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鏡と像の基本
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鏡と像の基本
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導入
この講義で最重要なのは、像を「どこに光線が集まるか、またはどこから出てきたように見えるか」で定義することです。
直感的な説明
像は物体の複製ではなく、「物体の 1 点から出た光が、どこに集まるか、あるいはどこから出てきたように見えるか」で決まります。だから鏡の問題では、物体そのものよりも、代表的な光線を数本選んで交点を追うことが本質です。
厳密な説明
1. 平面鏡
平面鏡では、入射角と反射角が等しいので、鏡面に関して物体と像が対称な位置にできます。したがって、像は鏡の向こう側にある虚像です。
物体の 1 点から鏡の 2 点へ向かう光線を考えると、反射後の延長線は鏡面の向こう側で 1 点に交わります。この 2 本が作る三角形は反射角 = 入射角 によって合同になり、鏡面までの距離が等しいことが出ます。これが「平面鏡では像が等距離にできる」理由です。
2. 球面鏡の基本光線
主軸に平行な光線は反射後に焦点を通り、焦点へ向かう光線は反射後に主軸へ平行になります。曲率中心を通る光線は法線に沿うので折れ返ります。
この規則は丸暗記するものではなく、球面鏡の各点で法線が曲率中心を向くことと、反射の法則から出ます。主軸に近い光線に限ると、反射した光線はほぼ 1 点に集まり、その点が焦点です。
3. 像の読み方
光線図で反射後の光線が実際に交われば実像、その延長線が交われば虚像です。
4. 球面鏡の公式の見方
高校では、球面鏡についても
\frac{1}{a}+\frac{1}{b}=\frac{1}{f}
の形の公式を使います。これは小さい角度で近似した光線図の相似から導かれるもので、レンズの公式と同じ構造を持っています。
別の見方
幾何的な見方
光線図と相似で像の位置や倍率を読む見方です。
波面による見方
大学物理では、鏡は波面を反転させて次の波面を作る面としても見られます。こちらの見方だと、鏡とレンズが「波面をどう作り変えるか」という共通の言葉で並びます。
見分け方
- 鏡の問題では、まず反射か対称かを考えます。
- 像が正立か倒立か、実像か虚像かは光線図で判断します。
どこまで成り立つか
球面鏡で焦点や公式をきれいに使う議論は、主軸に近い光線だけを考える近軸近似を使っています。大きく傾いた光線まで入れると、収差が無視できなくなります。