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作用素さようそカタログ:基礎編きそへん

date2026-07-08document_iddoc_d820201277dfa8e700d930033686b0c2description乗法作用素・微分作用素・シフト作用素・遅延作用素・積分作用素・畳み込み作用素・射影作用素を、意味と変換との相性から整理する講義である。prerequisites線型作用素 / 基本作用素の例 / 微分積分学の基本 / 数列type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/linear-operator/basic-operator-examples.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-operator/proving-operator-linearity.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-operator/heaviside-operator-method-and-transforms.lecture.n.md / data/lecture/math/analysis/introduction-to-z-transform.lecture.n.md / data/lecture/math/analysis/introduction-to-fourier-transform.lecture.n.md / data/lecture/math/analysis/introduction-to-laplace-transform.lecture.n.md
mathlinear-operatoroperator-catalogconvolutionprojectionlecture

1導入どうにゅう

このページの目的もくてきは、作用素さようそ名前なまえ暗記あんきすることではない。どの作用素さようそが「なにをしているのか」をて、かくぞう固有関数こゆうかんすう変換へんかんのどれであつかうと自然しぜんかを判断はんだんすることである。

方針ほうしんつぎである。

  1. 典型形てんけいけいる。
  2. なにえる作用素さようそかを言葉ことばむ。
  3. 対応たいおうしやすい変換へんかん確認かくにんする。
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2一覧いちらん

作用素さようそ典型形てんけいけい意味いみ対応たいおうしやすい変換へんかん
乗法作用素じょうほうさようそmultiplication operator(Mmf)(x)=m(x)f(x)てんごとに倍率ばいりつえるそのままあつかいやすい。Fourier 変換へんかんではたたみと関係かんけいする
微分作用素びぶんさようそdifferential operatorDf=f,D2f=f'変化率へんかりつ曲率きょくりつFourier, Laplace
シフト作用素さようそshift operator(Ex)[n]=x[n+1]れつまえへ 1 ずらすZ-transform, discrete-time Fourier transform
遅延作用素ちえんさようそdelay operator(Rx)[n]=x[n-1], (Raf)(t)=f(t-a)入力にゅうりょくおくらせるZ-transform, Laplace
積分作用素せきぶんさようそintegral operator(Kf)(x)=K(x,y)f(y)dy平均化へいきんかかさわせFourier, eigenfunction expansion
たたみ作用素Convolution operatorChf=h*fLTI system の応答おうとうFourier, Laplace, Z
射影作用素しゃえいさようそprojection operatorP2=P成分せいぶん直交分解ちょっこうぶんかい, Fourier expansion

3乗法作用素じょうほうさようそmultiplication operator

(Mmf)(x)=m(x)f(x)

は、各点かくてん xあたいm(x) ばいする作用素さようそである。m(x) が 0 になるてんでは、そのてん情報じょうほうえる。かく調しらべるときは、m(x)=0集合しゅうごうる。

乗法作用素じょうほうさようそるときの発想はっそうは、「空間全体くうかんぜんたいぜているのか、それともてんごとに処理しょりしているのか」である。Mmてんごとの操作そうさなので、微分びぶん積分せきぶんより局所的きょくしょてきである。

4微分作用素びぶんさようそdifferential operator

Df=f

変化率へんかりつ作用素さようそである。さらに

D2f=f'

のような二階微分にかいびぶんは、がりかた拡散かくさん波動はどうしきあらわれる。

微分作用素びぶんさようそに Fourier 変換へんかんや Laplace 変換へんかんきやすい理由りゆうは、指数関数しすうかんすう微分びぶんしてもかたちえないからである。たとえば

D(eλx)=λeλx

である。したがって、微分作用素びぶんさようそ指数関数しすうかんすう基底きていると、ざんわる。

5シフト作用素さようそshift operator遅延作用素ちえんさようそdelay operator

離散時間りさんじかん

(Ex)[n]=x[n+1]

前進ぜんしんシフトである。一方いっぽう

(Rx)[n]=x[n-1]

遅延ちえんである。

連続時間れんぞくじかんで「a だけおくらせ、t<a では 0 にする」因果的いんがてき遅延ちえんあらわすときは、Heaviside 単位たんいステップ関数かんすうHeaviside unit step function Hもちいて

(Raf)(t)=f(t-a)H(t-a)

くことがある。

Z 変換へんかんでは、両側りょうがわ変換へんかんなら

Ez,Rz-1

対応たいおうする。片側かたがわ Z 変換へんかんでは、初期項しょきこう追加ついかあらわれる。

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6積分作用素せきぶんさようそintegral operator

一般いっぱん積分作用素せきぶんさようそ

(Kf)(x)=K(x,y)f(y)dy

かたちあらわれる。ここで K(x,y)核関数かくかんすうkernel functionという。おなじ「かく」という日本語にほんごでも、kerL の kernel と K(x,y) の kernel function は文脈ぶんみゃくちがうので混同こんどうしない。

積分作用素せきぶんさようそは、f(y)あたいK(x,y)おもけしてあつめ、xあたいつくる。平均化へいきんか平滑化へいかつか過去かこ履歴りれきかさわせなどにあらわれる。

7たたみ作用素Convolution operator

たたみは、関数空間かんすうくうかん収束条件しゅうそくじょうけんめないと厳密げんみつ意味いみさだまらない。ここでは安全あんぜん設定せっていとして、Cc(R) を「連続れんぞくで、ある有限区間ゆうげんくかんそとでは 0 になる関数かんすう全体ぜんたいとする。

hCc(R)固定こていし、

(Chf)(t)=(h*f)(t)=-h(t-τ)f(τ)dτ

Ch:Cc(R)Cc(R)

定義ていぎする。このような作用素さようそたた作用素さようそという。

7.1命題めいだいCh線型せんけいである

7.2証明しょうめい

f,gCc(R) とスカラー α,βたいして

\begin{aligned} C_h(\alpha f+\beta g)(t) &=\int_{-\infty}^{\infty} h(t-\tau)(\alpha f(\tau)+\beta g(\tau))\,d\tau\\ &=\alpha\int_{-\infty}^{\infty} h(t-\tau)f(\tau)\,d\tau +\beta\int_{-\infty}^{\infty} h(t-\tau)g(\tau)\,d\tau\\ &=\alpha C_hf(t)+\beta C_hg(t) \end{aligned}

である。したがって Ch線型せんけいである。□

たたみが重要じゅうようなのは、線型時不変けいlinear time-invariant system出力しゅつりょくが「入力にゅうりょくとインパルス応答おうとうたたみ」としてあらわされるからである。Fourier, Laplace, Z 変換へんかんでは、たたみがせきわる。

8射影作用素しゃえいさようそprojection operator

P2=P

たす線型作用素せんけいさようそ P射影作用素しゃえいさようそprojection operatorという。P は「一度いちどした成分せいぶんを、もう一度いちどしてもわらない」作用素さようそである。

8.1命題めいだいP2=P なら V=ImPkerP

8.2証明しょうめい

任意にんいxVたいして

x=Px+(x-Px)

分解ぶんかいする。PxImP である。また

P(x-Px)=Px-P2x=Px-Px=0

なので x-PxkerP である。したがって V=ImP+kerP である。

さらに vImPkerP とする。vImP だから v=Puける。一方いっぽうvkerP なので Pv=0 である。しかし

Pv=P(Pu)=P2u=Pu=v

でもある。したがって v=0 である。よって共通部分きょうつうぶぶん{0} であり、

V=ImPkerP

である。□

この命題めいだいは、射影しゃえいを「成分せいぶん操作そうさ」として理由りゆうである。のこりの成分せいぶんkerPはいる。

9つぎむページ

このページでげた作用素さようそについて、定義域ていぎいき終域しゅういき明示めいじし、線型性せんけいせい定義ていぎから証明しょうめいする。

data/lecture/math/linear-operator/proving-operator-linearity.lecture.n.md

10一言ひとことでいうと

作用素さようそ種類しゅるいたら、典型形てんけいけい意味いみ対応たいおうしやすい変換へんかん確認かくにんする。微分びぶんは Fourier・Laplace、シフトと遅延ちえんは Z、たたみは Fourier・Laplace・Z であつかいやすい。

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