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Heaviside 演算子法えんざんしほう変換へんかん

date2026-07-14document_iddoc_35c6837c7649a7c0326f70a219f1fe6ddescriptionHeavisideの演算子法を、微分作用素の多項式・逆作用素・Laplace/Fourier/Z変換との関係から整理する講義である。prerequisites線型作用素方程式 / 多項式作用素と固有値問題 / 作用素カタログ-基礎編 / ラプラス変換の入口type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/linear-operator/polynomial-operators-and-eigenvalue-problems.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-operator/operator-catalog-foundations.lecture.n.md / data/lecture/math/analysis/introduction-to-laplace-transform.lecture.n.md / data/lecture/math/analysis/introduction-to-fourier-transform.lecture.n.md / data/lecture/math/analysis/introduction-to-z-transform.lecture.n.md / data/lecture/math/differential-equations/step-functions-delta-functions-and-convolution.lecture.n.md
mathlinear-operatorheaviside-operator-methodlaplacefourierz-transformlecture

1導入どうにゅう

この講義こうぎでは、Heaviside 演算子法えんざんしほうを「記号きごう分数ぶんすうのようにあつか裏技うらわざ」ではなく、線型作用素方程式せんけいさようそほうていしきlinear operator equation

P(D)y=f

特殊解とくしゅかい構成こうせいするための作用素的さようそてき記法きほうとしてむことである。

ここで

D=ddt

微分作用素びぶんさようそであり、P(D)D多項式作用素たこうしきさようそである。

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2なぜ D記号きごうとしてあつかうのか

定数係数ていすうけいすう線型せんけい微分方程式びぶんほうていしき

ay'+by+cy=f(t)

(aD2+bD+cI)y=f(t)

ける。P(D)=aD2+bD+cIけば

P(D)y=f

である。

このかたちにする理由りゆうは、微分びぶん何回なんかい展開てんかいするのではなく、「未知関数みちかんすう y作用さようする 1 つの線型作用素せんけいさようそ」としてたいからである。すると一般論いっぱんろんにより、同次解どうじかいkerP(D)特殊解とくしゅかいP(D)y=fたす 1 ほんかいとして整理せいりできる。

3形式的けいしきてき逆作用素ぎゃくさようそ

Heaviside 演算子法えんざんしほうでは、形式的けいしきてき

y=1P(D)f

のようにくことがある。これは「P(D)逆作用素ぎゃくさようそf作用さようさせる」という意味いみであり、普通ふつうかずざんではない。

注意ちゅういすべきてんは、P(D)かく場合ばあい逆作用素ぎゃくさようそ全体ぜんたいでは一意いちい定義ていぎできないことである。したがって、この記法きほう特殊解とくしゅかいを 1 つつく道具どうぐとしてむのが安全あんぜんである。一般解いっぱんかいは、そのあとkerP(D)してる。

4命題めいだい指数入力しすうにゅうりょくでは P(D)P(λ) になる

4.1主張しゅちょう

P多項式たこうしきとする。このとき

P(D)eλt=P(λ)eλt

である。

4.2証明しょうめい

D(eλt)=λeλt である。したがって帰納法きのうほうにより

Dkeλt=λkeλt

である。P(s)=a0+a1s++amsmけば

\begin{aligned} P(D)e^{\lambda t} &=(a_0I+a_1D+\cdots+a_mD^m)e^{\lambda t}\\ &=(a_0+a_1\lambda+\cdots+a_m\lambda^m)e^{\lambda t}\\ &=P(\lambda)e^{\lambda t} \end{aligned}

である。□

5特殊解とくしゅかいつくかた

もし P(λ)0 なら、

P(D)(eλtP(λ))=eλt

である。したがって

P(D)y=eλt

特殊解とくしゅかいとして

yp=eλtP(λ)

れる。

右辺うへんcosωtsinωt場合ばあいは、eiωt使つかって複素数ふくそすう計算けいさんし、最後さいご実部じつぶ虚部きょぶる。

6共鳴きょうめいする場合ばあい

P(λ)=0場合ばあいeλt同次方程式どうじほうていしき P(D)y=0かいである。したがって

eλtP(λ)

というしき使つかえない。未定係数法みていけいすうほうtける補正ほせい必要ひつようになるのは、この重複ちょうふくけるためである。

えると、eλt をそのまま特殊解候補とくしゅかいこうほにしても、P(λ)=0 なら

P(D)eλt=0

となり、右辺うへんeλtつくれない。これは候補こうほ同次解空間どうじかいくうかんはいっている、という意味いみである。

λPm 重根じゅうこんなら、候補こうほ

tmeλt

かたちまでひろげる。この tm暗記あんきするかざりではない。同次解どうじかい重複ちょうふくする候補こうほからはなれ、P(D)作用さようさせたときに右辺うへんつくれる方向ほうこううつるための補正ほせいである。

7Laplace 変換へんかんとの関係かんけい

Heaviside 演算子法えんざんしほう形式計算けいしきけいさんは、Laplace 変換へんかん正当化せいとうかしやすい。初期値しょきちが 0 の場合ばあい

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"mathcal\")")]L{Dy}=sY(s)

ちかかたちになるので、

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"mathcal\")")]L{P(D)y}=P(s)Y(s)

となる。したがって

P(D)y=f

P(s)Y(s)=F(s)

わり、

Y(s)=F(s)P(s)

ける。

初期値しょきちが 0 でない場合ばあいは、[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"mathcal\")")]L{y}=sY(s)-y(0) のように初期値項しょきちこうあらわれる。したがって、Heaviside 演算子法えんざんしほうだけで初期値しょきち無視むししてよいわけではない。Laplace 変換へんかんは、この初期値しょきちあつかいを明示めいじする。

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8変換へんかん対応表たいおうひょう

変換へんかん対象たいしょう中心作用素ちゅうしんさようそ変換後へんかんご問題もんだい
Laplace transform連続時間れんぞくじかん t[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]0微分作用素びぶんさようそ DDs初期値項しょきちこう初期値問題しょきちもんだい、ステップ入力にゅうりょく、デルタ入力にゅうりょく
Fourier transform全時間ぜんじかん周波数解析しゅうはすうかいせき微分作用素びぶんさようそ DDiωなみ振動しんどう、PDE、たた
Z-transform離散時間列りさんじかんれつ x[n]シフト作用素さようそ E遅延作用素ちえんさようそ R両側りょうがわEzRz-1漸化式ぜんかしき差分方程式さぶんほうていしき、デジタルフィルタ

Fourier 変換へんかん理由りゆうは、eiωt微分作用素びぶんさようそ固有関数こゆうかんすうだからである。Z 変換へんかん理由りゆうは、z-nおもみが添字そえじのシフトを zz-1ざんえるからである。

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9たたみと逆作用素ぎゃくさようそ

線型時不変系せんけいじふへんけいでは、入力にゅうりょく fたいする出力しゅつりょく

y=h*f

あらわされることがある。ここで h はインパルス応答おうとうである。変換へんかん使つかうと

Y=HF

となるので、たた作用素さようそざんわる。

この見方みかたでは、[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dfrac\")")]1P(D) は「P(D)ぎゃく対応たいおうするインパルス応答おうとうたた作用素さようそ」として理解りかいできる。つまり、形式的けいしきてき逆作用素ぎゃくさようそは、変換へんかんたたみをつうじて具体化ぐたいかされる。

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10どこまで成立せいりつするか

Heaviside 演算子法えんざんしほうは、定数係数ていすうけいすう線型せんけい微分方程式びぶんほうていしきでは強力きょうりょくである。しかし、係数けいすう変数へんすう依存いぞんすると、D乗法作用素じょうほうさようそ一般いっぱん可換かかんでないため、多項式たこうしきのようにあつかえない。

また、P(D)-1かくがあると一意いちいではない。境界条件きょうかいじょうけん初期条件しょきじょうけんふくめると、どのぎゃくえらぶかが問題もんだいになる。したがって、形式計算けいしきけいさんあとには、もと微分方程式びぶんほうていしき条件じょうけん代入だいにゅうして検算けんざんする。

11一言ひとことでいうと

Heaviside 演算子法えんざんしほうは、P(D)y=f作用素方程式さようそほうていしきとしてて、形式的けいしきてき逆作用素ぎゃくさようそ特殊解とくしゅかいつく方法ほうほうである。Laplace・Fourier・Z 変換へんかんは、この作用素さようそ代数的だいすうてきざんうつ座標変換ざひょうへんかんとしてはたらく。

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