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連立一次方程式と掃き出し法
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導入
この講義で最重要なのは、掃き出し法は係数をただ消す技巧ではなく、連立一次方程式を同値な形へ直して、解の構造を見えるようにする方法だということです。
連立一次方程式を解くとき、代入法や加減法だけで押すと、式が多くなったとたんに見通しが悪くなります。掃き出し法は、この手順を機械的に整理したものです。
用語と定義
連立一次方程式 とは、未知数が 1 次で現れる方程式を複数まとめたものです。
行基本変形 とは、行の交換、定数倍、ある行に別の行の定数倍を加える操作です。
方針
まず拡大係数行列に直します。そのあと、行基本変形で前から順番に主役となる成分を立て、下や上の成分を消していきます。
直感的な説明
掃き出し法は、表の中で「この列の代表はここ」と決めて、その上下を掃除する作業に似ています。これを左から右へ順番に進めると、どの変数が自由で、どの変数が決まるかが見えてきます。
厳密な説明
1. 拡大係数行列
たとえば
\begin{cases}
x+y=2\\
2x-y=1
\end{cases}\begin{cases}
x+y=2\\
2x-y=1
\end{cases}
は
\left(
\begin{array}{cc|c}
1 & 1 & 2\\
2 & -1 & 1
\end{array}
\right)\left(
\begin{array}{cc|c}
1 & 1 & 2\\
2 & -1 & 1
\end{array}
\right)
と書けます。
2. 行基本変形
2 行目から 1 行目の 2 倍を引くと
\left(
\begin{array}{cc|c}
1 & 1 & 2\\
0 & -3 & -3
\end{array}
\right)\left(
\begin{array}{cc|c}
1 & 1 & 2\\
0 & -3 & -3
\end{array}
\right)
です。ここから y=1、さらに x=1 と読めます。
3. 何が見えるか
掃き出した結果、矛盾する行が出れば解なし、自由変数が残れば無数の解があります。
見分け方
- 未知数が複数あり、式の数も多いなら、掃き出し法を優先します。
- 解が一意かどうか、解なしなのかを知りたいときも、掃き出し結果が役に立ちます。
- 変形の途中で同値を保っていることを意識します。
最終形
\boxed{\text{連立一次方程式} \rightarrow \text{拡大係数行列} \rightarrow \text{掃き出し}}
一言でいうと
- 掃き出し法は、連立一次方程式を解く手順であると同時に、解の構造を見る方法でもあります。