcolumn空間くうかんspaceとしてむこと、そして合成ごうせいcomposition行列積ぎょうれつせきmatrix productゆる順序じゅんじょおこなうことである。定義域ていぎいきdomain終域しゅういきcodomain基底きていbasisえても、写像しゃぞうmapそのものはわらず、表現行列ひょうげんぎょうれつrepresentation matrixだけがわる。

12定理ていり証明しょうめい基底きていさき線型写像せんけいしゃぞうめる

V基底きていe1,,en とする。線型写像せんけいしゃぞう T:VW は、T(e1),,T(en) によって一意いちいまる。

証明しょうめいする。任意にんいvV基底きてい使つかって

v=x1e1++xnen

一意いちいける。線型性せんけいせいより

T(v)=x1T(e1)++xnT(en)

である。したがって T(ei) たちがかれば、すべての vたいする T(v)かる。

この定理ていりから、行列ぎょうれつれつ基底きていベクトルvectorさきならべる理由りゆうかる。行列ぎょうれつ線型写像せんけいしゃぞう全部ぜんぶ情報じょうほうを、基底きていさきだけで記録きろくしている。

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