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粒子箱モデルmd eb8cac4
lecture/chemistry/theoretical/quantum-chemistry/粒子箱モデル-講義.n.md
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粒子箱りゅうしばこモデルparticle in a box model

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なぜこのモデルをるのか

この講義こうぎ中心的ちゅうしんてきいは、なぜ境界条件きょうかいじょうけんboundary condition波動関数はどうかんすうwave functionえらび、エネルギーenergyびにするのかである。

粒子箱りゅうしばこモデルparticle in a box modelは、実在分子じつざいぶんし精密せいみつ再現さいげんする模型もけいではない。価値かちは、量子化学りょうしかがく基礎構造きそこうぞう最小限さいしょうげんしき確認かくにんできるてんにある。ここでは、ハミルトニアンHamiltonian固有値問題こゆうちもんだいeigenvalue problem境界条件きょうかいじょうけんboundary condition規格化きかくかnormalization量子化りょうしかquantizationいちつの計算けいさんなかにすべてあらわれる。

このモデルでがくぶべきことは、公式こうしき暗記あんきではない。微分方程式びぶんほうていしき候補こうほとなるなみえ、境界条件きょうかいじょうけん候補こうほけずり、のこったなみだけがエネルギー固有値こゆうちenergy eigenvalueつ、という論理ろんりである。

data/lecture/chemistry/theoretical/quantum-chemistry/シュレーディンガー方程式の基本-講義.n.md

直感的ちょっかんてき説明せつめい

両端りょうたん固定こていしたげんかんがえる。げんにはいろいろななみえがけそうだが、両端りょうたん固定こていされているなら、はじ変位へんいれいになるなみだけがゆるされる。げんながさにわないなみは、はじ条件じょうけんたせない。

粒子箱りゅうしばこモデルparticle in a box modelでもどう構造こうぞうあらわれる。粒子りゅうしちいさなたまとしてはこれるのではなく、波動関数はどうかんすうwave functionという状態じょうたいstate表現ひょうげんはこれる。はこそとられないという仮定かていは、はじ波動関数はどうかんすうwave functionれいになる条件じょうけんとしてあらわれる。

はじれいになるなみだけがのこるため、波長はちょう連続的れんぞくてきにはえらべない。波長はちょうびになれば、運動うんどうエネルギーもびになる。この直感ちょっかんが、以下いか計算けいさん厳密げんみつしきへんわる。

data/lecture/math/trigonometry/三角関数-講義.n.md

設定せってい仮定かてい

一次元いちじげん区間くかん粒子りゅうしこみめる。はこながさをつぎせいりょうとする。

L[m;L],L>0

粒子りゅうし位置いちつぎ範囲はんいにある。

0<x<L

粒子りゅうし質量しつりょうつぎとする。

m[kg;M],m>0

はこ内側うちがわではポテンシャルエネルギーpotential energyれいとする。

V(x)=0for0<x<L

はこ外側そとがわでは粒子りゅうし存在そんざいできないと仮定かていする。この「無限むげんたかかべ」という仮定かていにより、はじ波動関数はどうかんすうwave functionれいになる。

ψ(0)=0,ψ(L)=0

この仮定かていつよい。実在分子じつざいぶんしでは電子でんし完全かんぜんそとられないとはげんらない。しかし、境界条件きょうかいじょうけんboundary condition量子化りょうしかquantization仕組しくみみを確認かくにんするには最小さいしょう設定せっていである。

Schrodinger 方程式ほうていしきりつてる

はこ内側うちがわではポテンシャルエネルギーpotential energyれいなので、ハミルトニアンHamiltonian運動うんどうエネルギーこうだけになる。

H^=-22md2dx2

時間じかん依存いぞんしないSchrodinger方程式ほうていしきSchrodinger equationつぎである。

H^ψ=Eψ

したがって、はこ内側うちがわしきつぎである。

-22md2ψdx2=Eψ,E[J;ML2T-2]

このしきは、二階微分にかいびぶんもと関数かんすう定数倍ていすうばいになる関数かんすうさがかたち整理せいりできる。

d2ψdx2=-2mE2ψ

ここで波数はすうつぎ定義ていぎする。

k2=2mE2,k[m-1;L-1]

すると、方程式ほうていしきつぎになる。

d2ψdx2=-k2ψ

このかたちたら、二階微分にかいびぶん符号ふごう反転はんてんしてもともど関数かんすうさがす。したがって、正弦せいげん余弦よげん候補こうほになる。

ψ(x)=Asinkx+Bcoskx
data/lecture/math/differential-equations/二階線型定数係数微分方程式の基本-講義.n.md

境界条件きょうかいじょうけん波数はすうえら

第一だいいち境界条件きょうかいじょうけん使つかう。

ψ(0)=Asin0+Bcos0=B

はじれいなので、つぎる。

B=0

したがって、候補こうほつぎこうられる。

ψ(x)=Asinkx

第二だいに境界条件きょうかいじょうけん使つかう。

ψ(L)=AsinkL=0

ここで、もしつぎなら零関数れいかんすうになる。

A=0

零関数れいかんすう全空間ぜんくうかん確率密度かくりつみつどprobability densityれいであり、規格化きかくかnormalizationできない。したがって、物理的ぶつりてき状態じょうたいstateとしては除外じょがいする。

A0

よって、のこ条件じょうけんつぎである。

sinkL=0

正弦せいげんれいになる条件じょうけんから、つぎる。

kL=nπ

ここで、量子数りょうしかずつぎである。

n=1,2,3,

量子数りょうしかずれい場合ばあいは、つぎにより零関数れいかんすうになる。

n=0k=0ψ(x)=0

したがって、れい除外じょがいする。これで、連続的れんぞくてきえらべそうだった波数はすうびのあたい制限せいげんされた。

エネルギーが量子化りょうしかされる

波数はすうつぎである。

kn=nπL,n=1,2,3,

さきほどの定義ていぎもどす。

k2=2mE2

これをエネルギーenergyについてく。

E=2k22m

波数はすうゆるされるあたい代入だいにゅうすると、エネルギー準位じゅんいenergy levelる。

En=n2π222mL2,En[J;ML2T-2]

このしき意味いみ明確めいかくである。境界条件きょうかいじょうけんboundary condition波数はすう離散化りさんかし、波数はすうエネルギーenergyめるため、エネルギーenergy離散化りさんかされる。

単位たんい次元じげん確認かくにんする。

2[J2s2;M2L4T-2],mL2[kgm2;ML2]

したがって、エネルギーenergy単位たんい次元じげんをもつ。

2mL2[J;ML2T-2]

波動関数はどうかんすう規格化きかくかする

境界条件きょうかいじょうけんだけでは係数けいすうおおきさはまらない。確率解釈かくりつかいしゃくするには規格化きかくかnormalization必要ひつようである。

ゆるされるかたちつぎである。

ψn(x)=AsinnπxL

規格化条件きかくかじょうけんつぎである。

0L|ψn(x)|2dx=1

係数けいすう実数じっすうせいあたいとしてえらぶと、つぎ計算けいさんする。

0LA2sin2nπxLdx=A2L2=1

ここでつぎる。

A=2L

したがって、規格化きかくかされた波動関数はどうかんすうwave functionつぎである。

ψn(x)=2LsinnπxL,ψn(x)[m-1/2;L-1/2]

ここで規格化きかくかnormalizationへんえたのは、なみ全体ぜんたい倍率ばいりつである。保存ほぞんしたのは、ふし位置いちなみかたちである。したがって、境界条件きょうかいじょうけんboundary conditionかたちえらび、規格化きかくかnormalization確率かくりつとしてのおおきさをせいえた、とけてむ。

data/lecture/chemistry/theoretical/quantum-chemistry/波動関数と確率解釈-講義.n.md

具体例ぐたいれい: 第一状態だいいちじょうたい第二状態だいにじょうたい比較ひかくする

第一状態だいいちじょうたいつぎである。

ψ1(x)=2LsinπxL

第二状態だいにじょうたいつぎである。

ψ2(x)=2Lsin2πxL

第一状態だいいちじょうたいはこ内部ないぶふしたない。第二状態だいにじょうたい中央ちゅうおうふしつ。

ψ2(L2)=0

このたんなるかたちいではない。量子数りょうしかずぞうえるとなみさいかく振動しんどうし、二階微分にかいびぶんおおきさがぞうえる。ハミルトニアンHamiltonian運動うんどうエネルギーこう二階微分にかいびぶんふくむため、振動しんどうさいかい状態じょうたいほどエネルギーenergyたかくなる。

エネルギーつぎである。

E2E1=2212=4

このれいでは、ふしかず波数はすう二階微分にかいびぶんエネルギーenergy対応たいおうしている。解法かいほうだけをるのではなく、「振動しんどうさいかいほど運動うんどうエネルギーがおおきい」という概念がいねん対応たいおうむことが重要じゅうようである。

なにへんわり、なに保存ほぞんされるか

はこながさをへんえると、エネルギー準位じゅんいenergy level間隔かんかくへんわる。

En1L2

したがって、はこながくなるほどエネルギーenergy間隔かんかくちいさくなる。これは、ひろ領域りょういきではなが波長はちょうゆるされ、波数はすうちいさくなるためである。

量子数りょうしかずへんえると、ふしかず波数はすうエネルギーenergyへんわる。一方いっぽうで、どうはこかんがえるげんり、はじしょうえるという境界条件きょうかいじょうけんboundary conditionと、全確率ぜんかくりついちであるという規格化きかくかnormalization保存ほぞんされる。

全体位相ぜんたいいそうけても、確率密度かくりつみつどprobability density保存ほぞんされる。

ψn(x)eiθψn(x)|ψn(x)|2は変わらない

見分みわけほう

粒子箱りゅうしばこモデルparticle in a box model問題もんだいでは、つぎじゅんむ。

  1. はこ内側うちがわハミルトニアンHamiltonianりつてる。
  2. 微分方程式びぶんほうていしきから候補こうほなみる。
  3. 境界条件きょうかいじょうけんboundary condition係数けいすう波数はすう制限せいげんする。
  4. 零関数れいかんすう除外じょがいし、量子数りょうしかず範囲はんいめる。
  5. 波数はすうからエネルギー固有値こゆうちenergy eigenvalueる。
  6. 最後さいご規格化きかくかnormalization確率解釈かくりつかいしゃくできるかたちにする。

この順序じゅんじょほうすと、係数けいすう決定けっていエネルギーenergy決定けってい混同こんどうしやすい。境界条件きょうかいじょうけんboundary condition波数はすうえらび、規格化きかくかnormalization全体係数ぜんたいけいすうえらぶ、とけてむ。

限界げんかい

この模型もけいでは、はこそと粒子りゅうし絶対ぜったい存在そんざいできないと仮定かていした。実際じっさい分子ぶんしでは、電子密度でんしみつどきゅう完全かんぜんれいになるとはげんらない。また、多電子相互作用たでんしそうごさよう原子核げんしかく運動うんどう三次元構造さんじげんこうぞう無視むししている。

それでもこの模型もけい重要じゅうようなのは、境界条件きょうかいじょうけんboundary condition固有値問題こゆうちもんだいeigenvalue problemゆるされるかい制限せいげんし、その結果けっかとしてエネルギーenergy離散化りさんかすることを、最小さいしょう計算けいさんしめすからである。

一言ひとことでいうと

粒子箱りゅうしばこモデルparticle in a box modelでは、Schrodinger方程式ほうていしきSchrodinger equation候補こうほなみえ、境界条件きょうかいじょうけんboundary condition波数はすうえらび、ハミルトニアンHamiltonian固有値こゆうちeigenvalueとしてエネルギーenergy量子化りょうしかされる。規格化きかくかnormalizationは、そのゆるされたなみ確率解釈かくりつかいしゃくできるおおきさにせいえる操作そうさである。

演習えんしゅうリンク

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