厳密な説明
1. 一次遅れの系
入力 u(t) と出力 y(t) が
\tau \frac{dy}{dt}+y=Ku
を満たすとします。\tau は時定数、K はゲインです。
この式は、「出力が急には変われず、入力へ少しずつ追いつく」ことを表しています。
2. 時間領域の見方
入力を一定 u(t)=u_0 とすると、
\tau \frac{dy}{dt}+y=Ku_0
です。これは平衡点 y=Ku_0 を持つ一次微分方程式で、解は
y(t)=Ku_0 + Ce^{-t/\tau}
となります。したがって出力は指数関数的に目標値へ近づきます。
ここで \tau が時定数と呼ばれるのは、e^{-t/\tau} の指数に直接現れ、応答の速さを支配するからです。\tau が小さいほど速く、\tau が大きいほどゆっくり目標値へ近づきます。
3. 伝達関数の見方
初期値を 0 としてラプラス変換すると
\tau sY(s)+Y(s)=KU(s)
なので
\boxed{G(s)=\frac{Y(s)}{U(s)}=\frac{K}{\tau s+1}}
です。これが伝達関数です。
伝達関数を使う理由は、微分方程式をそのつど解かなくても、「どの周波数の入力をどれだけ通すか」という性質を直接見られるからです。ここで分母 \tau s+1 の根が極で、安定性や減衰のしやすさを決めます。
4. 負帰還を入れる
目標値を r、誤差を e=r-y として、入力を
u=Ce
とします。ここで C は制御器のゲインです。すると
y=G(s)u=G(s)C(r-y)
より
y(1+G(s)C)=G(s)Cr
なので
\boxed{\frac{Y(s)}{R(s)}=\frac{G(s)C}{1+G(s)C}}
です。
この分母の 1+G(s)C が、閉じたループの安定性や応答を決めます。
なぜ負帰還で 1+GC になるかというと、出力が誤差を減らす向きに戻るからです。もし u=C(r+y) のような正帰還なら、同じ計算で分母は 1-GC になり、小さなずれが増幅されやすくなります。