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余因子展開と可逆性の判定md 01d2622
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余因子展開よいんしてんかいcofactor expansion可逆性かぎゃくせいinvertibility判定はんてい

date2026-07-14document_iddoc_948ed6f28f579f32c052b1cacfb93935description余因子展開を置換による行列式の定義から証明し、余因子行列・随伴行列・逆行列公式を通して行列式と可逆性を接続する講義である。prerequisites置換による行列式の定義 / 行列式の計算規則 / 逆行列の基本 / 正方行列type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/linear-algebra/determinants.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/determinants-by-permutations.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/determinant-computation-rules.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/inverse-matrix-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/rank-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/rank-and-nullity-of-linear-maps.lecture.n.md / data/exercise/math/linear-algebra/determinants-and-invertibility.exercise.n.md
mathlinear-algebraundergraduatelecturedeterminant

1導入どうにゅう

この講義こうぎ重要じゅうようなのは、余因子展開よいんしてんかいcofactor expansionあたらしい行列式ぎょうれつしきdeterminant定義ていぎではなく、置換ちかんpermutationによる定義ていぎからみちびかれる展開公式てんかいこうしきであるということである。

行列式ぎょうれつしきdeterminant置換定義ちかんていぎ概念がいねん根拠こんきょとして強力きょうりょくだが、計算けいさんではこうn! える。余因子展開よいんしてんかいcofactor expansionは、1 ほんぎょうrowまたはれつcolumn注目ちゅうもくし、n 行列式ぎょうれつしきdeterminant(n-1) 行列式ぎょうれつしきdeterminant分解ぶんかいする。

さらに、余因子よいんしcofactorならべると随伴行列ずいはんぎょうれつadjugate matrixられ、そこから A-1=1detAadj(A)証明しょうめいできる。したがって、この講義こうぎ計算手順けいさんてじゅんだけでなく、行列式ぎょうれつしきdeterminant可逆性かぎゃくせいinvertibility関係かんけい証明しょうめいする場所ばしょでもある。

2用語ようご定義ていぎ

A=(aij)n×n 正方行列せいほうぎょうれつsquare matrixとする。

小行列しょうぎょうれつsubmatrix A(i|j) とは、A からだい i ぎょうrowだい j れつcolumnのぞいて(n-1)×(n-1) 行列ぎょうれつmatrixである。

小行列式しょうぎょうれつしきminor

Mij=detA(i|j)

定義ていぎする。余因子よいんしcofactor

Cij=(-1)i+jMij

定義ていぎする。(-1)i+j市松模様いちまつもよう符号ふごうsignであり、のぞいたぎょうrowれつcolumn先頭せんとう移動いどうするために必要ひつよう交換回数こうかんかいすう偶奇ぐうきparity記録きろくしている。

余因子行列よいんしぎょうれつcofactor matrixC(A)=(Cij)く。随伴行列ずいはんぎょうれつadjugate matrix

adj(A)=C(A)T

定義ていぎする。つまり、随伴行列ずいはんぎょうれつadjugate matrix余因子行列よいんしぎょうれつcofactor matrix転置てんちtransposeしたものである。

3方針ほうしん

証明しょうめい方針ほうしん明確めいかくである。置換ちかんpermutationによる行列式ぎょうれつしきdeterminantを、えらんだぎょうrow成分せいぶんごとに分類ぶんるいする。

たとえばだい i ぎょうrow展開てんかいするなら、置換ちかんこう

σ(i)=1,σ(i)=2,,σ(i)=n

n ぐんける。σ(i)=jぐんでは、だい i ぎょうrowから aijえらんでいる。そののこりの選択せんたくは、だい i ぎょうrowだい j れつcolumnのぞいた小行列しょうぎょうれつsubmatrix行列式ぎょうれつしきdeterminantそのものである。

この分類ぶんるいあらわれる符号ふごうsign(-1)i+j であり、それが余因子よいんしcofactor定義ていぎである。

4直感的ちょっかんてき説明せつめい

余因子展開よいんしてんかいcofactor expansionは、高次こうじ体積たいせきvolumeを、1 方向ほうこう基準きじゅんにして低次ていじ体積たいせきvolume分解ぶんかいする操作そうさである。3 体積たいせきを「たかさ×底面積ていめんせき」として確認かくにんするのとおなじように、行列式ぎょうれつしきdeterminantでもえらんだぎょうrowまたはれつcolumn成分せいぶん係数けいすうとして、のこった小行列式しょうぎょうれつしきminorわせる。

ただし、行列式ぎょうれつしきdeterminantきのりょうである。ぎょうれつのぞ位置いちによってきが反転はんてんする場合ばあいがあるため、(-1)i+j符号ふごうsign必要ひつようになる。

5厳密げんみつ説明せつめい

5.11. 余因子展開よいんしてんかいcofactor expansion定理ていり

An×n 正方行列せいほうぎょうれつsquare matrixとする。任意にんいだい i ぎょうrowについて、

detA=j=1naijCij

成立せいりつする。また、任意にんいだい j れつcolumnについて、

detA=i=1naijCij

成立せいりつする。

5.22. 行展開ぎょうてんかい証明しょうめい

置換ちかんpermutationによる定義ていぎから出発しゅっぱつする。

detA=σSnsgn(σ)a1σ(1)aiσ(i)anσ(n)

このを、σ(i)=j となる j ごとに分割ぶんかつする。σ(i)=jこうでは、かならaij因子いんしとしてあらわれる。

だい i ぎょうrow先頭せんとう移動いどうするには i-1 かい隣接交換りんせつこうかん必要ひつようである。だい j れつcolumn先頭せんとう移動いどうするには j-1 かい隣接交換りんせつこうかん必要ひつようである。したがって、このしであらわれる符号ふごうsign

(-1)(i-1)+(j-1)=(-1)i+j

である。

のこったぎょうれつについての選択せんたくは、まさに A(i|j)置換ちかんpermutationによる行列式ぎょうれつしきdeterminantである。したがって、σ(i)=jぐん

aij(-1)i+jdetA(i|j)=aijCij

である。j=1,,n についてわせると、

detA=j=1naijCij

る。

5.33. 列展開れつてんかい証明しょうめい

れつcolumnでの展開てんかい同様どうようである。あるいは、置換ちかんpermutation定義ていぎから detA=detATしたがうことを使つかって、AT行展開ぎょうてんかいA列展開れつてんかいとしてえればよい。

detA=detAT は、置換ちかん σ逆置換ぎゃくちかん σ-1対応たいおうさせることで確認かくにんできる。sgn(σ)=sgn(σ-1) であり、せき因子いんし順序じゅんじょえてもおなじである。

5.44. 随伴行列ずいはんぎょうれつadjugate matrix恒等式こうとうしき

随伴行列ずいはんぎょうれつadjugate matrixは、余因子よいんしcofactor転置てんちしてならべた行列ぎょうれつmatrixである。ここでしめ恒等式こうとうしき

Aadj(A)=adj(A)A=(detA)I

である。

まず Aadj(A)(i,k) 成分せいぶん計算けいさんする。adj(A)(j,k) 成分せいぶんCkj なので、

(Aadj(A))ik=j=1naijCkj

である。i=k のとき、これはだい i ぎょうrowによる余因子展開よいんしてんかいcofactor expansionであり、detAひとしい。

ik のとき、だい k ぎょうrowだい i ぎょうrowえた行列ぎょうれつmatrixB とする。Bだい i ぎょうrowだい k ぎょうrowひとしいので、detB=0 である。一方いっぽうBだい k ぎょうrow展開てんかいすると、

detB=j=1naijCkj

である。したがって (Aadj(A))ik=0 である。

以上いじょうより、Aadj(A)対角成分たいかくせいぶんdetA非対角成分ひたいかくせいぶん0行列ぎょうれつmatrixである。すなわち

Aadj(A)=(detA)I

である。adj(A)A=(detA)I も、列展開れつてんかい使つかって同様どうよう証明しょうめいできる。

5.55. 逆行列逆行列ぎゃくぎょうれつ公式こうしき

detA0 とする。このとき、実数じっすうまたは複素数ふくそすうでは detAることができる。したがって前節ぜんせつ恒等式こうとうしきdetAると、

A(1detAadj(A))=I,(1detAadj(A))A=I

となる。よって

A-1=1detAadj(A)

である。

ぎゃくに、A可逆かぎゃくinvertibleなら、せき公式こうしきproduct formulaより

detA·det(A-1)=detI=1

である。したがって detA0 である。ゆえに

Aは可逆detA0

成立せいりつする。

6具体例ぐたいれい

A=(102310041)

だい 1 ぎょうrow展開てんかいする。だい 1 ぎょうrow成分せいぶん1,0,2 なので、0 のこうえる。

\begin{aligned} \det A &= 1\cdot(-1)^{1+1}\det\begin{pmatrix}1&0\\4&1\end{pmatrix} +0\cdot C_{12}\\ &\quad+ 2\cdot(-1)^{1+3}\det\begin{pmatrix}3&1\\0&4\end{pmatrix}\\ &= 1(1)+2(12)=25 \end{aligned}

したがって detA=250 であり、A可逆かぎゃくinvertibleである。さらに、逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix余因子よいんしから構成こうせいするなら、すべての Cij計算けいさんして adj(A)つくり、125ければよい。

7階数かいすうrank線型写像せんけいしゃぞうlinear mapとの関係かんけい

An×n 正方行列せいほうぎょうれつsquare matrixのとき、つぎ条件じょうけん同値どうちである。

Aは可逆detA0rank(A)=n列ベクトルが一次独立

行列式ぎょうれつしきdeterminantからの証明しょうめいうえ随伴行列ずいはんぎょうれつadjugate matrix公式こうしきあたえた。階数かいすうrankからの見方みかたでは、rank(A)=n列空間れつくうかんcolumn spaceKn 全体ぜんたいであることを意味いみし、対応たいおうする線型写像せんけいしゃぞうlinear map xAx情報じょうほううしなわないことを意味いみする。

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8見分みわかた

  • 0 がおおぎょうrowまたはれつcolumnがあるなら、余因子展開よいんしてんかいcofactor expansionえらぶとこうる。
  • 逆行列逆行列ぎゃくぎょうれつ理論的りろんてき構成こうせいしたいなら、随伴行列ずいはんぎょうれつadjugate matrix使つかう。
  • 数値計算すうちけいさんだけが目的もくてきなら、おおきい行列ぎょうれつmatrixでは余因子展開よいんしてんかいcofactor expansionより行基本変形ぎょうきほんへんけいelementary row operationのほうが効率的こうりつてきである。

9どこまで成立せいりつするか

この講義こうぎでは、成分せいぶん実数じっすうまたは複素数ふくそすうである正方行列せいほうぎょうれつsquare matrixあつかう。余因子展開よいんしてんかいcofactor expansion任意にんいn×n 正方行列せいほうぎょうれつsquare matrix適用てきようできるが、大規模だいきぼ行列ぎょうれつmatrixでは計算量けいさんりょう急増きゅうぞうする。

長方行列ちょうほうぎょうれつrectangular matrixには、この意味いみ行列式ぎょうれつしきdeterminant余因子展開よいんしてんかいcofactor expansion定義ていぎしない。長方行列ちょうほうぎょうれつでは階数かいすうrank片側逆かたがわぎゃくone-sided inverseもちいて情報じょうほうのこかた調しらべる。

10最終形さいしゅうけい

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]Cij=(-1)i+jdetA(i|j)
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]i行でdetA=j=1naijCij
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]j列でdetA=i=1naijCij
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]Aadj(A)=adj(A)A=(detA)I
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]detA0A-1=1detAadj(A)

11一言ひとことでいうと

  • 余因子展開よいんしてんかいcofactor expansionは、置換ちかんpermutationによる行列式ぎょうれつしきdeterminantを 1 ぎょうまたは 1 れつごとに分類ぶんるいした公式こうしきである。
  • 随伴行列ずいはんぎょうれつadjugate matrixは、行列式ぎょうれつしきdeterminantが 0 でないときに逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix構成こうせいする。

12演習えんしゅうリンク

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