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反応速度の基本
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導入
この講義で最重要なのは、反応速度は「反応が速いか遅いか」という印象ではなく、濃度が単位時間あたりにどれだけ変化するかで測ることです。
化学平衡が反応の到達点を見る分野だとすると、反応速度はそこへ向かう途中を見る分野です。どれだけ反応しやすいかは、濃度、温度、触媒などで変わります。
用語と定義
反応速度 とは、反応物または生成物の濃度の時間変化です。
触媒 とは、反応経路を変えて反応速度を変化させるが、反応前後で自身は消費されない物質です。
方針
まず濃度の変化を時間で割って速度を定義します。そのあと、なぜ濃度や温度を上げると衝突の起こり方が変わるのかという粒子像へつなげます。
直感的な説明
反応は、分子どうしが出会っても毎回必ず起こるわけではありません。十分な速さと向きで衝突したときにだけ進みます。だから、分子が多い、速く動く、進みやすい経路がある、という条件で反応速度が変わります。
厳密な説明
1. 平均反応速度
反応物 A の濃度が [A] なら、平均反応速度は
-\frac{\Delta [A]}{\Delta t}
のように表します。
2. 反応速度を変える要因
- 濃度
- 温度
- 表面積
- 触媒
が代表的です。
3. 平衡との関係
ここでは反応速度と化学平衡を対比しているので、平衡の定義や平衡定数がまだ曖昧なら、先にこちらを参照すると混同しにくくなります。
data/lecture/chemistry/theoretical/化学平衡の基本-講義.n.md
平衡では正反応も逆反応も進んでいますが、その速さが等しくなっているので、見かけの濃度が変わりません。
見分け方
- 時間変化や濃度変化が出たら、まず反応速度を疑います。
- 温度や触媒で速さがどう変わるかを問うなら、平衡そのものではなく到達までの速さを見ています。
- 平衡と反応速度を混同しないことが大切です。
最終形
\boxed{\text{反応速度}=\frac{\text{濃度変化}}{\text{時間}}}
\boxed{\text{平衡では正反応速度}=\text{逆反応速度}}
一言でいうと
- 反応速度は、反応の進み方を時間の軸で見る道具です。