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剛体のつり合いの基本
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導入
この講義で最重要なのは、剛体のつり合いでは「合力が 0」だけでなく「力のモーメントの和も 0」を同時に満たす必要があることです。
質点なら力の和だけを見ればよいことが多いですが、剛体は回転もできるので、それだけでは足りません。支点まわりでどれだけ回そうとするかまで見ます。
用語と定義
剛体 とは、変形しない理想化された物体です。
力のモーメント とは、ある点のまわりで物体を回転させようとする効果です。
方針
まず力を全部 図に描きます。そのあと、平行移動に関わる合力と、回転に関わるモーメントの和を別々に立てます。
直感的な説明
ドアを押すとき、蝶番の近くを押しても開けにくく、端を押すと開けやすいです。これは、同じ力でも支点からの距離でモーメントが変わるからです。
厳密な説明
1. 力のつり合い
\sum \vec F=0
です。
2. モーメントのつり合い
ある点を基準にして
\sum \tau=0
です。
3. 両方が必要
合力が 0 でも、モーメントの和が 0 でなければ回転します。したがって、剛体が静止するには両方が必要です。
見分け方
- 棒、はしご、板、てこのような問題なら、剛体のつり合いを疑います。
- 支点が出たら、力の和だけでなくモーメントも立てます。
最終形
\boxed{\sum \vec F=0}
\boxed{\sum \tau=0}
一言でいうと
- 剛体のつり合いは、力のつり合いと回転のつり合いを同時に見る問題です。