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スカラー場とベクトル場md dba64cb
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スカラーとベクトル

1導入どうにゅう

この講義こうぎでは、空間くうかん各点かくてんなに対応たいおうさせるかにより、スカラーとベクトル区別くべつする。

2用語ようご定義ていぎ

URn開集合かいしゅうごうとする。スカラーScalar field は、各点かくてん数値すうち対応たいおうさせる関数かんすう f:UR である。温度おんど圧力あつりょく典型例てんけいれいである。

ベクトルVector field は、各点かくてんにベクトルを対応たいおうさせる関数かんすう F:URn である。速度場そくどば力場りきば典型例てんけいれいである。

であること自体じたい連続性れんぞくせい仮定かていしない。スカラーでは関数かんすう連続れんぞくなら連続れんぞくスカラーC1 なら C1 スカラーという。ベクトルでは各成分かくせいぶん連続れんぞくなら連続れんぞくベクトル各成分かくせいぶんC1 なら C1 ベクトルという。すべての階数かいすう偏導関数へんどうかんすう存在そんざいして連続れんぞくCく。後続こうぞくの grad・div・curl では C1あつかう。

3方針ほうしん

C1 スカラーでは、勾配こうばいが 0 でないてんで「どの方向ほうこうもっと増加ぞうかするか」を確認かくにんする。C1 ベクトルでは「どれだけ流入流出りゅうにゅうりゅうしゅつするか」「どれだけ回転かいてんするか」を確認かくにんする。この区別くべつ勾配こうばい発散はっさん回転かいてん入口いりぐちになる。

4具体例ぐたいれい

T(x,y,z)=x2+y2+z2 はスカラーであり、各点かくてんに 1 つのかず対応たいおうさせる。

F(x,y)=(-y,x) はベクトルであり、原点以外げんてんいがい各点かくてん原点中心げんてんちゅうしんえん接線方向せっせんほうこうくベクトルを対応たいおうさせる。原点げんてんでは F(0,0)=0 である。これらのれい多項式成分たこうしきせいぶんつので C である。

5れい

温度場おんどばはスカラーであり、各点かくてん温度おんどかえす。高度場こうどばもスカラーであり、地形ちけいたかさをかえす。速度場そくどばはベクトルであり、流体りゅうたい各点かくてんでの速度そくどかえす。電場でんばもベクトルであり、単位電荷たんいでんかはたらちからかえす。

つぎひょうの gradient・divergence・curl・flux・circulation は後続講義こうぞくこうぎ定義ていぎする演算えんざん予告よこくである。

あたい単位たんいれいつぎ演算えんざん
温度場おんどば T(x,y,z)スカラーKgradient
圧力場あつりょくば p(x,y,z)スカラーPagradient
速度場そくどば v(x,y,z)ベクトルm/sdivergence, curl
電場でんば E(x,y,z)ベクトルN/Cflux, circulation

単位たんいけると、演算えんざん意味いみ明確めいかくになる。たとえば次講義じこうぎ定義ていぎする温度勾配おんどこうばい T単位たんいK/m であり、いちメートルあたりの温度変化おんどへんかあらわす。

6等位面とういめん流線りゅうせん

スカラー f:URたいして

Lc:={xU:f(x)=c}

等位集合とういしゅうごうlevel setという。fC1(U) とし、x0Lcすくなくとも 1 つの偏導関数へんどうかんすうが 0 でないとする。陰関数定理いんかんすうていりにより Lcx0ちかくで (n-1) 次元じげんC1 超曲面ちょうきょくめんになる。この条件じょうけんは、次講義じこうぎ定義ていぎする勾配こうばい使つかえば f(x0)0ける。陰関数定理いんかんすうていり証明しょうめい多変数微積分たへんすうびせきぶん発展内容はってんないようであり、ここでは等位面とういめんになるための条件じょうけんとしてもちいる。臨界点りんかいてんでは、てん退化たいかしたりめんでなくなったりすることがある。

ここでは URn開集合かいしゅうごうとする。F:URnたいし、C1 曲線きょくせん γ:JU

γ(t)=F(γ(t))

たすとき、そのぞう積分曲線せきぶんきょくせんintegral curveまたは流線りゅうせんという。F(p)=0 なら γ(t)=p定常ていじょう積分曲線せきぶんきょくせんである。pU とする。F連続れんぞくなら pとお局所解きょくしょかいすくなくとも 1 つ存在そんざいし、局所きょくしょ Lipschitz 連続れんぞくならその局所解きょくしょかい一意いちいである。

二次元にじげんのスカラー T(x,y)=x2+y2 では、c>0等位集合とういしゅうごう半径はんけい cえんc=0 では原点げんてん 1 てんc<0 では空集合くうしゅうごうである。三次元さんじげんでも c>0 のとき球面きゅうめんc=0 のとき原点げんてん 1 てんになる。一方いっぽうF=(-y,x) では r>0たいして

γ(t)=r(cos(t+θ0),sin(t+θ0))

反時計回はんとけいまわりの円形えんけい積分曲線せきぶんきょくせんとなり、原点げんてん定常点ていじょうてんである。等位集合とういしゅうごうあたい一定いってい集合しゅうごう積分曲線せきぶんきょくせん沿軌道きどうであり、役割やくわりことなる。

7比較例ひかくれい

F(x,y)=(1,0)全点ぜんてん右向みぎむきの一定速度場いっていそくどばであり、積分曲線せきぶんきょくせん水平線すいへいせんになる。G(x,y)=(x,y) では tRたいして γ(t)=etp であり、p0軌道像きどうぞう原点げんてんのぞ半直線はんちょくせん原点げんてん定常点ていじょうてんである。divergence はベクトルのおおきさだけでなく、各成分かくせいぶん対応たいおうする座標方向ざひょうほうこうへどう変化へんかするかでまり、矢印やじるしながさだけからは判断はんだんできない。

8つぎへの接続せつぞく

スカラーには勾配こうばい適用てきようし、ベクトルには発散はっさん回転かいてん適用てきようする。この区別くべつ固定こていしてから、局所演算子きょくしょえんざんし進行しんこうする。

Euclidean 空間くうかん座標系ざひょうけいえるとベクトルの成分表示せいぶんひょうじわるが、幾何的きかてきなベクトルそのものはおなじである。曲線座標きょくせんざひょうでは基底きていてんごとにわるため、grad・div・curl の成分公式せいぶんこうしき後続講義こうぞくこうぎ座標条件ざひょうじょうけんとともに確認かくにんする。

data/lecture/math/vector-calculus/gradient-divergence-and-curl.lecture.n.md

9よくあるあやま

  • スカラーとベクトルあたいかた区別くべつしない。
  • 座標表示ざひょうひょうじそのものと同一視どういつしする。
  • 図示ずしされた矢印やじるしながさだけを確認かくにんし、方向ほうこう変化へんか無視むしする。

10関連かんれんリンク

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