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有限体の入口md 9773466
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有限体ゆうげんたいfinite field入口いりぐち

date2026-07-14document_iddoc_4ba76442b4a30f83614746b7f98f40a0description有限体を有限個の元を持つ体として導入し、位数が素数冪になる理由と4元体の具体的構成を証明する。prerequisites体の基[本/ほん] / イデアルと[[商/しょう]環/しょうかん] / [合[同/どう][式/しき]/ごうどうしき]とmod[演算/えんざん]の基[本/ほん] / [整域/せいいき]・[[零/れい]因子/れいいんし]・[[多項[式/しき]/たこうしき]環/たこうしきかん] / ベクトル[空間/くうかん]と基[底/てい]type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/abstract-algebra/field-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/abstract-algebra/ideals-and-quotient-rings.lecture.n.md / data/lecture/math/abstract-algebra/congruences-and-modular-arithmetic.lecture.n.md / data/lecture/math/abstract-algebra/integral-domains-zero-divisors-and-polynomial-rings.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/vector-spaces-and-bases.lecture.n.md / data/lecture/math/number-theory/number-theory-portal.lecture.n.md / data/exercise/math/abstract-algebra/integral-domains-fields-and-finite-fields.exercise.n.md
mathabstract-algebrafield-theoryfinite-fieldlecture

有限体ゆうげんたいは、有限個ゆうげんこげんしかたないたいである。有限ゆうげんなのにざんができるというてん重要じゅうようであり、符号理論ふごうりろん暗号あんごうあらわれる。

最初さいしょれいは、素数そすう pたいする

Fp=Z/pZ

である。

1なぜ素数そすう必要ひつよう

Z/nZたいになるには、0 でない剰余類じょうよるいすべ逆元ぎゃくげん必要ひつようがある。

[a]逆元ぎゃくげん条件じょうけん

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"gcd\")")](a,n)=1

である。

もし n=p素数そすうなら、[a][0] であることは pa意味いみする。したがって [PARSE ERROR: Undefined("Command(\"gcd\")")](a,p)=1 であり、逆元ぎゃくげん存在そんざいする。

一方いっぽうn合成数ごうせいすうn=ab1<a,b<nけるなら、

[a][b]=[0]

だが [a][b] も 0 ではない。零因子れいいんしがあるのでたいではない。

2具体例ぐたいれい:F_5

F5={[0],[1],[2],[3],[4]} である。

[2]逆元ぎゃくげん[3] である。なぜなら

[2][3]=[6]=[1]

だからである。

このように、有限体ゆうげんたいでは有限個ゆうげんこひょう使つかってざんざん完全かんぜん記述きじゅつできる。

3定理ていり有限体ゆうげんたい位数いすう素数冪そすうべき

有限体ゆうげんたい Kげん個数こすう、すなわち位数いすうは、かなら

pm

かたちになる。ここで p素数そすうで、m[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]1 である。

証明しょうめいする。K有限ゆうげんなので、0,1,1+1,1+1+1, のうちふたつはひとしい。そのふたつのれば、n·1=0 となるせい整数せいすう n存在そんざいする。そのような最小さいしょうnK標数ひょうすうcharacteristicという。

nn=ab1<a,b<n合成数ごうせいすう分解ぶんかいできるとすると、

(a·1)(b·1)=(ab)·1=n·1=0

である。n最小性さいしょうせいより a·10b·10 なので、これはたい零因子れいいんしがないことに矛盾むじゅんする。したがって n素数そすう p である。

ι:FpKι([r])=r·1さだめる。rs[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"pmod\")")]p なら (r-s)·1p·1=0整数倍せいすうばいなので、この写像しゃぞう代表元だいひょうげんによらない。また、ι([r])=0、すなわち r·1=0 とする。整数せいすう除法じょほうにより r=qp+t0[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]t<pける。このとき

0=r·1=q(p·1)+t·1=t·1

である。pn·1=0 となる最小さいしょうせい整数せいすうなので、0[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]t<p から t=0 でなければならない。したがって pr[r]=[0] であり、ι単射たんしゃである。さらに

ι([r]+[s])=(r+s)·1=r·1+s·1,ι([r][s])=(rs)·1=(r·1)(s·1)

かつ ι([1])=1 なので、ι加法かほう乗法じょうほう単位元たんいげんたもつ。さらに、[r][0] なら

ι([r])ι([r]-1)=ι([1])=1

であり、ι([r])0単射性たんしゃせいからしたがう。したがってぞうは、加法かほう減法げんぽう乗法じょうほうと、0 でないげん乗法逆元じょうほうぎゃくげんじた K部分体ぶぶんたいである。この部分体ぶぶんたいFp同一視どういつしできる。

ベクトルの加法かほうには K加法かほう使つかう。Kたいなので、この加法かほうについて可換群かかんぐんをなす。さらに λFpxKたいして、スカラーばい

λx:=ι(λ)x

さだめる。部分体ぶぶんたいFp同一視どういつししたあとも、ここではみを明示めいじするため ιいている。ι加法かほう乗法じょうほう単位元たんいげんたもち、Kたいであることから、λ,μFpx,yKたいして

(λ+μ)x=λx+μx,λ(x+y)=λx+λy,
(λμ)x=λ(μx),1x=x

したがう。したがって KFp じょうのベクトル空間くうかんである。K 全体ぜんたい有限ゆうげん生成集合せいせいしゅうごうなので、そこから不要ふようげんのぞけば有限基底ゆうげんきていれる。その次元じげんm とする。10 なので、この基底きていからではなく m[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]1 である。

かくげんm 基底きてい線型結合せんけいけつごうとして一意いちいあらわされ、各係数かくけいすうには p とおりのえらかたがある。したがって

|K|=pm

である。

data/lecture/math/linear-algebra/vector-spaces-and-bases.lecture.n.md

4なにえてなに保存ほぞんするか

たいのうちげん個数こすう有限ゆうげんなものに対象たいしょうしぼったのが有限体ゆうげんたいである。加法かほう乗法じょうほう、0 以外いがいでのざんというたい公理こうりはすべてたもたれる。有限性ゆうげんせいにより、計算けいさんあつかいやすく、暗号あんごうあやま訂正ていせい応用おうようできる。

5証明しょうめい補足ほそく有限整域ゆうげんせいいきたいである

有限ゆうげん整域せいいき Rたいfield である。

証明しょうめいする。aRa0る。Rたいであることをしめすには、a乗法逆元じょうほうぎゃくげん存在そんざいすることをしめればよい。
写像しゃぞう

μa:RR,xax

かんがえる。μa(x)=μa(y) とすると ax=ay である。a0 で、R整域せいいきなので消去法則しょうきょほうそくより x=y である。したがって μa単射たんしゃである。

R有限集合ゆうげんしゅうごうなので、R から R への単射たんしゃ全射ぜんしゃである。よって 1Rたいして、ある xR存在そんざいして ax=1 である。これは xa逆元ぎゃくげんであることを意味いみする。

有限性ゆうげんせい使つかったのは、単射たんしゃから全射ぜんしゃみちび箇所かしょである。有限集合ゆうげんしゅうごうでは、単射たんしゃならぞうげんすう入力にゅうりょくげんすうおなじになり、目標もくひょう集合しゅうごうおなおおきさなのですべてのげんとどく。無限むげんではこの推論すいろん一般いっぱんには成立せいりつしない。

6れい:4 げん有限体ゆうげんたい

Z/4Zたいではないが、4 げん有限体ゆうげんたい存在そんざいする。F2[x]

f(x)=x2+x+1

かんがえる。f(0)=1f(1)=1+1+1=1 なので、fF2 じょうこんたない。二次多項式にじたこうしき定数ていすうでない多項式たこうしきせき分解ぶんかいできるなら、一次式いちじしき因子いんしち、そのこん存在そんざいする。したがって f既約きやくirreducibleである。ここで既約きやくとは、定数ていすうでないふたつの多項式たこうしきせき分解ぶんかいできないことをいう。

f多項式倍たこうしきばい全体ぜんたい

(f)={f(x)q(x)q(x)F2[x]}

f生成せいせいするイデアルという。実際じっさい0=f·0 であり、fq,fr(f) なら

fq-fr=f(q-r)(f)

である。また、任意にんいsF2[x]たいして s(fq)=f(sq)(f) である。したがって (f)かんげんによるせきじ、たしかにイデアルである。gh(f)ぞくするときにおなげんとみなす商環しょうかん

F4=F2[x]/(x2+x+1)

定義ていぎする。この記号きごうあらわすとおり 4 げんたいになることは、以下いか直接ちょくせつたしかめる。α=[x]くと、関係式かんけいしき

α2+α+1=0

と、標数ひょうすう 2 での -1=1-α=α から

α2=α+1

成立せいりつする。任意にんいるい一次以下いちじいか多項式たこうしきあらわせることを、指数しすうについての帰納法きのうほうたしかめる。n=0,1 では α0=1α1=α である。n[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]2 なら、商環しょうかんなか

αn=αn-2α2=αn-1+αn-2

であり、右辺うへんふたつの指数しすうはどちらも n よりちいさい。したがってつよ帰納法きのうほうにより、各単項式かくたんこうしき xnるい

αn=c0+c1α(c0,c1F2)

あらわせる。有限個ゆうげんこ単項式たんこうしきわせた任意にんい多項式たこうしきおなかたち簡約かんやくできる。したがって各元かくげん

0,1,α,α+1

のいずれかである。これらはたがいにことなる。っても 0 でない一次以下いちじいか多項式たこうしきになる。一方いっぽう、0 でない qF2[x] について [PARSE ERROR: Undefined("Command(\"deg\")")](fq)=2+[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"deg\")")]q[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]2 なので、そのf倍数ばいすうになることはない。したがって、この商環しょうかんはちょうど 4 げんつ。

はじめに f既約性きやくせいたしかめた理由りゆうも、ここでかる。もし f=gh定数ていすうでない多項式たこうしきせき分解ぶんかいできれば、f二次にじなので g,h はともに一次いちじである。直前ちょくぜん次数じすう議論ぎろんより [g],[h] は 0 ではないが、商環しょうかんでは

[g][h]=[f]=0

となり、零因子れいいんししょうじてたいにはならない。既約性きやくせいはこの障害しょうがい排除はいじょしている。ただし、ここでは「F2[x]既約多項式きやくたこうしき生成せいせいするイデアルでったしょうたいになる」という一般定理いっぱんていり使つかわない。この具体例ぐたいれいたいであることは、つぎにすべての 0 でないげん逆元ぎゃくげん直接ちょくせつもとめてたしかめる。

さらに、0 でないげん逆元ぎゃくげん

1-1=1,α-1=α+1,(α+1)-1=α

である。実際じっさいα(α+1)=α2+α=1 である。よってすべての 0 でないげん逆元ぎゃくげんち、この商環しょうかんたしかにたいである。

8まとめ

有限体ゆうげんたいは、有限個ゆうげんこげんたいである。Z/pZ素数そすう p のとき有限体ゆうげんたいになるが、合成数ごうせいすうほうでは零因子れいいんししょうじるためたいにならない。有限体ゆうげんたい標数ひょうすう素数そすう p であり、Fp じょう有限次元ゆうげんじげんベクトル空間くうかんとしてることで、その位数いすうpm になる。4 げんたい F4 は、Z/4Z ではなく F2[x]/(x2+x+1) として構成こうせいできる。

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