markdown
連分数展開
lecture/math/number-theory/連分数展開-講義.n.md

連分数れんぶんすう展開てんかい

date2026-04-01description実数を整数の連鎖的な割り算で表現する—連分数の定義・収束分数の意味・ユークリッド互除法との双対性・無理数の循環性を整理する。prerequisitesユークリッドの互除法と一次不定方程式 / 整数の性質の基本 / 有理数と無理数type講義statusactiverelateddata/lecture/math/number-theory/整数論ポータル-講義.n.md / data/lecture/math/algebra/ユークリッドの互除法と一次不定方程式-講義.n.md / data/lecture/math/number-theory/中国剰余定理-講義.n.md
mathalgebranumber-theoryundergraduatelecture

導入どうにゅう

この講義こうぎ核心かくしんは、連分数れんぶんすうはユークリッド互除法ごじょほうを「ぎゃくからむ」ものであり、実数じっすう有理数ゆうりすう近似きんじするときの「最良近似さいりょうきんじ」をあたえることである。

2πe といった無理数むりすう分数ぶんすう近似きんじするとき、「分母ぶんぼがこのおおきさ以下いかでこれ以上いじょうちか分数ぶんすうはない」という最良近似さいりょうきんじ系統的けいとうてきられる。これが連分数れんぶんすう威力いりょくである。

用語ようご定義ていぎ

連分数れんぶんすうContinued fraction

連分数れんぶんすうContinued fractionとは、以下いかかたち表現ひょうげんである:

x=a0+[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"cfrac\")")]1a1+[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"cfrac\")")]1a2+[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"cfrac\")")]1a3+

記法きほうx=[a0;a1,a2,a3,]

ここで a0ZaiZ>0i[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]1)。かく ai部分商ぶぶんしょう(partial quotient)という。

れん」という命名めいめい分数ぶんすうなかにさらに分数ぶんすうれんなる構造こうぞうから命名めいめいcontinuedつづく)のやく

収束分数しゅうそくぶんすうConvergent

n 番目ばんめ収束分数しゅうそくぶんすうConvergent漸近分数ぜんきんぶんすうとも)は

pnqn=[a0;a1,,an]

有限ゆうげんった連分数れんぶんすうであり、x への最良有理近似さいりょうゆうりきんじあたえる。

連分数れんぶんすう分類ぶんるい

種類しゅるい定義ていぎれい
有限ゆうげん連分数れんぶんすうai=0i>N)でれる有理数ゆうりすうのみ
無限むげん連分数れんぶんすう非循環ひじゅんかん部分商ぶぶんしょう非周期的ひしゅうきてきe=[2;1,2,1,1,4,1,1,6,]
無限むげん連分数れんぶんすう循環じゅんかん部分商ぶぶんしょう周期的しゅうきてき2=[1;2_]3=[1;1,2_]

基本定理きほんていり実数じっすう x無理数むりすうであるための必要十分条件ひつようじゅうぶんじょうけんは、連分数れんぶんすう展開てんかい無限むげんつづくことである。また x2次無理数にじむりすうax2+bx+c=0有理係数ゆうりけいすうかい)であることと循環連分数じゅんかんれんぶんすうになることは同値どうちである(ラグランジュの定理ていり)。

方針ほうしん

有理数ゆうりすう場合ばあいはユークリッド互除法ごじょほうしょうれつがそのまま連分数れんぶんすう部分商ぶぶんしょうになる。無理数むりすう場合ばあい整数部分せいすうぶぶんつづけるアルゴリズムで展開てんかいする。

厳密げんみつ説明せつめい

1. 有理数ゆうりすう連分数れんぶんすう展開てんかい(ユークリッド互除法ごじょほうとの双対そうつい

p/qp,qZq>0)の展開てんかい

p=a0q+r1a0=p/q
q=a1r1+r2a1=q/r1
r1=a2r2+r3a2=r1/r2

あまりが 0 になったところで終了しゅうりょう。ユークリッド互除法ごじょほうあまりのれつ逆数ぎゃくすうがった構造こうぞうになっている。

れい43/30展開てんかいする。

43=1·30+13a0=1
30=2·13+4a1=2
13=3·4+1a2=3
4=4·1+0a3=4

したがって 43/30=[1;2,3,4]

2. 無理数むりすう連分数れんぶんすう展開てんかい

x=2場合ばあい

a0=2=1
x1=12-1=2+1,a1=2+1=2
x2=1(2+1)-2=12-1=2+1a2=2,

以下いか同様どうようai=2i[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]1)がつづく。2=[1;2_]

3. 収束分数しゅうそくぶんすう漸化式ぜんかしき

p-1=1,p0=a0;pn=anpn-1+pn-2
q-1=0,q0=1;qn=anqn-1+qn-2

隣接りんせつする収束分数しゅうそくぶんすう

pnqn-1-pn-1qn=(-1)n-1

この恒等式こうとうしき一次不定方程式いちじふていほうていしき ax+by=1かい自動的じどうてきあたえる。

4. 最良近似さいりょうきんじ意味いみ

p/qx収束分数しゅうそくぶんすうであるならば、q[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]qたす任意にんい有理数ゆうりすう p/qp/qp/q)にたいして

|x-p/q|[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]|x-p/q|

つまり収束分数しゅうそくぶんすうは「分母ぶんぼがこれ以下いか分数ぶんすうなか最良さいりょう近似きんじ」をあたえる。

5. 黄金比おうごんひ連分数れんぶんすう

ϕ=1+52=[1;1_]=1+[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"cfrac\")")]11+[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"cfrac\")")]11+

部分商ぶぶんしょうがすべて 1 であることから、黄金比おうごんひは「有理数ゆうりすうもっと近似きんじしにくい」無理数むりすうである(最悪近似数さいあくきんじすう)。フィボナッチ数列すうれつ隣接りんせつ黄金比おうごんひ収束しゅうそくするのは、フィボナッチ数列すうれつ[1;1_]収束分数しゅうそくぶんすう分子ぶんし分母ぶんぼれつそのものだからである。

見分みわかた

  • 有理数ゆうりすう近似きんじ問題もんだい収束分数しゅうそくぶんすう最良近似さいりょうきんじあたえる
  • 分母ぶんぼ [PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]Nもっとちか分数ぶんすうは?」→ 連分数れんぶんすう展開てんかいして収束分数しゅうそくぶんすう列挙れっきょする
  • 循環連分数じゅんかんれんぶんすう2次無理数にじむりすうn がた
  • ax+by=1く → 隣接りんせつ収束分数しゅうそくぶんすう pnqn-1-pn-1qn=(-1)n-1利用りよう

どこまでつか

連分数れんぶんすう展開てんかい実数じっすう適用てきようできる。複素数ふくそすうへの一般化いっぱんか(ガウス整数せいすう連分数れんぶんすう)も存在そんざいするが複雑ふくざつになる。収束しゅうそくはやさは部分商ぶぶんしょうおおきさに依存いぞんし、部分商ぶぶんしょうおおきいほどはや収束しゅうそくする。

最終形さいしゅうけい

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]x=[a0;a1,a2,],ai=xi,xi+1=1xi-ai
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]pn=anpn-1+pn-2,qn=anqn-1+qn-2
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]pnqn-1-pn-1qn=(-1)n-1

一言ひとことでいうと

連分数れんぶんすうはユークリッド互除法ごじょほうぎゃくから表現ひょうげんであり、有理数ゆうりすうによる最良近似さいりょうきんじ系統的けいとうてき構成こうせいほうあたえる。

関連かんれんリンク

data/lecture/math/algebra/ユークリッドの互除法と一次不定方程式-講義.n.md data/lecture/math/number-theory/中国剰余定理-講義.n.md
raw .n.md をコピー
loc をコピー (filepath:line ~ line)
copy share link
path をコピー
copy share link
copy share link
タブを全て閉じる