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群作用と対称性md c176b83
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群作用ぐんさようgroup action対称性たいしょうせいsymmetry

date2026-07-14document_iddoc_df5fca749526db988e1d75f3584d1a34description群作用を、群を集合上の変換として見る方法として導入し、軌道・固定部分群・対称性を説明する。prerequisites[群/ぐん]の[基本/きほん] / [群準同型/ぐんじゅんどうけい]と[同型/どうけい] / [剰余類/じょうよるい]とラグランジュの[定理/ていり] / [写像/しゃぞう]の[基本/きほん]type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/abstract-algebra/group-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/abstract-algebra/group-homomorphisms-and-isomorphisms.lecture.n.md / data/lecture/math/abstract-algebra/cosets-and-lagrange-theorem.lecture.n.md / data/lecture/math/discrete-math/map-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/geometry/coordinate-geometry-portal.lecture.n.md / data/exercise/math/abstract-algebra/group-actions-and-orbit-stabilizer.exercise.n.md
mathabstract-algebragroup-theorysymmetrylecture

ぐんgroupは、たんなる演算表えんざんひょうoperation tableとしてだけでなく、集合しゅうごうsetうごかす変換へんかんtransformationあつまりとしてることができる。この見方みかた群作用ぐんさようgroup actionである。

群作用ぐんさようgroup action使つかうと、「ぐんgroupげんelement対象たいしょうobjectをどううごかすか」を直接ちょくせつあつかえる。図形ずけいfigure対称性たいしょうせいsymmetryぐん置換ちかんpermutationぐん可逆行列かぎゃくぎょうれつぐん線型変換せんけいへんかんとして作用さようすることが基本例きほんれいである。

data/lecture/math/linear-algebra/linear-maps-and-matrices.lecture.n.md

線型変換せんけいへんかん応用例おうようれいとしての見通みとおしである。このページの定義ていぎ証明しょうめいでは、集合しゅうごうげんべつげんうつ変換へんかんだけを使つかう。

1群作用ぐんさよう定義ていぎ

ぐんgroup G集合しゅうごうset X作用さようactするとは、写像しゃぞう G×XX(g,x)g·xあたえられ、任意にんいg,hGxXたいしてつぎたすことである。

e·x=x
(gh)·x=g·(h·x)

第一だいいちしきは、単位元たんいげんidentity elementなにもしないことをあらわす。第二だいにしきは、ぐんgroupせきproduct変換へんかんtransformation合成ごうせいcomposition対応たいおうすることをあらわす。

かく gGxg·x という X全単射ぜんたんしゃさだめる。逆写像ぎゃくしゃぞうg-1作用さようである。X全単射ぜんたんしゃ全体ぜんたいぐんSym(X)くと、群作用ぐんさよう群準同型ぐんじゅんどうけい

GSym(X),g(xg·x)

あたえることとおなじである。実際じっさいρ(g)(x)=g·x とおけば

ρ(gh)(x)=(gh)·x=g·(h·x)=(ρ(g)ρ(h))(x)

なので ρ準同型じゅんどうけいである。ぎゃく準同型じゅんどうけい ρ:GSym(X) から g·x=ρ(g)(x)さだめれば、ρ(e)=idXρ(gh)=ρ(g)ρ(h) から作用さようふたつの公理こうりしたがう。

2軌道きどう

げん xX軌道きどうorbit

Gx={g·xgG}

定義ていぎする。軌道きどうは、ぐん作用さようによって x から到達とうたつできるげん全体ぜんたいである。

yx を「ある gG があって y=g·x」とさだめると、これは同値関係どうちかんけいである。反射性はんしゃせいx=e·x対称性たいしょうせいy=g·x なら x=g-1·y推移性すいいせいy=g·xz=h·y なら z=(hg)·x からしたがう。したがって軌道きどうXたがいにまじわらない同値類どうちるい分割ぶんかつする。

3固定部分群こていぶぶんぐん

げん xXうごかさないぐんげん全体ぜんたい

Gx={gGg·x=x}

固定部分群こていぶぶんぐんstabilizerという。これは G部分群ぶぶんぐんである。実際じっさいe·x=x なのでからでなく、g,hGx なら

(gh-1)·x=g·(h-1·x)=g·x=x

である。ここで h·x=x両辺りょうへんh-1作用さようさせて h-1·x=x使つかった。したがって部分群判定法ぶぶんぐんはんていほうより Gx[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]G である。

軌道きどうx が「どこへうごけるか」をあらわし、固定部分群こていぶぶんぐんは「どのぐんげんx固定こていするか」をあらわす。

4作用さようかくぞう忠実性ちゅうじつせい

作用さよう対応たいおうする準同型じゅんどうけいρ:GSym(X) とする。そのかく

kerρ={gGg·x=xがすべてのxXで成立する}=xXGx

である。最初さいしょ等号とうごうρ(g)恒等写像こうとうしゃぞうである条件じょうけんふたg がすべての x固定部分群こていぶぶんぐんぞくする条件じょうけんいただけである。したがって kerρ正規部分群せいきぶぶんぐんであり、Imρ[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]Sym(X)X じょう実際じっさいこる変換へんかん全体ぜんたい部分群ぶぶんぐんである。

kerρ={e}、すなわち ρ単射たんしゃである作用さよう忠実ちゅうじつという。忠実ちゅうじつであっても、ある Gx{e} よりおおきいことはある。正三角形せいさんかくけい頂点ちょうてんへの作用さようはそのれいである。

5具体例ぐたいれい正三角形せいさんかくけい対称性たいしょうせい

正三角形せいさんかくけい頂点集合ちょうてんしゅうごうX={1,2,3} とする。正三角形せいさんかくけい回転かいてん鏡映きょうえい対称性たいしょうせいは、頂点集合ちょうてんしゅうごう置換ちかんする。したがって、対称性たいしょうせいぐんX作用さようする。

頂点ちょうてん 1 の軌道きどう{1,2,3} である。どの頂点ちょうてんにも対称性たいしょうせいうつれるからである。一方いっぽう頂点ちょうてん 1 を固定こていする対称性たいしょうせいは、恒等変換こうとうへんかんと、頂点ちょうてん 1 をとおじくについての鏡映きょうえいである。

この作用さよう忠実ちゅうじつである。みっつの頂点ちょうてんをすべて固定こていする対称性たいしょうせい恒等変換こうとうへんかんだけなので、作用さようかく{e} だからである。しかし、頂点ちょうてん 1 の固定部分群こていぶぶんぐんには鏡映きょうえいふくまれる。このれいは、「すべての頂点ちょうてん同時どうじ固定こていする」ことと「ひとつの頂点ちょうてん固定こていする」ことのちがいをしめしている。

6なにえてなに保存ほぞんするか

群作用ぐんさようでは、ぐんげん変換へんかんとしてる。作用さようによって、集合しゅうごうげんおな集合しゅうごうべつげんうつりうる。保存ほぞんされるのは、ぐんせき変換へんかん合成ごうせい対応たいおうするという構造こうぞうである。

群作用ぐんさようかんがかたは、幾何きか線型代数せんけいだいすう物理ぶつり組合くみあわろんひろあらわれる。

7定理ていり軌道きどう固定部分群こていぶぶんぐん定理ていり

ぐん G集合しゅうごう X作用さようし、xX とする。このとき、Gx左剰余類ひだりじょうよるい集合しゅうごう軌道きどう Gxあいだ全単射ぜんたんしゃがあり、

|Gx|=[G:Gx]

である。Gx正規部分群せいきぶぶんぐんとはかぎらないので、ここで G/Gx商群しょうぐんではなく左剰余類ひだりじょうよるい集合しゅうごうあらわす。とくG有限ゆうげんなら

|G|=|Gx||Gx|

成立せいりつする。これを軌道固定部分群定理きどうこていぶぶんぐんていりorbit-stabilizer theoremという。

正三角形せいさんかくけい対称群たいしょうぐんでは、頂点ちょうてん 1 の軌道きどうは 3 固定部分群こていぶぶんぐんは 2 げんつ。したがってぐん位数いすう3·2=6 である。

8証明しょうめい補足ほそく軌道きどう固定部分群こていぶぶんぐん定理ていり成立せいりつする理由りゆう

ぐん G集合しゅうごう X作用さようしているとし、xX固定こていする。x固定部分群こていぶぶんぐんGx={gGg·x=x}く。

ここで G/Gx左剰余類ひだりじょうよるい集合しゅうごうあらわす。写像しゃぞう

G/GxG·x,gGxg·x

かんがえる。この写像しゃぞうが well-defined であることを確認かくにんする。もし gGx=hGx なら h-1gGx である。したがって

(h-1g)·x=x

であり、ひだりから h作用さようさせると g·x=h·x である。よって代表元だいひょうげんえてもさきわらない。

ぎゃくg·x=h·x なら (h-1g)·x=x なので h-1gGx、したがって gGx=hGx であり、単射たんしゃである。また、G·x任意にんいげん定義ていぎより g·xかたちなので全射ぜんしゃでもある。有限群ゆうげんぐん場合ばあい

|G·x|=[G:Gx]=|G||Gx|

られる。

10まとめ

群作用ぐんさようは、群準同型ぐんじゅんどうけい GSym(X) によってぐん集合しゅうごうじょう変換へんかんとして方法ほうほうである。軌道きどうX到達可能性とうたつかのうせい分割ぶんかつし、固定部分群こていぶぶんぐん Gxx固定こていするぐんげんあつめる。軌道固定部分群定理きどうこていぶぶんぐんていりは、このふたつを左剰余類ひだりじょうよるいによってむすびつける。

ここまでで、ひとつの演算えんざんをもつぐんと、そのぐん集合しゅうごううごかす仕組しくみをまなんだ。つぎは、加法かほう乗法じょうほうというふたつの演算えんざんをもつかんすすむ。

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