円運動と単振動
physicsmechanicshighschoollecture
導入
この講義の核心は、速さが一定でも速度ベクトルの向きが変われば加速度が生じること、そして単振動は円運動の 1 方向への射影として統一的に理解できることである。円運動と単振動は教科書では別単元に見えやすいが、本質は同じである。円運動では「中心へ曲げ続ける」、単振動では「原点へ戻そうとする」。どちらも変位と加速度の関係を正しく読めば整理できる。
このページで解けるようになること
- 向心加速度 a_n\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}]=\dfrac{v^2}{r}\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}]=r\omega^2\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] を導出する
- 等速円運動と非等速円運動を区別する
- 単振動を射影・復元力・微分方程式の 3 視点で読む
- 振幅、角周波数、周期、位相の意味を整理する
方針
円運動では、まず位置・速度・加速度の向きを図で固定する。つぎに速度ベクトルの変化から向心加速度を導く。単振動では、円の射影から x=A\cos(\omega t+\phi) を出し、さらに a=-\omega^2x と復元力の視点で同じ内容を確認する。
適用条件
- 向心加速度 a_n=\dfrac{v^2}{r} は円運動、または曲率半径 r をもつ曲線運動の法線成分として成り立つ
- a_t=r\alpha は接線方向の成分であり、全加速度そのものではない
- 単振動の式 a=-\omega^2x は復元力が変位に比例する範囲で使う
data/lecture/physics/mechanics/回転運動の基本-講義.n.md
用語と定義
等速円運動
等速円運動 とは、速さ一定で円を回る運動である。速さは一定だが速度(ベクトル)は常に変化しているため、加速度が存在する。
向心加速度
向心加速度 は
a = \frac{v^2}{r} = r\omega^2
で表され、常に円の中心を向く。「向心」という命名は、「中心へ向かう」という意味である。速度ベクトルの向きが変化するとき、その変化量は速度に垂直な中心方向を向くため、この命名は導出の結論でもある。ここで重要なのは、向心加速度は加速度であり、向心力はその加速度を生じさせる合力だという区別である。
向心力と遠心力の区別:
| 向心力 | 遠心力 |
| 正体 | 実在する力(張力・重力等) | 慣性系では存在しない(擬似力) |
| 方向 | 中心方向(内向き) | 中心から外向き |
| 使用する系 | 慣性系 | 回転系(非慣性系) |
混同すると誤ること:慣性系で遠心力を実在の力として運動方程式に加えると、中心向きの合力と外向きの擬似力を同時に数える二重計算になる。
単振動
単振動 とは、a\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] = -\omega^2x\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] を満たす運動、すなわち加速度が変位に比例してその逆方向に向く運動である。なぜ「単」か:英語 simple の訳であり、複合振動(多数の周期の重ね合せ)に対する「最も単純な」振動という意味である。フーリエ解析では任意の周期関数が単振動の重ね合せで表せるという意味でも「単純」は正確な表現である。等速円運動と単振動の関係:等速円運動の 1 方向への射影が単振動である。円の回転と直線の振動は数学的に同値である。ただし、ばねや振子が実際に円を回っているという意味ではなく、時間変化を表す式が同じ形になるという意味である。
振幅・角周波数・周期
| 量 | 記号 | 定義 | 単位 |
| 振幅 | A | 変位の最大値 | [\mathrm{m}] |
| 角周波数(角速度) | \omega | 2\pi 秒間あたりの位相変化 | [\mathrm{rad/s}] |
| 周期 | T | 1 往復にかかる時間 | [\mathrm{s}] |
| 振動数 | f | 1 秒間の往復回数 | [\mathrm{Hz}] |
関係式:T = \dfrac{2\pi}{\omega} = \dfrac{1}{f}
ここで rad は無次元として扱うが、角度を含む量であることを見失わないために、\omega\ [\mathrm{rad/s};\ \mathsf{T^{-1}}] のように rad を残して書く。単位計算では [\mathrm{rad}] を [1] と見て、r\omega\ [\mathrm{m/s};\ \mathsf{LT^{-1}}] や r\omega^2\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] に接続する。
等速円運動と非等速円運動
| 等速円運動 | 非等速円運動 |
| 速さ | 一定 | 変化する |
| 接線加速度 | 0\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] | a_t=r\alpha\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] |
| 向心加速度 | あり | あり |
| 確認すべき式 | a_n=\dfrac{v^2}{r} | a_n=\dfrac{v^2}{r} と a_t=r\alpha の両方 |
直感的な説明
糸の先の物体を回すには、常に中心へ向かう力が必要である。その力がなくなれば物体はその瞬間の接線方向へ飛び出す。したがって円運動は、接線方向へ進もうとする運動を中心向きの加速度で曲げ続ける運動である。単振動は、その円運動を 1 本の直線へ映した影である。端では止まって戻ろうとし、中心では最も速く通り抜ける。この振舞いは、ばねの運動や小さい振れの振子にも共通する。
厳密な説明
1. 向心加速度の導出
半径 r\ [\mathrm{m};\ \mathsf{L}]、速さ v\ [\mathrm{m/s};\ \mathsf{LT^{-1}}] の等速円運動を考察する。短い時間 \Delta t\ [\mathrm{s};\ \mathsf{T}] の間に速度ベクトルが角度 \Delta\theta\ [\mathrm{rad};\ \mathsf{1}] だけ回転すると、速さの大きさは一定なので
|Deltavec{v}| approx vDeltatheta
\Delta\theta = \omega\Delta t = \dfrac{v}{r}\Delta t を代入すると
|Deltavec{v}| approx frac{v^2}{r}Delta t
したがって
a = \lim_{\Delta t \to 0}\frac{|\Delta\vec{v}|}{\Delta t} = \frac{v^2}{r}
v\ [\mathrm{m/s};\ \mathsf{LT^{-1}}] = r\omega\ [\mathrm{m/s};\ \mathsf{LT^{-1}}] を使用すれば a\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] = r\omega^2\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] も得られる。この加速度の向きは速度ベクトルの変化の向きに等しく、常に円の中心を向く。
2. 射影による単振動の導出(幾何的ルート)
半径 A\ [\mathrm{m};\ \mathsf{L}]、角速度 \omega\ [\mathrm{rad/s};\ \mathsf{T^{-1}}] の等速円運動で、角度を \theta\ [\mathrm{rad};\ \mathsf{1}] = \omega t + \phi とする。x 軸への射影は
x = A\cos(\omega t + \phi)
微分すると
v = \frac{dx}{dt} = -A\omega\sin(\omega t + \phi)
a = \frac{d^2 x}{dt^2} = -A\omega^2\cos(\omega t + \phi) = -\omega^2 x
すなわち円運動の 1 方向への射影は、自然に a = -\omega^2 x という単振動の式を与える。このルートを選ぶ場面:位置・速度の時間変化(x(t), v(t))を明示的に書く必要があるとき。
3. 微分方程式による視点(数学的ルート)
単振動の本体は 2 階線形微分方程式
\frac{d^2 x}{dt^2} + \omega^2 x = 0
である。特性方程式 \lambda^2 + \omega^2 = 0、\lambda = \pm i\omega より一般解は
x = C_1 \cos\omega t + C_2 \sin\omega t = A\cos(\omega t + \phi)
射影による結論と一致する。このルートを選ぶ場面:初期条件(x(0), v(0))から定数を決定するとき。
data/lecture/math/differential-equations/二階線型定数係数微分方程式の基本-講義.n.md
初期条件から位相を決める
単振動の一般形を
x=A\cos(\omega t+\phi)
と書くと、速度は
v=-A\omega\sin(\omega t+\phi)
である。t=0 での位置と速度を x_0、v_0 とすると
x_0=A\cos\phi,\qquad v_0=-A\omega\sin\phi
となる。振幅は
A=\sqrt{x_0^2+\left(\frac{v_0}{\omega}\right)^2}
で決まり、\phi は x_0 と v_0 の符号を同時に満たすように選ぶ。位置だけで位相を決めると、速度の向きを間違えやすい。
4. 力学的ルート(復元力から出発)
ばね定数 k のばねに質量 m の物体が接続されているとき、復元力 F = -kx を運動方程式に代入すると
m\ddot{x} = -kx \implies \ddot{x} = -\frac{k}{m}x
\omega^2 = \dfrac{k}{m} とおけば \ddot{x} = -\omega^2 x。周期は
T = \frac{2\pi}{\omega} = 2\pi\sqrt{\frac{m}{k}}
適用条件:フックの法則(弾性限界の範囲内)が成立すること。このルートを選ぶ場面:周期 T や \omega を求めるとき。運動方程式から直接 \omega^2 = k/m を読み取れる。
5. エネルギーによる視点
ばねの単振動では U = \tfrac{1}{2}kx^2、K = \tfrac{1}{2}mv^2 なので力学的エネルギーは一定に保たれる:
\frac{1}{2}mv^2 + \frac{1}{2}kx^2 = \frac{1}{2}kA^2 = \text{const}
x\ [\mathrm{m};\ \mathsf{L}] = 0\ [\mathrm{m};\ \mathsf{L}] で v\ [\mathrm{m/s};\ \mathsf{LT^{-1}}] は最大(v_{\max}=A\omega\ [\mathrm{m/s};\ \mathsf{LT^{-1}}])、x\ [\mathrm{m};\ \mathsf{L}] = \pm A\ [\mathrm{m};\ \mathsf{L}] で v = 0\ [\mathrm{m/s};\ \mathsf{LT^{-1}}]。このルートを選ぶ場面:特定の位置での速度を求めるとき。時間を使用せず始点・終点の状態だけで計算できる。
6. 具体例 1: 等速円運動の張力
長さ r の糸に質量 m の物体をつけて水平円運動させるとする。速さが v なら、中心向きの合力は
F_n=m\frac{v^2}{r}
である。ここで向心力は新しい種類の力ではなく、張力や重力の合力の中心向き成分である。
7. 具体例 2: 単振子の近似
糸の長さ l の単振子を考察する。角度 \theta が小さいとき \sin\theta \approx \theta より、接線方向の運動方程式は
ml\ddot{\theta} = -mg\sin\theta \approx -mg\theta
\ddot{\theta} = -\frac{g}{l}\theta
\omega^2 = g/l、T = 2\pi\sqrt{l/g}。適用条件:\theta が十分小さいこと(\theta \lesssim 10°程度が目安)。
見分け方
- 円を回る・曲がる・糸で引かれる → 向心加速度 a_n = v^2/r = r\omega^2 を立式する
- 戻す力が変位に比例して逆向き → 単振動。\omega^2 を読み取って T = 2\pi/\omega
- 時刻ごとの式が必要 → ルート 2 または 3(x = A\cos(\omega t + \phi))
- 特定位置での速度だけが必要 → ルート 5(エネルギー保存)
- \omega や T を求めるだけ → ルート 4(力学的ルート、最速)
追加例: 鉛直円運動の最高点
糸につながれた小球が鉛直面で円運動するとき、最高点では中心が下向きにある。最高点で中心向きに働く力は、重力 mg と張力 T である。
mg+T=\frac{mv^2}{R}
糸がたるまない最小条件は T=0 であるから
mg=\frac{mv^2}{R}
より
\boxed{v_{\min}=\sqrt{gR}}
を得る。ここで重要なのは、最高点で力がつり合っているのではなく、合力が向心加速度を作っているという点である。
追加例: 小さい振れの振子
長さ \ell の振子で、鉛直からの角度を \theta とする。接線方向の運動方程式は
m\ell\ddot{\theta}=-mg\sin\theta
である。振幅が小さいときは
\sin\theta\approx\theta
と近似できるので
\ddot{\theta}+\frac{g}{\ell}\theta=0
となる。したがって角周波数と周期は
\omega=\sqrt{\frac{g}{\ell}},\qquad T=2\pi\sqrt{\frac{\ell}{g}}
である。振子は常に単振動なのではなく、小振幅近似が成り立つ範囲で単振動として扱える。
どこまで成り立つか
向心加速度 a = v^2/r = r\omega^2 は半径が一定で円を回る場合の式である。速さまで変化するならば接線方向の加速度を別途考察する。単振動の式 a = -\omega^2 x は復元力が変位に比例する範囲で成立する。振子では小振幅近似(\sin\theta \approx \theta)が必要であり、振幅が大きくなると近似が崩れて周期が変化する。
よくある誤り
- 向心加速度を接線方向に描く
- 向心力を独立した新しい力だと思い込む
- a_t=r\alpha を全加速度と混同する
- 単振動で a=-\omega^2x の負号を落とす
最終形
等速円運動では、加速度は中心方向を向く。
\boxed{a_n = \frac{v^2}{r} = r\omega^2}
単振動の運動方程式:
\boxed{\ddot{x} + \omega^2 x = 0 \implies x = A\cos(\omega t + \phi)}
周期(ばね):
\boxed{T = 2\pi\sqrt{\frac{m}{k}}}
一言でいうと
円運動は「向きを曲げ続ける運動」であり、単振動はその影・微分方程式の解・復元力の結果・エネルギー交換の四つの視点から統一的に理解できる。
半径方向と接線方向を分ける
円運動では、加速度を半径方向と接線方向に分ける。半径方向の加速度は速度の向きを変える成分であり、接線方向の加速度は速さを変える成分である。
a_r = \frac{v^2}{r} = r\omega^2
ここで、a_r\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] は半径方向の加速度、v\ [\mathrm{m/s};\ \mathsf{LT^{-1}}] は速さ、r\ [\mathrm{m};\ \mathsf{L}] は半径、\omega\ [\mathrm{rad/s};\ \mathsf{T^{-1}}] は角速度である。
a_t = \frac{dv}{dt} = r\alpha
ここで、a_t\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] は接線方向の加速度、\alpha\ [\mathrm{rad/s^2};\ \mathsf{T^{-2}}] は角加速度である。等速円運動では a_t=0\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] であり、加速度がないのではなく、速さを変える成分がないだけである。
単振動で復元力を見抜く
単振動を判定するときは、力の式を変位で書き、平衡位置からのずれに比例して反対向きの力が出るかを見る。つまり
F=-kx
または
a = -\omega^2x
の形に直せれば単振動である。比例定数を読めば角振動数が決まり、周期が決まる。
注意すべきなのは、座標の原点を自然長ではなく平衡位置に置くことが多い点である。重力がある鉛直ばねでも、平衡位置から測れば重力の定数項が消え、単振動の形が現れる。
文字式の単位
円運動では、半径 r\ [\mathrm{m};\ \mathsf{L}]、速さ v\ [\mathrm{m/s};\ \mathsf{LT^{-1}}]、角速度 \omega\ [\mathrm{rad/s};\ \mathsf{T^{-1}}]、周期 T\ [\mathrm{s};\ \mathsf{T}] を使う。v=r\omega\ [\mathrm{m/s};\ \mathsf{LT^{-1}}] では、r\ [\mathrm{m};\ \mathsf{L}] と \omega\ [\mathrm{rad/s};\ \mathsf{T^{-1}}] から v\ [\mathrm{m/s};\ \mathsf{LT^{-1}}] が出る。rad は無次元として扱う。
向心加速度 a_r\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] は v^2/r\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] または r\omega^2\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] である。向心力 F_r\ [\mathrm{N};\ \mathsf{MLT^{-2}}] は ma_r\ [\mathrm{N};\ \mathsf{MLT^{-2}}] であり、m\ [\mathrm{kg};\ \mathsf{M}] と a_r\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] の積として現れる。
単振動では、変位 x\ [\mathrm{m};\ \mathsf{L}]、角振動数 \omega\ [\mathrm{rad/s};\ \mathsf{T^{-1}}]、加速度 a\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] を使う。a=-\omega^2x\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] では、\omega^2\ [\mathrm{1/s^2};\ \mathsf{T^{-2}}] と x\ [\mathrm{m};\ \mathsf{L}] から a\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] が出る。
周期と角速度の検算
円運動では、1 周で角度が 2\pi\ [\mathrm{rad};\ \mathsf{1}] だけ進む。したがって角速度 \omega\ [\mathrm{rad/s};\ \mathsf{T^{-1}}] と周期 T\ [\mathrm{s};\ \mathsf{T}] には
\omega T=2\pi
の関係がある。計算した T\ [\mathrm{s};\ \mathsf{T}] が大きくなれば、\omega\ [\mathrm{rad/s};\ \mathsf{T^{-1}}] は小さくなるはずである。速く回るほど周期が短くなる、という直感に反する答えは見直す。
単振動の振幅と周期
理想的な単振動では、周期 T\ [\mathrm{s};\ \mathsf{T}] は振幅 A\ [\mathrm{m};\ \mathsf{L}] に依存しない。振幅が大きくなると動く距離は長くなるが、復元力も大きくなり、速さも大きくなるためである。
ただし、これは復元力が変位に比例する範囲での性質である。振れ角が大きい振子や、ばねが線形でなくなる場合には、周期が振幅に依存することがある。近似の条件を常に確認する。
主要文字式の単位確認
円運動では、半径 r\ [\mathrm{m};\ \mathsf{L}]、速さ v\ [\mathrm{m/s};\ \mathsf{LT^{-1}}]、角速度 \omega\ [\mathrm{rad/s};\ \mathsf{T^{-1}}]、周期 T\ [\mathrm{s};\ \mathsf{T}] を使う。rad を無次元として扱えば、r\omega\ [\mathrm{m/s};\ \mathsf{LT^{-1}}] は速さの単位になる。
向心加速度 a_r\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] は、v^2/r\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] または r\omega^2\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] と読める。単振動では、変位 x\ [\mathrm{m};\ \mathsf{L}]、角振動数 \omega\ [\mathrm{rad/s};\ \mathsf{T^{-1}}]、加速度 a\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] を使い、\omega^2x\ [\mathrm{m/s^2};\ \mathsf{LT^{-2}}] が加速度の単位になる。
数式内での単位明示
円運動では
v = r\omega
である。向心加速度と単振動の加速度も、単位を式の中に含めて確認する。
a_r = \frac{v^2}{r}, \qquad a = -\omega^2x
向心力を力の名前と混同しない
向心力は、円の中心へ向く合力の役割を表す言葉である。重力、張力、垂直抗力、摩擦力のような具体的な力とは別の新しい力ではない。
円運動の問題では、まず実際に働く力を自由体図に描く。そのうえで、半径方向の合力が mv^2/r\ [\mathrm{N};\ \mathsf{MLT^{-2}}] になるように式を立てる。ここで、m\ [\mathrm{kg};\ \mathsf{M}]、v\ [\mathrm{m/s};\ \mathsf{LT^{-1}}]、r\ [\mathrm{m};\ \mathsf{L}] である。
向心力という矢印を自由体図へ追加すると、実際の力と合力を二重に数える誤りが起こる。向心力は「結果として中心向きに必要な合力」と読む。