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積分方程式の入口md 69433f5
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積分方程式せきぶんほうていしき入口いりぐち

mathanalysisundergraduatelecture

1導入どうにゅう

この講義こうぎ中心ちゅうしん発想はっそうは、積分方程式せきぶんほうていしきでは未知関数みちかんすう積分せきぶんなかはいっており、微分方程式びぶんほうていしき積分せきぶんしてえたかたちとしてあらわれることがおおということである。

微分方程式びぶんほうていしきれていると、「未知関数みちかんすう積分記号せきぶんきごうなかはいる」ときゅう見慣みなれないかたちえる。ここでは、積分方程式せきぶんほうていしき微分方程式びぶんほうていしき別表現べつひょうげんとして視点してんからはいる。

2用語ようご定義ていぎ

積分方程式せきぶんほうていしきIntegral equation とは、未知関数みちかんすう積分せきぶんなかあらわれる方程式ほうていしきである。a<bλR とし、gK既知きちy実数値じっすうち未知関数みちかんすうとする。

かくKernelとは、積分項せきぶんこうあらわれる既知関数きちかんすう K(x,t) であり、てん tあたいおもみをけててん xあつめる役割やくわりつ。

積分区間せきぶんくかん固定こていされた

g(x)=abK(x,t)y(t)dt,y(x)=g(x)+λabK(x,t)y(t)dt

をそれぞれ Fredholm だい 1 しゅFredholm equation of the first kindFredholm だい 2 しゅFredholm equation of the second kindという。だい 1 しゅ未知関数みちかんすう積分項せきぶんこうにだけあらわれる逆問題ぎゃくもんだいであり、だい 2 しゅy 自身じしんしきあらわれる。

上端じょうたんx までうご

y(x)=g(x)+λaxK(x,t)y(t)dt

Volterra だい 2 しゅVolterra equation of the second kindという。「それまでの履歴りれきす」という解釈かいしゃくは Volterra がた対応たいおうする。y積分せきぶんなか線型せんけいあらわれれば線形積分方程式せんけいせきぶんほうていしきF(t,y(t)) のように非線形ひせんけいあらわれれば非線形積分方程式ひせんけいせきぶんほうていしきである。

3方針ほうしん

まず、初期値問題しょきちもんだい微分方程式びぶんほうていしき積分せきぶんして積分方程式せきぶんほうていしきえる。そのあと、かく未知関数みちかんすうをどうかさわせるかをて、微分方程式びぶんほうていしきとの関係かんけい整理せいりする。

4直感的ちょっかんてき説明せつめい

微分方程式びぶんほうていしきが「そのてんでの変化率へんかりつ」をうのにたいして、Volterra 積分方程式せきぶんほうていしきは「それまでの寄与きよわせた結果けっか」をう。Fredholm 方程式ほうていしき固定区間全体こていくかんぜんたいからの寄与きよ同時どうじあつめる。

だから記憶きおく履歴りれき現象げんしょうでは、とくに Volterra 積分方程式せきぶんほうていしきかたち自然しぜんてくる。

5厳密げんみつ説明せつめい

5.11. 微分方程式びぶんほうていしきから積分方程式せきぶんほうていしき

Iaふく区間くかんとし、F:I×RR連続れんぞくとする。初期値問題しょきちもんだい

y(x)=F(x,y(x)),y(a)=y0

かんがえる。これを a から x まで積分せきぶんすると

axy(s)ds=axF(s,y(s))ds

である。微積分学びせきぶんがく基本定理きほんていりより

y(x)-y(a)=axF(s,y(s))ds

だから

y(x)=y0+axF(s,y(s))ds

る。これは一般いっぱんには非線形ひせんけいな Volterra だい 2 しゅである。

ぎゃくに、yC(I) がこの積分式せきぶんしきたすなら、F(s,y(s))連続れんぞくである。微分積分学びぶんせきぶんがく基本定理きほんていりにより右辺うへんC1 となり、微分びぶんすれば y=F(x,y)x=a代入だいにゅうすれば y(a)=y0る。したがって

\begin{aligned} &y\in C^1(I),\quad y'=F(x,y),\quad y(a)=y_0\\ &\qquad\Longleftrightarrow\qquad y\in C(I),\quad y(x)=y_0+\int_a^xF(s,y(s))\,ds \end{aligned}

である。この同値変形どうちへんけいと、かい存在そんざいすること・一意いちいであることは別問題べつもんだいである。たとえば F未知変数みちへんすうについて局所的きょくしょてきに Lipschitz 連続れんぞくなら、十分短じゅうぶんみじか区間くかんで Picard 反復はんぷく縮小写像しゅくしょううつしとしてあつかい、局所解きょくしょかい存在そんざい一意性いちいせいられる。連続性れんぞくせいだけでは一意性いちいせい保証ほしょうされない。

5.22. 線形せんけい積分方程式せきぶんほうていしき

X=C([a,b])連続関数れんぞくかんすう空間くうかんとし、

y:=maxa[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]x[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]b|y(x)|

く。gXKC([a,b]2) とし、

K:=max(x,t)[a,b]2|K(x,t)|

定義ていぎする。また

T:XX,(Ty)(x):=abK(x,t)y(t)dt

定義ていぎする。T積分作用素せきぶんさようそであり、線型性せんけいせい積分せきぶん線型性せんけいせいからしたがう。また

|(Ty)(x)|[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]ab|K(x,t)||y(t)|dt[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")](b-a)Ky

なので、作用素さようそノルム

T:=supy[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]1Ty

T[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")](b-a)K

である。I:XXIy=y定義ていぎされる恒等作用素こうとうさようそとすると、Fredholm だい 2 しゅ

(I-λT)y=g

という線型作用素方程式せんけいさようそほうていしきである。

5.33. ちいさい作用素さようそなら一意いちいける

q:=|λ|T<1 とする。Φ(y)=g+λTyけば

Φ(y)-Φ(z)[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]qy-z

なので Φ縮小写像しゅくしょううつしである。y0=gyn+1=Φ(yn)反復はんぷくすると

yn+1-yn[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]qny1-y0

である。m>n なら三角不等式さんかくふとうしき等比級数とうひきゅうすうより

ym-yn[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]qn1-qy1-y00

なので yn一様Cauchy列いちようコーシーれつになる。C([a,b]) では一様Cauchy列いちようコーシーれつ極限きょくげん連続れんぞくなので、極限きょくげん yXつ。極限きょくげん反復式はんぷくしきれれば y=Φ(y) である。2 つのかい y,z があれば

y-z[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]qy-z

より y=z なので一意いちいである。

反復はんぷく展開てんかいすると Neumann 級数きゅうすうNeumann series

y=n=0(λT)ng

る。|λ|T<1存在そんざい一意性いちいせい十分条件じゅうぶんじょうけんであり、必要条件ひつようじょうけんではない。

5.44. Volterra 方程式ほうていしき反復はんぷく

y(x)=y(x),y(0)=1

なら

y(x)=1+0xy(s)ds

ける。y0(x)=1 から

yn+1(x)=1+0xyn(s)ds

反復はんぷくすると

yn(x)=1+x+x22!++xnn!

帰納的きのうてきる。このれつ有界区間ゆうかいくかん一様いちよう

y(x)=k=0xkk!=ex

収束しゅうそくする。したがって積分形せきぶんけいたんなる書換かきかえではなく、逐次近似ちくじきんじによる解法かいほうにもなる。

5.55. ちいささの条件じょうけんはずすとなにこるか

[a,b]=[0,1]K(x,t)=1 とすると

(Ty)(x)=01y(t)dt

定数関数ていすうかんすうかえす。y1Ty=yたすので、1 は T固有値こゆうちである。λ=1,g=0 なら (I-T)y=0任意にんい定数関数ていすうかんすうかいち、一意いちいでない。

一方いっぽうλ=1,g1y=1+Ty とすると、両辺りょうへんを 0 から 1 まで積分せきぶんして c=01y(t)dtけば c=1+c となり矛盾むじゅんするので、かいはない。

一般いっぱんλ0 のとき、斉次方程式せいじほうていしき (I-λT)y=0非零解ひれいかいつことは

Ty=1λy

同値どうちである。つまり λ ではなく 1/λT固有値こゆうちとなる場合ばあい一意性いちいせいうしなわれる。

6見分みわかた

  • 未知関数みちかんすう積分記号せきぶんきごうなかはいっていたら、積分方程式せきぶんほうていしきである。
  • 上端じょうたんx なら Volterra がた固定こていされた b なら Fredholm がたうたがう。
  • 未知関数みちかんすう積分項せきぶんこうだけにあればだい 1 しゅy=g+λTy ならだい 2 しゅである。
  • 初期値問題しょきちもんだい積分せきぶんしたかたちあらわれたら、仮定かてい確認かくにんして微分方程式びぶんほうていしきとの対応たいおうかんがえる。
  • かく K(x,t)たら、「どのてんからどのてん影響えいきょうつたわるか」をあらわしているとむ。

7どこまで成立せいりつするか

ここでは C([a,b])連続核れんぞくかく範囲はんい限定げんていした。Fredholm だい 2 しゅ|λ|T<1 は Neumann 級数きゅうすう収束しゅうそくする十分条件じゅうぶんじょうけんであり、この条件じょうけんはずしてもかい存在そんざいする場合ばあいはある。だい 1 しゅ安定性あんていせい、コンパクト作用素さようそたいする Fredholm の交代定理こうたいていり正則化せいそくか数値解法すうちかいほうにはさらに解析学かいせきがく道具どうぐ必要ひつようである。

8最終形さいしゅうけい

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]y=F(x,y),y(a)=y0y(x)=y0+axF(s,y(s))ds
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")](I-λT)y=g,(Ty)(x)=abK(x,t)y(t)dt

この同値どうちF連続性れんぞくせいと、左辺さへんでは yC1右辺うへんでは yC という条件じょうけんもともちいる。また gC([a,b])KC([a,b]2) かつ |λ|T<1 ならだい 2 しゅ Fredholm 方程式ほうていしき一意解いちいかい y=n[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]0(λT)ngつ。

9一言ひとことでいうと

  • 積分方程式せきぶんほうていしきは、未知関数みちかんすう積分せきぶんかさわせてめる方程式ほうていしきである。

10関連かんれんリンク

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