markdown
衝突と運動量保存
lecture/physics/mechanics/衝突と運動量保存-講義.n.md

衝突しょうとつ運動量保存うんどうりょうほぞん

date2026-03-31description衝突では内力の詳細を問わず系全体の前後の運動量を比べる—運動量保存則と反発係数の組み合わせ方、弾性・非弾性の使い分けを整理する。type講義statusactiverelateddata/lecture/physics/mechanics/運動量と力積-講義.n.md / data/lecture/physics/mechanics/保存則の導出-講義.n.md
physicsmechanicslecture

導入どうにゅう

この講義こうぎ核心かくしんは、衝突しょうとつでは接触力せっしょくりょくおおきさをうのではなく、けい全体ぜんたい前後ぜんご運動量うんどうりょうくらべることである。

衝突しょうとつちゅうには内力ないりょくきわめておおきくなるが、その詳細しょうさい不要ふようである。けい全体ぜんたいると、内力ないりょくついになって打消うちけしあい、外力がいりょく力積りきせき十分じゅうぶんちいさい場合ばあいには運動量保存則うんどうりょうほぞんそく成立せいりつする。

data/lecture/physics/mechanics/運動量と力積-講義.n.md

用語ようご定義ていぎ

運動量保存則うんどうりょうほぞんそくConservation of momentum衝突しょうとつにおける適用てきよう

外力がいりょく力積りきせき無視むしできるとき、けい全運動量ぜんうんどうりょう衝突しょうとつ前後ぜんご一定いっていたもたれる。

なぜ「外力がいりょく力積りきせきちいさい」が条件じょうけん衝突しょうとつ時間じかん Δtきわめてみじかい。外力がいりょく重力じゅうりょくなど)は有限ゆうげんおおきさなので、力積りきせき FΔt無視むしできる程度ていどちいさくなる。これが衝突しょうとつ運動量保存則うんどうりょうほぞんそく使つかえる理由りゆうである。

導出どうしゅつさき参照さんしょう

data/lecture/physics/mechanics/保存則の導出-講義.n.md

反発係数はんぱつけいすうCoefficient of restitution

反発係数はんぱつけいすうCoefficient of restitution反発はんぱつ係数けいすう記号きごう e)とは、衝突後しょうとつごはなれる相対速度そうたいそくどおおきさと衝突前しょうとつまえちかづく相対速度そうたいそくどおおきさのである。

e=v2-v1u1-u2(0[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]e[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]1)

命名めいめい科学史かがくし:Newton が 1687ねんの Principia で導入どうにゅうした。とうしょは「衝突しょうとつかたさ」を定量化ていりょうかするりょうとしてあつかわれた。e=1完全弾性衝突かんぜんだんせいしょうとつe=0完全非弾性衝突かんぜんひだんせいしょうとつ合体がったい)に対応たいおうする。

なぜ「相対速度そうたいそくど」か衝突しょうとつ前後ぜんご各物体かくぶったい絶対速度ぜったいそくどことなるが、物体ぶったいが「どれだけかえるか」は慣性系かんせいけいえらかたによらない。相対速度そうたいそくど座標変換ざひょうへんかんたいして不変ふへんであるため、e物理的ぶつりてき意味いみつ。

弾性衝突だんせいしょうとつ非弾性衝突ひだんせいしょうとつ区別くべつ

弾性衝突だんせいしょうとつElastic collision非弾性衝突ひだんせいしょうとつInelastic collision完全非弾性衝突かんぜんひだんせいしょうとつPerfectly inelastic
反発係数はんぱつけいすうe=10<e<1e=0
力学的りきがくてきエネルギー保存ほぞんされる減少げんしょうねつなど散逸さんいつ最大さいだい損失そんしつ
運動量うんどうりょう保存ほぞん保存ほぞん保存ほぞん
れいかたきゅう衝突しょうとつ理想りそう通常つうじょう衝突しょうとつ粘土ねんど合体がったい

混同こんどうするとあやまること:e=1 でも運動量保存則うんどうりょうほぞんそく使つかう。エネルギー保存ほぞんだけを使つかうと未知数みちすうけない(方程式ほうていしきが 1 ほんりない)。

方針ほうしん

  1. けい方向ほうこうめる:どの物体ぶったいけいとし、どの方向ほうこう運動量保存則うんどうりょうほぞんそく立式りっしきするかを確認かくにんする
  2. 未知数みちすうかぞえる:1 次元じげんで 2 物体ぶったいなら未知数みちすう 2 方程式ほうていしきも 2 ほん必要ひつよう
  3. 補足条件ほそくじょうけんえら弾性衝突だんせいしょうとつならエネルギー保存ほぞん一般いっぱんなら eしき追加ついかする

厳密げんみつ説明せつめい

1. 1 次元じげん衝突しょうとつ基本式きほんしき

2 物体ぶったいの 1 次元じげん衝突しょうとつ考察こうさつする。衝突前しょうとつまえ速度そくどu1,u2衝突後しょうとつごv1,v2 とする。

運動量保存則うんどうりょうほぞんそくつね成立せいりつ):

m1u1+m2u2=m1v1+m2v2(1)

反発係数はんぱつけいすうしき衝突しょうとつ種類しゅるい依存いぞん):

v2-v1=e(u1-u2)(2)

適用てきよう条件じょうけん外力がいりょく力積りきせき無視むしできること(衝突しょうとつ時間じかん十分じゅうぶんみじかいこと)。

2. v1,v2かい一般式いっぱんしき

(1)(2)v1,v2 について連立れんりつしてくと

v1=(m1-em2)u1+(1+e)m2u2m1+m2
v2=(m2-em1)u2+(1+e)m1u1m1+m2

3. 弾性衝突だんせいしょうとつ別解べっかい(エネルギーを使用しようするルート)

e=1 のとき、(2) のわりに力学的りきがくてきエネルギー保存ほぞん

12m1u12+12m2u22=12m1v12+12m2v22(3)

使用しようしてもよい。(1)(3) から方法ほうほう(1)(2) から方法ほうほう同値どうちであり、計算量けいさんりょう(1)(2)ほうすくない。

かくルートの選択基準せんたくきじゅんeあたえられているならば (1)(2)、「弾性衝突だんせいしょうとつ」と明記めいきされていても e=1(2)代入だいにゅうするのがはやい。エネルギー保存ほぞんしき (3)v12,v22かたち非線形ひせんけいになるため、連立れんりつ煩雑はんざつになる場合ばあいがある。

4. 具体例ぐたいれい同質量どうしつりょう弾性衝突だんせいしょうとつ

質量しつりょう m の 2 きゅう考察こうさつする。きゅう A が速度そくど u静止せいししているきゅう B に正面衝突せいめんしょうとつする(e=1)。

ルート 1(1)(2)使用しようする。

mu+0=mv1+mv2v1+v2=u(1)
v2-v1=1·(u-0)=u(2)

(1)+(2)2v2=2uv2=u

(1)-(2)2v1=0v1=0

→ A が停止ていしし、B が速度そくど uす(速度そくど完全交換かんぜんこうかん)。

ルート 2一般式いっぱんしき( §2 の結果けっか)に m1=m2=me=1u2=0代入だいにゅうする。

v1=(m-m)u+02m=0,v2=0+2mu2m=u

おなこたえをる。一般式いっぱんしき検証けんしょうにもなる。

5. 具体例ぐたいれい完全非弾性衝突かんぜんひだんせいしょうとつe=0

おな設定せっていe=0合体がったい)。(2) から v2-v1=0、すなわち v1=v2v。(1) から

mu=2mvv=u2

力学的りきがくてきエネルギーの変化へんか

ΔK=12(2m)(u2)2-12mu2=mu24-mu22=-mu24

もと運動うんどうエネルギーの半分はんぶんうしなわれ(ねつ変形へんけい散逸さんいつ)、運動量うんどうりょう保存ほぞんされている。

見分みわかた

  • 衝突しょうとつ時間じかんみじか外力がいりょく力積りきせきちいさい → 運動量保存則うんどうりょうほぞんそく使つか
  • 弾性衝突だんせいしょうとつ」と明記めいきe=1代入だいにゅう(またはエネルギー保存ほぞん追加ついか
  • 反発係数はんぱつけいすう eあたえられている → (1)(2)連立れんりつ
  • 合体がったい」「完全非弾性かんぜんひだんせい」 → e=0v1=v2使用しよう
  • エネルギー損失そんしつもとめる → ΔK計算けいさん運動量保存則うんどうりょうほぞんそく別途べっと計算けいさん

どこまでつか

運動量保存則うんどうりょうほぞんそく外力がいりょく力積りきせき無視むしできる場合ばあい成立せいりつする。衝突しょうとつ時間じかんなが場合ばあい(ゆっくりとした接触せっしょくなど)や、重力じゅうりょくおおきくはたら斜面しゃめんでの衝突しょうとつでは注意ちゅうい必要ひつようである。

反発係数はんぱつけいすう e実験的じっけんてきさだまるりょうであり、速度そくど温度おんど変形へんけいおおきさに依存いぞんする場合ばあいがある。高校こうこう物理ぶつりでは一定いっていとみなす。

最終形さいしゅうけい

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]m1u1+m2u2=m1v1+m2v2
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]v2-v1=e(u1-u2)

一言ひとことでいうと

衝突しょうとつでは運動量保存則うんどうりょうほぞんそく基本きほんとし、反発係数はんぱつけいすう(または弾性衝突だんせいしょうとつならエネルギー保存ほぞん)を追加ついかして未知数みちすう決定けっていする。

関連かんれんリンク

data/lecture/physics/mechanics/運動量と力積-講義.n.md data/lecture/physics/mechanics/保存則の導出-講義.n.md
raw .n.md をコピー
loc をコピー (filepath:line ~ line)
copy share link
path をコピー
copy share link
copy share link
タブを全て閉じる