アフィン結合と重心
mathvectorgeometrylecture
導入
この講義で重要なのは、中点、内分点、重心を、係数の和が 1 になる点の重みつき平均として統一することである。
点どうしを無条件に加法することはできない。しかし係数の和が 1 になる組合せなら、原点の選択に依存しない点を定義できる。この操作がアフィン結合である。
用語と定義
アフィン結合 とは、点 P_1,\dots,P_k と係数 \lambda_1,\dots,\lambda_k に対して、
\lambda_1+\cdots+\lambda_k=1
を満たすときの
\lambda_1P_1+\cdots+\lambda_kP_k
という点の組合せである。
重心 とは、頂点の位置を同じ重みで平均した点である。
直感的な説明
中点は 2 点の平均である。重心は 3 点の平均である。内分点は、2 点に異なる重みを付けた平均である。
したがって、図形の線分比や重心は、点の重みつき平均として整理できる。ただし係数の和は 1 でなければならない。
厳密な説明
原点を O とし、点 P_i の位置ベクトルを p_i=\overrightarrow{OP_i} とする。係数が \lambda_1+\cdots+\lambda_k=1 を満たすなら、
p=\lambda_1p_1+\cdots+\lambda_kp_k
は 1 つの点の位置ベクトルを与える。
原点を別の点 O' に変更しても、各 p_i には同じ補正ベクトルが加わる。その補正の係数は
\lambda_1+\cdots+\lambda_k=1
になるため、結果は同じ点を表す。これが係数の和を 1 にする理由である。
具体例
2 点 A,B の中点 M は
\overrightarrow{OM}=\frac12\overrightarrow{OA}+\frac12\overrightarrow{OB}
である。係数は \frac12+\frac12=1 である。
三角形 ABC の重心 G は
\overrightarrow{OG}=\frac13\overrightarrow{OA}+\frac13\overrightarrow{OB}+\frac13\overrightarrow{OC}
である。係数は \frac13+\frac13+\frac13=1 である。
線形結合との違い
線形結合では係数の和に制限がない。材料ベクトルから到達可能なベクトルを作る操作である。
アフィン結合では係数の和を 1 に制限する。点を点として保ち、原点の選択に依存しない図形的な点を得るためである。
よくある誤解
- 重心は単なる公式ではなく、等重みのアフィン結合である。
- 点の係数つき和では、係数の和が 1 であることが本質である。
- 線形結合とアフィン結合を混同しない。対象がベクトルか点かで役割が異なる。
最終形
\boxed{\lambda_1+\cdots+\lambda_k=1}
\boxed{P=\lambda_1P_1+\cdots+\lambda_kP_k}
\boxed{G=\frac13A+\frac13B+\frac13C}
一言でいうと
- アフィン結合は、係数の和を 1 にして点を点として平均化する操作である。