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変分法とLCAO近似md 24ae64a
lecture/chemistry/theoretical/quantum-chemistry/変分法とLCAO近似-講義.n.md
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変分法へんぶんほうvariational methodLCAO近似きんじlinear combination of atomic orbitals approximation

なぜこの方法ほうほうかんがえるのか

この講義こうぎ中心的ちゅうしんてきいは、分子ぶんし波動関数はどうかんすうwave function正確せいかくけないとき、どのように候補こうほつくり、どの候補こうほがよいかを判定はんていするかである。

水素原子すいそげんし電子でんしが 1 だけなので、比較的ひかくてきくわしくける。しかし、分子ぶんしでは複数ふくすう原子核げんしかく複数ふくすう電子でんし相互作用そうごさようする。そのため、Schrodinger方程式ほうていしきSchrodinger equation厳密げんみつくことは一般いっぱんむずかしい。

そこで完全かんぜんかい直接ちょくせつさがすのではなく、候補こうほ制限せいげんする。制限せいげんされた候補こうほなかで、エネルギーenergyもっとひくくする波動関数はどうかんすうwave functionえらぶ。このかんがえが変分法へんぶんほうvariational methodである。

LCAO近似きんじlinear combination of atomic orbitals approximationは、その候補こうほ原子軌道げんしきどうatomic orbital線形結合せんけいけつごうlinear combinationとしてつく方法ほうほうである。

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直感的ちょっかんてき説明せつめい

変分法へんぶんほうvariational methodは、地形ちけいひく場所ばしょさが方法ほうほうている。本当ほんとう地形ちけい完全かんぜんにはあるけないので、あるみち制限せいげんする。そのみちなか一番低いちばんひく場所ばしょつける。

このとき、みちひろげればひろげるほど、本当ほんとう最低点さいていてんちかづける。反対はんたいに、みちせますぎれば、計算けいさん簡単かんたんでも本当ほんとうひく場所ばしょ見逃みのがす。

量子化学りょうしかがくでは、みち相当そうとうするのが試行関数しこうかんすう集合しゅうごうである。LCAO近似きんじlinear combination of atomic orbitals approximationでは、原子げんしっていた原子軌道げんしきどうatomic orbital材料ざいりょうにし、そのかたえることで分子ぶんし波動関数はどうかんすうwave functionさがす。

変分法へんぶんほうvariational method基本式きほんしき

試行関数しこうかんすうψ とする。ψ零関数れいかんすうではなく、規格化可能きかくかかのうであると仮定かていする。

ψ0

エネルギーenergy期待値きたいちつぎの Rayleigh しょうあたえられる。

E[ψ]=ψ|H^|ψψ|ψ,E[ψ][J;ML2T-2]

分母ぶんぼψ|ψ によるざんをしているため、ψ|ψ0必要ひつようである。零関数れいかんすう除外じょがいすれば、内積ないせき正定値性せいていちせいによりこの条件じょうけんたされる。

もし ψ規格化きかくかされていれば、

ψ|ψ=1

なので、

E[ψ]=ψ|H^|ψ

める。

data/lecture/math/linear-algebra/内積空間の基本-講義.n.md

なぜしん最低さいていエネルギーよりひくくならないのか

変分原理へんぶんげんりvariational principleは、任意にんい規格化きかくかされた試行関数しこうかんすうについて、

E[ψ][PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]E0

つという主張しゅちょうである。ここで E0しん基底状態きていじょうたいエネルギーenergyである。

理由りゆう線形代数せんけいだいすう言葉ことばく。ハミルトニアンHamiltonian規格化きかくかされた固有関数eigenfunctionϕ0,ϕ1,ϕ2, とし、エネルギー固有値こゆうちenergy eigenvalue

E0[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]E1[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]E2[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]

ならべる。試行関数しこうかんすう

ψ=iciϕi

展開てんかいでき、かつ規格化きかくかされているなら、

i|ci|2=1

である。このとき、

E[ψ]=i|ci|2Ei[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]i|ci|2E0=E0

となる。つまり、試行関数しこうかんすうつくエネルギーenergyは、しんエネルギー固有値こゆうちenergy eigenvalueおも平均へいきんであり、最低値さいていちよりしたにはけない。

LCAO近似きんじlinear combination of atomic orbitals approximation

LCAO近似きんじlinear combination of atomic orbitals approximationでは、分子ぶんし波動関数はどうかんすうwave function基底関数きていかんすうbasis function線形結合せんけいけつごうlinear combinationとしてく。

ψ=i=1Nciχi

χi材料ざいりょうにする原子軌道げんしきどうatomic orbital補助的ほじょてき関数かんすうである。三次元さんじげん一電子いちでんし波動関数はどうかんすうwave functionとしては、典型的てんけいてきつぎ単位たんいをもつ。

χi[m-3/2;L-3/2]

係数けいすう ciかたあらわ無次元量むじげんりょうとしてあつかう。

ci[1;1]

この近似きんじ本質ほんしつは、無限むげんひろ候補こうほ空間くうかんから、χ1,,χN有限次元ゆうげんじげん空間くうかん探索範囲たんさくはんい制限せいげんすることである。

有限次元ゆうげんじげん固有値問題こゆうちもんだいeigenvalue problemへのとし

ハミルトニアンHamiltonian行列要素ぎょうれつようそつぎ定義ていぎする。

Hij=χi*H^χjdτ,Hij[J;ML2T-2]

また、かさなり積分せきぶんoverlap integralつぎ定義ていぎする。

Sij=χi*χjdτ,Sij[1;1]

dτ体積要素たいせきようそであり、

dτ[m3;L3]

である。したがって、Sij無次元量むじげんりょうになる。

係数けいすう ciえると、試行関数しこうかんすうそのものがわる。したがって、Rayleigh しょう係数けいすう関数かんすうになる。

E(c)=cHccSc

ここで分母ぶんぼ波動関数はどうかんすうwave function規格化きかくか対応たいおうする。

cSc=ψ|ψ

非零ひれい試行関数しこうかんすうかんがえるため、

cSc0

必要ひつようである。さらに、基底関数きていかんすう線形独立せんけいどくりつで、内積ないせき正定値せいていちなら、c0たいして cSc>0 である。

この Rayleigh しょう停留ていりゅうする条件じょうけんもとめる。えると、

cSc=1

という規格化条件きかくかじょうけんした制約付せいやくつ最小化さいしょうかかんがえる。このとき E制約条件せいやくじょうけん対応たいおうする Lagrange 乗数じょうすうとしてあらわれ、停留点ていりゅうてんでは Rayleigh しょうあたい一致いっちする。

複素係数ふくそけいすうでは、cc*独立どくりつうごかすかたちかんがえ、c*かんする停留条件ていりゅうじょうけんる。

c*(cHc-EcSc)=0

この条件じょうけんから、つぎ一般化固有値問題いっぱんかこゆうちもんだいる。

Hc=ESc

成分せいぶんけば、

jHijcj=EjSijcj

もし基底関数きていかんすう正規直交せいきちょっこうしていれば、

S=I

であり、しき通常つうじょう固有値問題こゆうちもんだいeigenvalue problem

Hc=Ec

もどる。したがって、S は「基底関数きていかんすうどうしがどれだけかさなっているか」を係数空間けいすうくうかん内積ないせきとして記録きろくする行列ぎょうれつである。

である。非自明ひじめい係数けいすう c0るには、

det(H-ES)=0

必要ひつようである。これを永年方程式えいねんほうていしきsecular equationという。

ここで S可逆かぎゃくであることは重要じゅうようである。もし基底関数きていかんすう線形従属せんけいじゅうぞくなら、S特異とくいになり、係数けいすう表現ひょうげん冗長性じょうちょうせいしょうじる。その場合ばあい基底関数きていかんすう整理せいりする必要ひつようがある。

data/lecture/math/linear-algebra/固有値と固有ベクトル-講義.n.md

具体例ぐたいれい: 同種二原子分子どうしゅにげんしぶんしの 2 軌道きどうモデル

おな種類しゅるい原子げんし A,B から 1 つずつ原子軌道げんしきどうatomic orbitalる。

ϕA,ϕB

もっと単純たんじゅん候補こうほは、同位相どういそう逆位相ぎゃくいそうである。

ψ+=N+(ϕA+ϕB),ψ-=N-(ϕA-ϕB)

N+N-規格化定数きかくかていすうnormalization constantである。かさなりを

S=ϕA*ϕBdτ,S[1;1]

とすると、

N+=12(1+S),N-=12(1-S)

である。ここでは 1+S1-Sっているため、S=1S=-1 では使つかえない。実際じっさいには、ことなる中心ちゅうしんにある独立どくりつ規格化軌道きかくかきどうあつかかぎり、ふつう -1<S<1 であり、分母ぶんぼれいにならない。

ψ+核間かくかん電子密度でんしみつどelectron densityやしやすい。したがって、ふたつのかく電子でんし同時どうじきつけ、安定化あんていかしやすい。これが結合性軌道けつごうせいきどうbonding orbitalである。

ψ-核間かくかんふしつくり、電子密度でんしみつどelectron densityらしやすい。これは反結合性軌道はんけつごうせいきどうantibonding orbitalである。

なにわり、なにたもたれるか

変分法へんぶんほうvariational methodえるのは、試行関数しこうかんすうかたち係数けいすうである。たもつべきものは、物理的ぶつりてきゆるされる状態じょうたいstate条件じょうけんである。

たも条件じょうけんには、規格化可能性きかくかかのうせい境界条件きょうかいじょうけんboundary condition対象たいしょう対称性たいしょうせいsymmetryがある。これらをたさない候補こうほは、エネルギーenergyひくえても物理的ぶつりてき意味いみうしなう。

LCAO近似きんじlinear combination of atomic orbitals approximationえるのは、原子軌道げんしきどうatomic orbitalかたである。たもたれるのは、材料ざいりょうにした基底関数きていかんすうbasis function空間くうかんなかかいさがすという制約せいやくである。

限界げんかい

変分法へんぶんほうvariational method強力きょうりょくだが、えらんだ候補こうほ集合しゅうごうそとにあるかたちあらわせない。したがって、基底関数きていかんすうすくなすぎると精度せいど不足ふそくする。

基底関数きていかんすうやすと、表現力ひょうげんりょくがる。一方いっぽうで、行列ぎょうれつおおきくなり、計算けいさんおもくなる。この精度せいど計算量けいさんりょう交換関係こうかんかんけいが、量子化学計算りょうしかがくけいさん基本きほんである。

見分みわけかた

しき

E[ψ]=ψ|H^|ψψ|ψ

たら、候補こうほ波動関数はどうかんすうwave functionエネルギーenergy評価ひょうかしているとむ。

しき

ψ=iciχi

たら、無限次元むげんじげん問題もんだいを、係数けいすう ci有限次元ゆうげんじげん問題もんだい変換へんかんしているとむ。

しき

Hc=ESc

たら、かさなり積分せきぶんoverlap integralふく一般化固有値問題いっぱんかこゆうちもんだいgeneralized eigenvalue problemとしてむ。

一言ひとことでいうと

変分法へんぶんほうvariational methodは、ゆるされる候補こうほなかエネルギーenergyひくくする波動関数はどうかんすうwave functionさが方法ほうほうである。LCAO近似きんじlinear combination of atomic orbitals approximationは、その候補こうほ原子軌道げんしきどうatomic orbital線形結合せんけいけつごうlinear combinationとしてつくり、永年方程式えいねんほうていしきsecular equationとおじて有限次元ゆうげんじげん固有値問題こゆうちもんだいeigenvalue problemとす方法ほうほうである。

演習えんしゅうリンク

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