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二次形式と正定値行列md d21fd18
lecture/math/linear-algebra/二次形式と正定値行列-講義.n.md
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二次形式にじけいしきquadratic form正定値行列せいていちぎょうれつpositive definite matrix

date2026-05-25description二次形式を対称行列が定める量として導入し、直交対角化によって正定値性と固有値の関係を整理する講義である。prerequisites対称行列と直交対角化 / 行列式 / 固有値と固有ベクトルtype講義statusactiverelateddata/lecture/math/linear-algebra/線型代数ポータル-講義.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/対称行列と直交対角化-講義.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/複素内積とユニタリ行列-講義.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/行列式-講義.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/固有値と固有ベクトル-講義.n.md / data/exercise/math/linear-algebra/固有値・対角化・発展-基本演習.n.md
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導入どうにゅう

この講義こうぎ重要じゅうようなのは、二次形式にじけいしきquadratic form行列ぎょうれつmatrixによってさだまる二次式にじしきであり、対称行列たいしょうぎょうれつsymmetric matrix固有値こゆうちeigenvalueつうじて符号ふごう判定はんていできるということである。

固有値こゆうちeigenvalueは、対角化たいかくかdiagonalization計算けいさんだけのために存在そんざいする概念がいねんではない。二次形式にじけいしきquadratic form観察かんさつすると、固有値こゆうちeigenvalue曲面きょくめんびや凸性とつせい支配しはいするりょうとして確認かくにんできる。

用語ようご定義ていぎ

二次形式にじけいしきQuadratic form とは、実正方行列じつせいほうぎょうれつ A によって

q(x)=xTAx

定義ていぎされる関数かんすうである。ここで xRn である。

エルミート形式けいしきHermitian form とは、複素ふくそcomplex場合ばあい

q(x)=x*Ax

りょうである。ここでは Aエルミート行列ぎょうれつHermitian matrixとする。この条件じょうけんにより、x*Ax実数じっすうreal numberとして符号ふごう判定はんていできる。

正定値行列せいていちぎょうれつPositive definite matrix とは、実対称行列じつたいしょうぎょうれつ A任意にんいx0 について

xTAx>0

たすことである。非負定値ひふていちxTAx[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]0負定値ふていちxTAx<0不定ふていせいにもにもなる場合ばあいである。

方針ほうしん

方針ほうしんは、二次形式にじけいしきquadratic form直交対角化ちょっこうたいかくか標準形ひょうじゅんけい変換へんかんすることである。対称行列たいしょうぎょうれつsymmetric matrix A について

A=QDQT

直交対角化ちょっこうたいかくかし、y=QTx置換ちかんすると

xTAx=yTDy=λ1y12++λnyn2

となる。したがって符号ふごう固有値こゆうちeigenvalue符号ふごう還元かんげんされる。

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直感的ちょっかんてき説明せつめい

二次形式にじけいしきquadratic formは、方向ほうこうごとにあたい増加ぞうか仕方しかた測定そくていする装置そうちである。正定値せいていちpositive definiteであれば、原点げんてんからどの方向ほうこう移動いどうしてもあたいせいになる。これは原点げんてんたにそこのように振舞ふるまうことに対応たいおうする。

不定ふていであれば、方向ほうこうによってあたいせいにもにもなる。鞍点あんてんのような形状けいじょう発生はっせいする。

厳密げんみつ説明せつめい

1. 反対称成分はんたいしょうせいぶん二次形式にじけいしきquadratic form寄与きよしない

任意にんい実正方行列じつせいほうぎょうれつ A について

A=A+AT2+A-AT2

分解ぶんかいできる。S=(A+AT)/2対称行列たいしょうぎょうれつsymmetric matrixK=(A-AT)/2反対称行列はんたいしょうぎょうれつである。反対称行列はんたいしょうぎょうれつについては

xTKx=0

であるため、

xTAx=xTSx

である。したがって二次形式にじけいしきquadratic formでは対称部分たいしょうぶぶんだけを考察こうさつすれば十分じゅうぶんである。

2. 正定値性せいていちせい固有値こゆうちeigenvalue

A実対称行列じつたいしょうぎょうれつとする。このときつぎ同値どうちequivalentである。

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]Aは正定値λi>0(i=1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],n)

理由りゆう直交対角化ちょっこうたいかくかである。A=QDQTy=QTx とすると

xTAx=λ1y12++λnyn2

である。すべての λiせいなら、x0 すなわち y0たいして xTAx>0 である。ぎゃくに、ある λi<0 なら、その固有方向こゆうほうこうあたいになる。

境界きょうかいとして、ある λi=0場合ばあい確認かくにんしておく。このとき、その固有値こゆうちeigenvalue対応たいおうする単位たんい固有こゆうベクトルeigenvectorqi とすれば、qi0 であるにもかかわらず

qiTAqi=0

となる。したがって A正定値せいていちpositive definiteではない。つまり「λi[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]0」では正定値せいていちpositive definiteには不足ふそくであり、すべての固有値こゆうちeigenvalueせいであること、すなわち λi>0必要ひつようである。

3. シルベスター判定法はんていほう

実対称行列じつたいしょうぎょうれつ A について、左上ひだりうえからの主小行列式しゅしょうぎょうれつしきがすべてせいであることは、A正定値せいていちpositive definiteであることと同値どうちequivalentである。

detA1>0,detA2>0,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],detAn>0

この判定法はんていほう計算上けいさんじょう有用ゆうようである。ただし、本質ほんしつ固有値こゆうちeigenvalue符号ふごうによる判定はんていである。

4. シルベスターの慣性法則かんせいほうそく

実対称行列じつたいしょうぎょうれつ Aたいして、可逆かぎゃくinvertible変数変換へんすうへんかん x=Pyおこなうと

xTAx=yT(PTAP)y

となる。このような変換へんかん合同変換ごうどうへんかんという。対角化たいかくかdiagonalizationによって二次形式にじけいしきquadratic form

y12++yp2-yp+12--yp+q2

のようなかたち整理せいりしても、せい平方項へいほうこう個数こすう p平方項へいほうこう個数こすう q、0 の個数こすう変化へんかしない。これをシルベスターの慣性法則かんせいほうそくという。この不変量ふへんりょうにより、二次形式にじけいしきquadratic form符号構造ふごうこうぞう座標選択ざひょうせんたく依存いぞんしない。

具体例ぐたいていれい

A=(2112)

とする。二次形式にじけいしきquadratic form

xTAx=2x12+2x1x2+2x22

である。この行列ぎょうれつmatrix固有値こゆうちeigenvalue3,1 であり、どちらもせいである。したがって A正定値せいていちpositive definiteである。

直交対角化ちょっこうたいかくかした座標ざひょうでは

xTAx=3y12+y22

となる。交差項こうさこう 2x1x2 は、主軸しゅじく沿った座標ざひょう変換へんかんすると消去しょうきょされる。

ヘッセ行列ぎょうれつmatrixによる極値判定きょくちはんてい

二次形式にじけいしきquadratic formは、多変数関数たへんすうかんすう二階微分にかいびぶんとも関係かんけいする。てん a停留点ていりゅうてん、すなわち f(a)=0たすとき、ヘッセ行列ぎょうれつmatrix Hf(a)正定値せいていちpositive definiteなら a狭義局所最小点きょうぎきょくしょさいしょうてんである。負定値ふていちなら狭義局所最大点きょうぎきょくしょさいだいてんであり、不定ふていなら鞍点あんてんになる。停留点ていりゅうてんであることを仮定かていしない場合ばあい、ヘッセ行列ぎょうれつmatrix正定値性せいていちせいだけでは局所極値きょくしょきょくち結論けつろんできない。

判定基準はんていきじゅん

  • 二次形式にじけいしきquadratic formでは、対称部分たいしょうぶぶんだけが寄与きよする。
  • 実対称行列じつたいしょうぎょうれつ正定値性せいていちせいは、すべての固有値こゆうちeigenvalueせいであることと同値どうちequivalentである。
  • 非負定値ひふていちは、すべての固有値こゆうちeigenvalueが 0 以上いじょうであることと同値どうちequivalentである。
  • 不定ふていは、せい固有値こゆうちeigenvalue固有値こゆうちeigenvalue混在こんざいする状態じょうたいである。
  • 停留点ていりゅうてんでは、ヘッセ行列ぎょうれつmatrix正定値性せいていちせい狭義局所最小きょうぎきょくしょさいしょう十分条件じゅうぶんじょうけんになる。

どこまでつか

固有値こゆうちeigenvalue正定値性せいていちせい判定はんていする議論ぎろんは、対称行列たいしょうぎょうれつsymmetric matrixまたはエルミート行列ぎょうれつmatrix基本対象きほんたいしょうにする。一般いっぱん非対称行列ひたいしょうぎょうれつでは、二次形式にじけいしきquadratic form寄与きよするのは対称部分たいしょうぶぶんである。

複素ふくそcomplexでは xTAx ではなく x*Ax使つかう。エルミート行列ぎょうれつHermitian matrixでない Aたいしては、x*Ax一般いっぱん複素数ふくそすうcomplex numberになり、せいという判定はんていがそのままでは意味いみたない。

最終形さいしゅうけい

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]q(x)=xTAx
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]xTAx=yTDy=iλiyi2
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]A>0λi>0foralli
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]A>0detAk>0(k=1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],n)
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]合同変換では慣性指数が保存される

一言ひとことでいうと

  • 二次形式にじけいしきquadratic formは、対称行列たいしょうぎょうれつsymmetric matrix固有値こゆうちeigenvalueによって符号ふごう形状けいじょう判定はんていできる二次式にじしきである。

演習えんしゅうリンク

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